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「住宅建設の立場から人の幸せを!」韓国でアズワン紹介

建設側中心の住宅建設から、居住者と共に建てる住宅へ、更に、居住後の快適な暮らし方や、人の本当に幸せとは、を考えが発展してきた韓国の建築家キ・ノチェさんがいます。そのキさんの招待でサイエンズ研究所の小野雅司さんが講演に呼ばれ、アズワン鈴鹿コミュニティの実践例やサイエンズメソッドなどを紹介しました。小野さんのレポートをどうぞ。


韓国の建築家キ・ノチェさん(右)と小野さん

韓国レポート サイエンズ研究所 小野雅司

10月20日、21日ソウルで開催された住宅協同組合(Housing co-op)の特別フォーラムに招待されました。
今回の招待のキッカケは、韓国の建築家キ・ノチェさんが、今年の2月、アズワン鈴鹿コミュニティを訪問したことから始まりました。
住宅建築の新しい試み 建設だけから住む人たちの暮らしまで考えた

キさんは、建設する側が一方的に設計・建築したものを消費者が買い、多くの利益が建設する側に渡るという供給者中心の仕組みに疑問を持ち、協同組合方式の住宅供給に取り組んでいます。住宅を建てたい人達が協同組合を作り、設計にも関わり、何回もミーティングを重ねながら、建設側と共に創り上げていきます。広報・宣伝費も要らないので、低予算で、共有スペースもある自分達の望む住宅を建てることができるそうです。
それまで建物を建てて売ったら、それでお終いだったのが、住宅協働組合方式に取り組み始めて、多様な人の意見を調整してまとめあげていく苦労を味わい始めたとキさんは言います。

そして、アズワン鈴鹿コミュニティに出会い、「人生最大の苦労を味わうようになった」と、実に嬉しそうにキさんは言います。
「住む人達のその後の暮らし方まで考えたくなってしまった」のだそうです。
建設の本当のあり方を探っていくと、人の本当の幸せを考えたくなってしまうのでしょうね。
そんなキさんが、アズワン鈴鹿コミュニティの人に「空間の持つ可能性をもっと知ってほしい」と願い、住宅協同組合に関わる人たちには「鈴鹿コミュニティが実践している人と人とが親しく暮らせる可能性を知ってほしい」と願い、その願いが今回の僕の韓国行きという形として結実したのでした。


2日間に渡っての講演会

20日は「境界のない地域コミュニティ 鈴鹿コミュニティSTORY」、21日は「現代社会で人間を知り人間らしく生きる道」というテーマで講演をさせてもらいました。二日間でのべ120人以上の人が参加してくれました。

アズワン鈴鹿コミュニティの17年の実践の中で、人と人とが争いや境のない、本当に親しい関係になれること、そういう関係性ができると、人のための会社や暮らしが、夢ではなく現実にできることを紹介しました。
また、そういう関係性は特別なことではなく、サイエンズメソッドによって、どこでも、誰とでもできることことも、日本各地や韓国のウドンサ(青年共同体)の実例を通して紹介しました。自分の望む暮らしを住居という形で実現してきた住宅協働組合の人達に、人間関係でも本当に望む関係性をつくれるのかもしれないと響くものがあったと思います。



講演会後のディスカッション
左から、キさん・韓国住宅協会理事長パク教授・アズワンネットワーク韓国の柳相涌さん・ウドンサのジェウオンさん


講演の前後では、キさんが手掛けた住宅協働組合の建物を数か所案内してくれました。住む人のことを考え、住む人達の願いが形になった素晴らしい設計と施工の建物を見せてもらい、また、そこに住む方々とも交流させてもらい、空間の持つ素晴らしい可能性にも触れさせてもらいました。


惠(ウンヘ)共同体の共有住宅

特に20日の夜は、この8月に完成したばかりの惠共同体の共有住宅(Share House)の交流は心に残るものでした。牧師さんを中心として17年前から形成されたコミュニティメンバーが一緒に暮らしたいということで、キさんに出会い、協同組合をつくって、理想とする建物を建て、子どもも含めて49名で暮らし始めています。共有空間が潤沢に用意された、ビックリするくらいの建物でした。夜10時頃から始まった交流会に、20代~40代が多い住民のほとんどが集まってくれて、夜中の12時半頃まで和やかで心温まる会を催してくれました。一つの空間で暮らすコミュニティとして、アズワン鈴鹿コミュニティの実践はとても興味深いものだったようで、早速来年5月にコミュニティ全員で訪れたいという提案が舞い込んできました!
ウドンサと同様に、鈴鹿コミュニティと姉妹コミュニティのような関係性が育っていくかもしれません。


惠共同体の人たちが合唱をプレゼントしてくれた。夜中の12時過ぎ

22日の午後と夜には、ウドンサの青年たちと交流しました。ウドンサのシェアハウスも現在5部屋ですが、来春までにあと2部屋増えるそうです。人間らしい暮らしを求めている多くの若い息吹を感じつつ、帰国の途につきました。
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