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連載第7回【アズワンネットワークメンバーの近況】

連載第7回【アズワンネットワークメンバーの近況】

2021年11月号から連載が始まった【アズワンネットワークメンバーの近況】
各地で活動するネットワークメンバーの今に焦点を当てて、紹介していきたいと思います。今回はその第7回です。

第7回は、大阪府交野市在住の古川晶子さんです。

(紹介してほしい人や、サイエンズスクールのコースで、一緒だったあの人どうしてるかな? また私の近況をお知らせしたい!など、是非お寄せください。)
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地元交野市で和綿(河内木綿)の布を織ることを始めてから13年目になる。
綿を畑で育てて糸を紡ぎ、草木で染め、織るという一連のことができるようになったのは七年たった頃。これはただの趣味ではなくライフワークなんだと思うようになった。
日常では目にすることはなくなった織物の風景。衣食住の成り立ちもわからなくなってしまった私たち40代以降の若い世代に必ず継いでいきたいと思っている。

2019年7月にツアー、8月にセミナーをうけ、2021年1月自分を知るためのコースで一緒だった稲垣さん。帰阪してから、友人にアズワンコミュニティの話を伝えようとパンフレットを開くたびに目にうつる。親戚のお兄ちゃんのような存在のいなちゃんの首に巻く手ぬぐいを織りたい。そして織りたいのは鈴鹿の土地で育った綿を紡いで織った布だった。2020年の3月に友達をつれて二度目のツアーに行ったとき「畑の隅に植えてほしい」といなちゃんに種を託した。その種は鈴鹿ファームのオクラの横に立派な畝を一筋たててもらって植えられた。
綿の芽
種を植える作業をチェリッシュの子供たちとともにやってくれたと聞いてとてもうれしかった。ワタの木が大きくなって夏に花をつけ、秋に実がみのり、はじけて綿があらわれる。その様子を子供たちも一緒に楽しんでくれたようだった。
綿の実
小さい人たちと一緒に、というのが私の理想のワタの育ちだったので、そんなことは一言もいなちゃんに言ってないのに自然とそうなっていたことに驚いた。
コロナ禍で思うように鈴鹿に行けない一年だったけど、時々ワタの様子の写真が送られてきて一緒に成長を喜ぶことができた。
2020年10月末にやっと畑を見に行くことができた時、子供たちと綿の様子をみてくれていたフンミちゃんが「糸にするのを教えて欲しいよ」と言ってくれた
紡いだ糸
畑公園の隅にゴザをひろげて青空のもとで小さな糸つむぎの会をした
綿の種を綿繰り機でとり、綿打ち弓でふわふわにしたあと、小さくまとめて篠にして、スピンドルで糸を紡ぐ。その工程一つ一つに目を輝かせて面白がってくれるフンミちゃんの姿がうれしくて、とても幸せな時間だった。
手ぬぐい
その時に持って帰ったその年の収穫綿で2メートル半の布を織った
手ぬぐいのサイズに切るとちょうど三枚になったので、いなちゃんとフンミちゃん、耕一君にと託す。最初は首にまいて欲しいと思って織った布だけど、いなちゃんは餅つきのときにはいつも姐さんかぶりしてその布をまとってくれている。とても満足。
稲ちゃん
2021年5月、再びフンミちゃんが子供たちと綿の種をまいてくれた。
今年は糸を紡いで布を織ってみるまで挑戦したいよといってくれて、想いの糸がつながっていることに喜ぶ。2021年もコロナはおさまらず気軽に交流できる状態ではなかったのだけど、9月には収穫の一報が入り、また小さく糸つむぎ会。私の愛用の自転車の車輪を利用した丈夫な糸車を紹介したら「欲しいなー」となり、写真、動画撮影、採寸してコミュニティの頼れるおじさま、本山さんに作ってもらいたいな、と言っていた。

2022年1月に社会を知るためのコースで一緒だった本山さんの口から「フンミちゃんに糸車作ってって言われてるんだけど細部がわからなくて」と聞いて2月に再度糸車をもって訪鈴。SCSのカフェで採寸する本山さんの姿が頼りがいありすぎてワクワク。コミュニティのなかの困りごとも頼まれごともこうやってみんなの頭と手をつかってひとつひとつ応えていってるんだなあ、と実感した場面。
3月には早速完成したよとお知らせをうけ、フンミちゃんの家で、できたてての糸車とご対面。残念ながらその日、本山さんはコース中で不在だったけれど、最後の調整をして試し引きしてみた糸車は本当になめらかでこまやかな気配りにあふれ、本山さんがみえるようだった。ただの「請負い」ではなく一緒に先のことを見てくれている人の仕事だなと思った
フンミ糸紡ぎ
とてもスムーズに糸が紡げることがわかって、フンミちゃんと喜びあった。
糸車での紡ぎ方をレクチャーしてる間、コミュニティの子供たちの育ちの環境のこともたくさん話してくれた。子供たちが本来の姿のままでまっすぐ育っていけるように、と整えられる人と場の環境。アズワンスタイルのコミュニティの親たちの願い。ずっと描き続けているもの、具体的に見せてもらった気がした。心の奥の方でわたしもそう願ってたけど、「できっこない」とあきらめ気味に思っていたことをずっとやってた人たち、ここにいたんだなあ、とまたしみじみ。
フンミちゃんはまっすぐ子供たちの先をみてる。
綿を育て、糸を紡ぎ、染め、織り、まとう
それだけの行為なんだけれど、その中には先人たちのメッセージがたくさん含まれている。
それを次の社会の元種となる子供たちへギフトしたい。わたしの願い。
子供たちへ伝えてくれる健やかな大人に今私が伝えられていることがうれしいなと思う。

次に鈴鹿に行くときは知美ちゃんにも伝える予定。フンミちゃんは知美ちゃんに紡いでほしいみたい。想いのバトンがまためぐる?こうやってみんなのアズワン糸ができるかな?
私のただの思いつきから始まった鈴鹿での糸つむぎの動き。
サイエンズスクールのコースに参加していただけでは知りえない実際のコミュニティのありように触れさせてもらえている。やってもやらなくてもいいけど、たのしいから。そうしたいから、で始まるはなし。大阪から通うわたしはこの先の展開がたのしみでしょうがない。
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