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「循環共生とは何か」講座 その②

鈴鹿モデル鈴鹿ブランドへの胎動
sekiyu.JPG石油資源の消費状況

石油エネルギーに支えられた現代文明
「循環共生とは何か」の講座の中で、再認識したことは、現代の豊かな文明は、石油エネルギーによって支えられているということだ。
その石油資源も既にピークを過ぎ、あと2、30年もすれば枯渇するとも言われている。そんなことになれば、石油の豊かさに乗っかっている日本の国は、たちまちパニックになってしまう。
 石油に代わるエネルギー開発も進められてはいるが、気がついたら、もう輸入できないなんてことも十分にあり得る。
 あのモアイ像で有名なイースター島も、かつて豊かな森林資源があったそうだが、伐採し尽くして、文明そのものが滅んでしまった。部族間で、相手が使うのをやめたら、こっちも止めようと、お互いに自分からは止められなかったという。今のCO2削減の国際会議とまったく同次元の話だ。
こういった問題を引きおきしている根本問題は、人がどう生きるか、という問いに行き着く。だが、内藤先生の話によると、「学者や政府は、人の生活の仕方までは、関与出来ない、口出しは出来ない」という。だから学者は、科学技術の進歩による解決策を考え、政治家は、規制する法律を作るしか対策が立てられないと。それが今の社会の現状であろう。
イースター島の悲劇を今また繰り返すのか、それとも根本原因の解決に着手するのか、問われている。(この問いに対する研究は、SCIENZ研究所に期待したい)

地域だからこそ実現可能
内藤先生.jpg講座をする内藤先生
もう一つ、地球環境問題というグローバルな問題を、国際政治ではなく一地方がなぜ取り組むのか、という疑問もある。
この点は、内藤先生の考えを参考にしたい。
それによると、現代の豊かな文明は、安い石油資源に支えられて成り立っている。石油の大量消費によって大量生産・大量消費の経済システムを築き、都市工業社会を作り出してきた。同時に、このシステムは生き残るためのグローバルな経済を必要とし、世界規模で経済競争を繰り広げていった。その結果が今の地球環境問題や経済格差による不安定状態をもたらしている。
都市・工業化の流れは、地方から人・モノ・金を吸い上げ発展した。そのために地方が疲弊・崩壊に至っている。よって、石油文明に代わる新たな環境文明社会(循環共生型社会)は、地方からしか生まれない。さらに、地方が率先してやるのは、地球や世界のためというより、自分たちが生き残るためである、と論じる。

「鈴鹿を循環共生型コミュニティに」と取り組むのも以上のような意味があるのだろう。
そして、今回の講座に集ったメンバーからは、その実現に向けてとても意欲的な姿勢が感じられた。その発言内容については次号で紹介したい。(記者:岩田)
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