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「一人一人のための共同体とは」韓国イムさんの記事

韓国のイム・ギョンファンさん(大学・高校の先生)がアズワン鈴鹿コミュニティでの体験をスンチョン新聞に投稿し、これで3回目の掲載になります。
イムさんは、自分の所で共同体の試みをはじめています。個人は共同体の中で自由がなくなるのではないかという懸念があるようです。しかし、鈴鹿コミュニティでは、一人一人をどのように尊重し、どのように共同体として運営しているのかを垣間見る体験をしたようです。


[順天COOP広場新聞]に掲載
http://m.agoranews.kr/news/articleView.html?idxno=8316

一人一人のための共同体

イムギョンファン さん (2017.11.17)

アズワンコミュニティから帰ってきて、順天(スンチョン)で 共同体をつくってみようとした時、人々の反応は様々だったが、「近くに住んだらもっと争うと思う」、「自由がなさそう」などの反応が多く出てきた。

こういう反応は僕達が今まで一緒に暮らしてきて、幸せな記憶より、不幸な記憶がかなり多いということでもあるのだ。集まって暮らすと個人の自由が制限される、という認識が広がっているようだ。
集団より個人を重視する文化
アズワンコミュニティの人達は、会話の中で’一人一人’とか’自分’という言葉をよく使う。このコミュニティは、人のための社会、人のための会社を目指していることから分かるように、共同体とか集団のために個人が存在している感じは受けなかった。

この共同体には全体の会議がない。解決することがあったらチームそれぞれで決めるのだ。例えば、弁当屋に探訪団が訪問する日程を決める時、探訪の担当の人が弁当屋の人に電話をかけて、そこの事情が可能かどうかを聞いてみて、弁当屋の可能な日程に合わせて探訪団の予定を組む。

こういう風土は、これらの共同体が運営している会社にも広がっている。アズワンコミュニティは弁当屋を運営しているので、そこでも、個人はやりたいことだけをやって、やりたい時にやっている。

もちろん会社の必要によって個人に労働を要求する時もあるが、そういう時にも今日作業量が多いので一緒にやってくれない?くらいの感じだ。弁当屋が繁盛して支店を2つも開いたが、その支店で働いた人達がやめたいと言ってやめて、また本店だけを運営することになったという話は有名な逸話だ。


          一人のための探訪団

やりたいことをやる社会
このような基本文化は、共同体のメンバーの間柄だけに適用されるわけではない。僕たちのような訪問客に対しても、大きな差異はない。元々僕らの家族は共同体が用意する公式的な探訪プログラムで共同体を案内してもらう予定だった。

ところが、娘が人見知りをするため、妻は共同体の案内を受けることができなかった。共同体の人々は、妻が案内を受けなかったのがとても気にかかったのか、妻一人のために共同体の色んな人が自分の時間を割いて、妻だけの探訪プログラムを進めてくれた。この共同体が一人一人にどのように向き合うのかよく分かる一件だった。

アズワンコミュニティのメンバーは、この事柄を自分がやりたいかを絶えず問いかけるようだ。自分に問いかけるこの質問の主旨は、やりたくないことはやらない、というところにあるのではなく、自分の共同体がとても好きだから自分の共同体のためにただやりたくなる、というところにあるようだ。

共同体のために何かをやるべきではなく、自分のやりたいことが自然に共同体のためのことになるような気がした。共同体と個人の関係はどうあるべきかを、改めて振り返ってみられた時間だった。

翻訳:フンミ 編集:いわた

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