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願いは届く!人間中心のケアと街づくりへの第一歩 


10月3日、介護の日 市民公開講座 講師の堀田聰子さん

10月3日、鈴鹿市文化会館けやきホールで、「介護の日 市民公開講座」が開かれました。鈴鹿亀山地区介護支援専門員協会の主催で、「設立10周年記念」イベントです。講師は、堀田聰子さん。介護や福祉の現場から研究を重ねているスペシャリスト(慶応大学健康マネジメント研究科教授)で、「私の暮らしとこれからの社会~年齢を重ねても、住み慣れた場所で暮らし続けるために~」をテーマに講演しました。


鈴鹿市文化会館けやきホールで

この講演会の開催を誰よりも心待ちにしていた人がいました。「理想の暮らしを語る会」の活動を続けている中井正信さん(アズワン鈴鹿コミュニティ)です。堀田さんの介護や福祉に対する見方や考え方に響くものがあったからです。

堀田さんの主張は、
「介護や福祉の仕事がいかにクリエイティブなものなのか、地域社会に新たな循環を生んでいける可能性に満ちている」
「地域包括ケアシステムの構築とは人間復興の文化的な運動ではないか」
「患者とか専門職とかを超えた一人の人間としてその関係性の中で人間中心のケアと街づくりを追求していくことが極めて重要だ」
と語っています。
中井さんは、そんな堀田さんの観点について、
「人間に適ったケアシステムを構築していく必要性を語っておられると思う。まず具体的な事柄の前に、このような観点での議論が始まることを願っております」
そう呼びかけました。



「理想の暮らしを語る会」では、「自分らしく老い、最期まで自分らしく生きられる地域社会づくり」を目指して、シニアの生き方を仲間と語り合い、介護や医療の専門家にも声をかけて講座を隔月開催するなど、人と人のつながりを広げています。

そんなネットワークから、堀田聰子さんにもその想いが届いていったのでしょう。鈴鹿亀山地区のケアマネ協会の人たち(講演会の主催者)と共に今回の講演会開催となりました。

一人の願いが現実になったのです。

講演会は、理想の地域社会づくりの一つの通過点でしょうが、一歩一歩に理想の暮らしが実現し、人と人のつながりが生まれている。そして大きな夢に向かって歩んでいる様子が伺えます。

「願いは届く!」「始まりは一人から」、そんな実例にも見えました。
(文・いわた)


今回の講演会ポスター


講演会の様子


講演会の感想を参加した宮地さん(理想の暮らしを語る会メンバー)のレポートから紹介します。

「生老病死」を自分たちの手に

介護の日公開講座in鈴鹿 テーマ 私の暮らしとこれからの社会
講師 堀田聡子さん


介護や福祉の現場から研究を重ねている慶応大学健康マネジメント研究科教授)
堀田さん、今回のテーマを「地域共生社会 思いやりに満ちた社会」という切り口で話してくれました。
”ピンピンコロリ”から”誰でも抱える病気や障害や生きづらさと共に生きる時代背景を紹介してくれました。
イギリスロンドンのホスピスや、家庭医療をもとにした家庭診療所で展開しているいくつかの取り組みが面白かったです。
「認知症とか病気などで生きづらさが地域にあるとき、その問題を解決するのに現状の対策から発する方向と、別に、その人たちが暮す地域が自分もその一員としてどんな社会になってほしいか、から発する方向があります」と堀田さん。
ホスピスが、近寄りにくいところなのか、アートとかファッションを取り入れて、地域の人たちに広がっていく事例は、うきうきした気持ちになりました。「楽しい、おいしい、美しい」など地域の人自身の願いが実現するために、地域のなかにその活力を見出し、知恵を出し合うというのです。
介護でも、ただ支えるというだけでなく、いずれ自分もそうなる先輩として、その体験から学んでいくというのです。傷病などで生きずらさを感じている人たちの様子はご近所の隣人がよく知ているもんなんですね。専門の医療、介護などに任せるまかせるのではなく、住民も住民としての役割を楽しむのです。
日本の事例も紹介してくれました。最後に「生老病死」を自分たちの手に取り戻すとことです、締めくくってくれました。(宮地昌幸)



講演会終了後、ケアマネ協会(講演会主催者)の主催で関係者を招いて食事会をしました。(中井宅で)

今日は堀田聰子さんの講演会が鈴鹿でありました。
「人知の一瞬は力の百年にまさる。」
研究者を応援していきたいと再確認出来た1日でした。
講演会後の食事会で聰子さんは講演の続きを語ってくれ、それに反応する熱い人達が鈴鹿にいます。
今日の食事会には四日市や奈良で住民活動をしている友人も来てくれました。
今日はお正月が2ヶ月早く来た日でもありまし~た。(中井正信)
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