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ドイツ サステナを学ぶ旅(2)アウトバーンを北西へ



300人の大きなエコビレッジ Hiroko Katayama



ベルリン・テーゲル空港に近づいたとき、緑の濃い森の中にあちこちに湖が見えてきて、オレンジ色の屋根が道の両脇につながる風景に、心が和んでそれまでの緊張がほどけてホッと一息。子どものころによく両親が読んでくれた絵本の中で見た風景が現実に広がっているような、懐かしい気持ちがしました。ここにたどり着くまで、ずいぶん走ったり歩いたりしたのが幸いしたのでしょう、到着直後から熟睡でき、いわゆる時差ボケということもないまま、翌日は早朝から気持ちよく目が覚めて、ハーンさんの運転でアウトバーンを西北に向けて走りました。KIESSの仲間で、鳥取環境大学の荒田鉄二さんも一緒で、愉快な旅になりました。

まっすぐに伸びる道路の両側は、ほとんど赤松林。植林によるもので、多様性の観点はその当時にはなかったが、当時では一番有用な植物との判断からです。信号ももちろん見当たらないですが、制限速度は、工事中の場所以外には指示がありませんでした。それでも高速で整然と走ることが出来るのは、生活道路ではないのもあるのでしょうが、面白く感じました。
未来の持続可能社会に、自動車はどんな姿になっているのか、ということもありますが、人の心理面と社会の構造を考える興味深い社会実験のように感じました。ポーランドやフランス、イタリア、チェコの車も多く走っていて、ハーンさんと荒田さんと私の三人で、どこの車かを当てっこするのも愉快でした。アウトバーンから出て、しばらく田舎の風景を楽しみつつ、到着したのは、ドイツでもっとも大きなエコビレッジの一つ。



ドイツには数人から100人を超える規模まで、さまざまなエコビレッジの取り組みがあるのですが、このSiebenLindenは構成員が300人を超えるものです。GEN-ヨーロッパ代表にもゆっくり会って話をすることができ、今回の出会いは思い出深いものとなりました。

 ここも最初は近くの普通の街の中で数人が共同生活をしていたそうですが、古い農家と森、あたりの農地が手に入ったことをきっかけに、大きな農家の中を改造しながらパブリックスペースをつくり、その周囲の森や農地を含めて、自分たちの創意工夫でプライベートな居住空間をつくっています。技術的にも、シンプルで安価な方法による、エコトイレ、熱交換システムによる暖房など。各所に工夫が見られました。

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