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ジャガイモ収穫はファームの祭り・・その中身とは?


(写真はヤマトさんのFBより)

朝4時30。まだ薄暗い日の出前にメンバーは集合し、現場へ向かう。
スズカファーム恒例のジャガイモ収穫作業だ。畑は鈴鹿市周辺に点在し今年は3町4反ある。梅雨の晴れ間をみて、約2週間で一気に収穫するという。
メンバーは、ファーム以外からも駆けつけてくる。普段はおふくろさん弁当で働いている人も、休みの日や朝だけ来てくれたり、アルバイトもいる。若い「アズワン留学生」たちの力も大きい。そんなみんなが寄って集って進めている。

「ファームのお祭りやな」

CEOのイナちゃんこと稲垣功さん(54歳)はそう表現する。
「祭りもなんのためにやるんやろうな? 神輿担いだり山車を出したり、結構大変なことをみんなで楽しんでいる。ジャガイモ収穫もそんな感じかな~」

その背景を少しでも知ろうと、イナちゃんを尋ねた。

(記事の最後に動画あり)


(写真=アイスバーを持っている青い服がイナちゃん。
「休憩にはアイスは欠かせない」)





記者が取材に行った日、ちょうどメンバーたちは木陰で休憩中だった。しかし、その賑やかなこと。ジュースやお菓子を頬張りながら、お喋りに夢中で、笑いが絶えない。祝宴をあげているような楽しさ。さながらお祭り騒ぎだ。しばし休憩後、再び作業に入っていった。














ジャガイモの畝をトラクターが掘り起こしていく。列に箕を並べ、手作業でジャガイモの土を払って箕へと集める。規格外の小さな芋は袋の中へ分けていく。箕に入った芋をローダーのバケットへ移し、ローダーは、トラックのコンテナへジャガイモを運ぶ。
暑い中、大変そうだ。時々お喋りしたり、声かけ合ったり、雄たけびを上げたり、それぞれの持ち場があるようで、作業は淡々と続けられる。

この作業工程も毎年洗練されて確立してきた。時間帯や時期についてもそうだ。日差しが強くなる昼までに進めたい。暑さが厳しくなる7月には延ばしたくない。そんな思いが、早朝開始の短期間集中型になったという。
だからと言って、人を縛る気持ちは稲垣さんの方にはない。
「今年は、6月末に4日間、主力の谷藤が法事で抜けたいって言うんやわ。前だったら、この時期にか?って感じだけど。そういうことが言えるようにもなってきたのかな。居ない間は他のメンバーでなんとかしようって」


(写真=手前、谷藤さん)

そんなジャガイモ収穫も、これまでの経緯がある。2010年にスズカファーム株式会社を立ち上げて、ジャガイモを作り始めたキッカケや農機具や機械を藤井農場さんから借りたことなど、思い出話しは尽きない。


(アズワン鈴鹿コミュニティ「スペース・ジョイ」に並ぶお菓子)

今年の春にはポテトチップス販売休止のニュースが流れた。昨年の台風被害で北海道のジャガイモが不作となったためだ。ファームにも影響があった。
「種イモが入らんかもしれないって。それでも手に入ったけど。いつもの芋より小さく、値段も高くなってた」と。ファームで収穫しているジャガイモもポテトチップスの原料に出荷している。






人から自然につながる大きな背景が


私たちの身の周りには食品や商品があふれている。スーパーや店頭にいけば、様々な種類が並んでいる。一見するとそこには物だけがあるように見えてしまう。
お菓子もその一つかもしれない。食べて、「美味しい」とか「甘い」とか、当たり前のように感じて味わっている。モノが“ある”ことを当然のように見ていないだろうか?

そんなお菓子の原料も、自然が育てた植物だった。それを人の手で収穫し、加工し、製品にして、運ばれ、店頭に置かれ、販売され、私たちの手元に届けられている。

モノは見えるけど、その背景を、どんなふうに見て、感じているだろうか?

暑い中でジャガイモ収穫する人たちにふれたとき、ポトテチップスの一端に触れたように感じた。記者にとっては、そのことがとても大きいことに思ったが、生産者である稲垣さんに話を聞くと、更にその背景に想いが広がる。畑を提供してくれる人や機械や設備のことや、やり方や、これまでの経過。そして、何よりもその大きな自然の偉大さへ。

「人のやることって本当にわずかやなー。天に任せてるっていうか。自然界の力で生きてる感じかな~」

「ジャガイモ収穫はファームの祭り」・・その言葉に集約される中身に、どこまでも続く大きな大きな背景があった。(写真と文:いわた)

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