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「循環共生とは何か」講座 その③

鈴鹿モデルが鈴鹿ブランドに
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講座の後半は、内藤氏の発表を受けて参加者から積極的な意見が交わされた。
「循環共生型社会」に向けて、まずは、食と農をつなぐことが焦点になった。

農業経営をするKさん――「石油がストップした場合、いまの農業は出来なくなる。トマトハウスでも重油を使っているし、有機肥料を畑に撒くのも機械だ。だけど、ビジネスとして成り立たせていきたい。石油を使わない農業が出来れば、それが一つの魅力になるのでは?」

食品販売経営のKさん「農業だけで成り立つというより、生産から食品加工・流通販売まで一環させて、その中で利益を生むことが出来ると思う」

「6次産業・10次産業にしていくということだね」
(第1次産業(農業)から2次産業(食品加工)3次産業(流通・販売)まで足したものを6次産業。これに子どもの教育や心のケア(4次産業)といった福祉産業を加えていくという発想が10次産業)

「そこを食べる人が支えていく。食べて応援していくことがコミュニティで出来るんじゃないか」

「顔の見える関係が築かれていけば、結構いけそうな気がする。実際にやっていても、これは、○○さんのつくった野菜だ、となると、無駄なく活かしたくなる。使い方が違ってくる」

「普通、地域ブランドというと、その地域の特産品を売り出そうとする。それで、儲けようとするけど、今の話では、循環共生のモデルとしてそれがブランドにならないか、ということだね」

「これは、外に売り出すためのブランドではなく、モデルとしてのノウハウがブランドになるってことか」

「循環共生のために何かをしなければ、という義務感では実現は難しい。だけど、自然と共生する生活は意外と快適だとなれば、無理なくいけそう。そんな暮らしのモデルが出来ないだろうか」

市議会議員さん「学校給食を地元の農産物でまかなうことの意味は、将来、子どもが大人になったときに、その大事さに気づいていけると思う。それがまた次の世代にと繋がっていくと思う」

次世代につながってこそ、持続可能な社会といえるだろう。それぞれの立場からの意見交流であったが、話し合うだけで、発想が広がり、いろんな繋がりが見えてくる気がした。
現代社会は、人と人のつながりを見失っているが故に大きな問題を生んでいるように思う。「循環共生型社会」は、そのつながりを見えるようにしていくことにヒントがあるのかもしれない。

大学生たちも「ここに来てやりたかった勉強が出来た」「新しい農業のスタイルを学びにまた来たい」という感想だった。(記者=岩田)
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