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「ゆっくりずむ」 Beな人々で紹介される

会社経営で一番大事なのはなんだろう?
おふくろさん弁当の経営を通して見えてきたものは…?
経営者の人達に、その試みへの関心が高まっているようです。

先月は、名古屋在住の鶴田夫妻のお招きにより、その試みの一端を東海地域の中小企業経営者の会、「ABCフォーラム」で紹介させていただきました。そして今度は、Eco-Branch通信「ゆっくりずむ」Beな人々でも紹介していただきました。


今週末(6月10~12日)は、「経営カレッジ」が開催されます。鶴田夫妻を始め、九州、東京、名古屋から、そしてスペイン在住で現在一時帰国中の方など、経営に携わる多彩なメンバーで、「人のための会社」を探っていきます。

以下は、「ゆっくりずむ」に掲載された文章です。
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今から11年前の2005年まで、私は不動産仲介・販売会社のサラリーマンでした。毎日、ノルマに追われ、プレッシャーと戦いながら、「会社とはこんなもの」と、諦めていることにも気付かない忙しい毎日でした。

そんな時に「まったく新しい社会を作ってみよう」と、まだ諦めていない人たちに出会いました。今、三重県鈴鹿市で「アズワンコミュニティ」と名付け、共に活動しているメンバーです。当時は、名前はもちろん、コミュニティをやろうなどという意識もなく、「本当に人が幸せに生きられる社会ってどんなのだろう?」と、純粋に考えている人が居る、ただそれだけでした。「人間とは?」、「やさしい社会とは?」いろいろなことを話し合い、深め合う中、「当たり前」と思っていることも、全部0(ゼロ)から考えてみよう、既成概念に捉われない「会社」を作ってみるのもいいかもしれないと思うようになりました。

人が自由に、生きたいように、やりたいようにやれる会社で思う存分能力を発揮すれば、サービスは向上し、生産性、業績も上がり、経済的な余裕が生まれ、心の余裕に還元されていく…。そんな「理想の会社」を思い描いて「アズワン株式会社」が2005年に誕生。その事業の中から、日に20食を作る小さなお弁当屋さん「おふくろさ弁当」も生まれました。「決まり」も「ルール」もなく、上司や部下の「上下の関係」もありません。「社長」と言っても偉いわけでもなく、「社長係」といったところです。

理想を描いての出発でしたが、それまで身につけてきた「仕事だからこうしなくてはいけない」「そうは言っても…」といった旧来からの観念が邪魔をして、順風満帆とはいきませんでした。つい、仕事が速く、指示が出せ、いわゆる良くできる人を大切にし、仕事が遅い・できない人の上のような上下感が出て、その人の仕事観が全体の空気に大きく影響するようになりました。そんな時、当時の社長係から「明日から仕事に来やんとき~、こんな中で作ったもの食べさせんで…」と言われ、頑張って売上も伸ばしてきたのに、とショックでしたが、半年職場を離れ、自分を見つめ直しました。

どこかに間違いの源があるのではないか、一緒に始めた仲間にも励まされながら、10年間、試行錯誤を重ねる中で、ベースになるのは「人と人との関係」だということに気がつきました。「どんなことでも安心して相談でき、話し合える人と人の関係」の実現が、実はどんな立派な教えや、システムや方法よりも、大切な核となる部分だと思います。「やらされたり、強制されたり」では、人はその持つ能力を十分に発揮できない。それが「おふくろさん弁当」をやってきて、一番感じるところです。今では毎日1,000食のお弁当をお届けしています。
行くのが楽しみな職場で、みんなが笑顔で力を合わせて作ったお弁当は、味だけではない、何か大切な「心」も運んでいるような気がします。

行動し、見えてきた課題を、持ち寄って研究材料にしながら進んでいく、そんな試みが「おふくろさん弁当(アズワン株式会社)」です。私たちのこの小さな試みが、幸せな社会への一助になれば幸いと思いながら、志を同じくする方々と手を取り合って共に進んでいきたいと願っています。
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