<< コミュニティ通貨の試み始まる 3 | main | コミュニティ通貨の試み始まる 5 >>

コミュニティ通貨の試み始まる 4

佳子編のコピー.gif
新しい通貨で起業?

RINKA事務局に立ち寄ってみると、会員間でやりとりしたRINKAの小切手が束で置かれている。この小切手は、個人が勝手に発行しているもので、RINKAを使う方、受け取る方の合意で成立している。
(両者の相談でRINKA額が決められること自体も面白い。互いの意思で価格設定できるのも画期的ではないか。ここにも提供する側、される側という関係ではないものがありそうだ)

発行した小切手は事務局に集計され、口座に入力されていく。
その小切手をパラパラと拝見すると、石川佳子さんの「食事づくり」にたくさんのRINKAが支払われていた。
「佳子さん、RINKAを稼いでるね。産業が生まれたりして…」と事務局員がつぶやく。
RINKAが貯まるほどの仕事があれば、一つの産業にもなるな・・
早速、佳子さんに、実際のところを聞いてみた。

「コミュニティ食堂やりたくて」

佳子さんは、アズワンマンションⅥの1階が住まい。とても広く、コミュニティの人たちをよく迎えては、夕食をご馳走している。
「身近な人たちのコミュニティ食堂みたいなのをやりたいなって思っているから。だから、うちって結構食費がかかってるんだけど、それってみんなの夕飯代だったりして、お金の心配もしてくれる人もいれば、もらわな人もいたり、一律じゃない。色々。だから、今度、RINKAが出来て、食事代をRINKAで払ってくれたりして、とても気軽になった感じはする。
今度、アズワンにお肉屋さんが出来て、食材をRINKAで仕入れられたら、どんなふうに回っていくか楽しみ。今は、遊び半分のところもあるけど、とっても面白いと思う。
やっぱり気持ちがあって回っていくものだと思うしね。」
佳子さんの場合は、今までも自宅で食事を振舞っていたところに、今回のRINKAがタイミングよく登場したという感触で、歓迎している。集まったRINKAは、サイエンズスクールの参加費に使うそうだ。

「Tさんなんかは、RINKAを払うばっかりで、何で返したらいいかって、Tさんが出来ることがないから、って言ってた。だけど、Tさんの旦那さんは包丁研ぎが出来るから、じゃあ、私、こんどRINKAでやってもらおうかしらって、話をしたの。やったり、やってもらったりして、身近な人が豊かになっていく感じがする。」

佳子さんの作るタイ料理はとても評判だとも聞く。その料理を食べるのに、RINKAを使わないと食べられないとなったら、円をRINKAに替えて食べに来る人も現れるかも。このコミュニティ通貨が、どう循環し、豊かさをもたらしていくものか、楽しみなところだ。次号では、取材を通しての感想を綴ってみたい。つづく。(いわた)
- | trackbacks (0)

Trackbacks