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生きる目的を求めて アズワン留学を終えて

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韓国よりアズワン留学で「アズワンネットワーク鈴鹿コミュニティ」に滞在していたチョン・ジェウォンさんが今月三カ月の留学生生活を終えた。今の心境などを語ってもらった。
どう生きていけばいい?

ジェウォンさんは1983年韓国南部の地方都市で生まれた。両親と妹の四人家族の長男。お父さんの仕事の関係で各地を転々とした。高校はフリースクールで三年間を楽しく過ごした。大学時代に「社会的に意義のあることをしたい」、「幸福な人生を送るにはどうしたらいいのか」を探っている時に浄土会(仏教をベースにした社会運動団体)に出会う。そこでおこなわれるさまざまなプログラムに参加しながら共同体に参加する。社会的な活動と思い熱心にやるが、その当時はあまり心を観る観点がなく、やればやるほど疲れてしまう。自分でやりたくて始めたのに本当にやりたくてやっているのかわからなくなってくる。
どうしたらいいかわからないまま軍隊で二年過ごした後も迷っていたが、友人たちと青年活動コミュニティ「ウドンサ」を立ち上げる。そこで今の奥さんと結婚し現在は二歳半の息子さんがいる。240947.jpg

「ウドンサでは、最初は外へ働きながら暮らしていたんですけど、ウドンサの中で働けないかと思い、仲間と週末に遊びのような農業をやっていたのを、江華島に共同で土地を借りてもっとちゃんとやろうとしたんです。
そうして二年ぐらい農業をやってみたけど、大してお金にもならないし、自分はなんでこれをやっているのか、自分自身がわからない状態になったり、こうしたらやれるだろうとちょっとずつやって来たけど、気がついたら自分がどこに立っているのかどこへ進んでいったらいいのか方向が分からなくなりました。活動や仕事をちょっとやるというより、根本的にどう生きていくかということの悩みが出てきました。」

その頃ウドンサのメンバーの何人かは、江華島で、アズワンネットワーク活動をしているユ・サンヨン氏と出会い、サイエンズスクールのコースに参加したり、アズワンネットワーク鈴鹿コミュニティと交流するようになる。そんな中ジェウォンさんも「アズワンセミナー」「自分を知るためのコース」を韓国で受講して昨年年末に「自分を見るためのコース」に参加するために鈴鹿へ来た。同時に奥さんがアズワン鈴鹿コミュニティに留学をすることになった。

「その時、SUZUKA FARMで一緒に仕事していた小林耕一君と話す機会がありました。『自分は留学に興味はあるけど、ハッキリした目的がなく、やるとこまでは考えていない』というと耕一君は『目的は、こっちで暮らしながらいろんな人と話し合いながらみつけたら』と言われ、自分は自分のことは自分で何とかするとしか考えていなかったので、あぁそうだなと思って三か月留学しようと思いました」

そうして、三か月の留学生活が始まった。

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180度転換した自分の観方

「今思うのは、去年滞在した時も、息子のユノ君のことを、いつも誰かが気をかけてくれて、夫婦でコースやゼミに安心して参加できました。コースに参加した影響もあるけど、ここではとても安心して過ごせます。韓国では仕事には不満を感じ、経済的には不安があり、これからどうやって行こうと常に悩み、もっとやらなきゃと思って暮らしています。」

不安や不満を抱えてきたジェウォンさんもここで暮らしているうちに気持ちが変化した。

「一番大きく変わったのは人間観。自分は人間に対して不信(放っておいたら人間は何をするかわからない)があるということに気づきました。息子のユノにも、自分が良いと思うことをさせようとしていました。何かそうしてやらないといけないように見えていたのです。人間の本心とか本来の姿が信じられませんでした。人間は健康な心で生まれてそのままで成長したらいいだけなのに。そこに気づくと、社会に対しての見方も変わりました。人間を信じられないからそこに規則、規制、責任を生じさせ、それで社会を保とうとします。今はそういう仕組み。人間は強制させることは好まないと言いながら、現実は規則や法律がなかったら組織や社会を維持できないと、無駄なことに知恵を働かせています。こういうことも社会をよくしようということからなんだけど、それも人間の心の状態から現れてたものなんだなと思います。」

人間観・社会観が180度転換したというジェウォンさんはこれから韓国へ帰ってやることが明確になったようだ。

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そして韓国へ


「現象面だけを捉えて、それを見て何とかしよう、もっと良くしようというのが強かったけど、根本的に変えるには、その現象が現れるようになった元、人間の心、人の心の状態からスタートすることだと思います。コースに参加したりここでの交流では『知る』喜びがありました。自分が知ってると思ったら、もう知りたくもないです。でも実際の自分、人間そのものがどういうものか、それが見えてきている人たちが作る社会はどういう社会なのか。もっと探究していきたいと思います。韓国へ帰っての具体的な活動としてはサイエンズスクール韓国の運営をみんなと力を合わせてやっていきたい。コースを毎月安定して開催できるような仕組みを、サンヨンさんと相談しながら成り立たせることに力を注ぎたい。そういうことで自分も学びたい」6301544088370.jpg



韓国で同じ目的を持って進もうとする仲間も増えてきた。韓国に「一つの社会」が実現する日は近い。

記事 MARU 撮影 吉田順一
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