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参加者主役の「つながる縁会@京都」《前編》


会場は、京都二条城近くにある長栄寺さんの本堂

「つながる縁会2017」が12月2日、京都長栄寺で開催されました。
持続可能な社会を自分達でどう創っていけるのか、既に取り組んでいる人たちや、やってみたい人たちが新しく出会い、繋がりをつくるイベントです。

昨年は、10月に第1回が開かれ、総勢80名を超える参加者で賑わったとか。
「『農ある暮らし』『持続可能なコミュニティづくり』『エネルギー』『健康に暮らすには』などなど、その場で考えたテーマで語り合い、新しいつながりが生まれた」と主催者のコメントがあります。

そして、今年もこんなふうに呼びかけていました。
「その後の近況をシェアし、常識にとらわれないコミュニティづくりの話や、みんなで興味あるテーマについて思い切り語り合い、ふたたび新しくつながりが生まれる場所にしていきたい」と。

さて、その熱気溢れる「縁会」の様子をお届けしましょう!
主役は、参加者自身!


住職さんも参加。


◆難民問題、共存するモデル都市づくり



今年もドイツから来日したエクハルト・ハーンさん (ドルトムント大学教授)が登壇。今進めているICECプロジェクトを紹介しました。

現在、世界的な問題として難民問題があります。世界には約6000万から1億人もの難民が発生し増え続けている。ドイツにも2015年に国境を開いてから150万人の難民が入ってきました。ヨーロッパは陸続きで、アフリカや近隣から多くの難民が流入しています。

その主な原因は気候変動による干ばつや洪水によって住居が奪われていること、そして資源の争奪による対立や紛争です。先進国の豊かさのつけが、貧しい国をなお貧しく住めない場所にしています。こうした問題は、近く日本でも起こるでしょう。

ICECプロジェクトは、5000人の難民と5000人のEU諸国の人たちが住みながら共に学び合うエコキャンパスシティです。場所は、ベルリンから南に40キロの所に元軍用地があり、その建物やスペースを、未来に向けて活かしていこうという計画です。



エコキャンパスシティは、再生可能エネルギーや食料の自給自足、地産地消、緑地帯や森林の効果を活かした街、自然との共存共生、水資源の循環などの計画があります。1万人の研修生はこの場所で持続可能な技術・システムを学び、また自然との共存や人間どうしの生き方や心の問題も学んでいきます。
こうした難民と共存したモデル都市づくりが世界に先駆けて始まっています。


◆サイエンズメソッドによる実現方式が各地で



「アズワンネットワークと各地の試み」と題して、サイエンズ研究所の小野雅司さんが発表。

アズワンとは「一つの世界」です。境や隔てもない、自然も人間もつながり合う自由で豊かな世界。その実現をはかる活動がアズワンネットワークです。「では、どうやってやるの?」となりますが、その時に、ゼロの地点から見直すことが大事になります。
今の社会で育ってきた自分達は、競争や経済優先、個人主義という価値観が染みついているでしょう。権利義務・責任・所有・上下なども当たり前になり、まずそこから解放されることです。
『サピエンス全史』の著者も、人類は、国家や貨幣、法律など人間が考え出したフィクションによって発展してきたが、個々人は幸福になっているだろうか?と問いかけています。
こうした課題に、サイエンズ研究所では、人間本来の姿をゼロから探究してきました。17年間の実験と研究の中で見出されてき実現方式が「サイエンズメソッド」です。
〝本来の姿が明らかになっていくと自ずと実現されていく〟という方式です。
そのメソッドを学びながら既成の価値観から解放され、本来の姿に立ち戻っていく教育機関をつくりました。サイエンズスクールです。その最初の入口に「アズワンセミナー」があります。

問題が起こったとき、「どうする、こうする」という思考法にいきがちになるでしょう。
問題があると、自分が責められないように自分を守ろうとしてしまいます。同じマインドセットのままでは解決には至りません。
サイエンズメソッドを使うと、オープンになり、安心して何でも出せる場になり、本当はどうしたい?という方向に行けるのです。
サイエンズメソッドは、人間にある可能性――イマジン(想像)する力とクリエイト(創造)する力を発揮する方式とも言えるでしょう。



このメソッドを使って、ブラジル、韓国でもコミュニティづくりが始まっていたり、また日本各地でも、シェアハウスの運営や、会社や職場などでも使い始めている人たちがいて、おふくろさん弁当の会社のように、上下のない関係や、遠慮気兼ねのない人間関係が出来てきています。ガイアエデュケーションの教育プログラムにも使われていたり、サイエンズメソッドを学びたいという留学生たちが続々と来ています。
◆ガイアエデュケーションによる新しい学びへの挑戦!



えこびれっじネット日本GEN-Japanの片山弘子さんがガイアエデュケーション2017を報告。

渡り鳥が群れを成して飛んでいく姿が、ガイアエデュケーションのシンボルマークです。リーダーはいません。先頭の鳥は、疲れたら交互に入れ替わっていきます。こうした命の知恵が人間にもあり、その働きと人間ならではの知性によって自然と調和していく生き方を開発し、学ぶプログラムがガイアエデュケーションです。

知識としては知っている、「ワンネス」や「世界が一つ」。でも自分の中は、どうなっているでしょう? 資本主義経済の中で育った私たちは、お金や競争が当たり前という世界にいます。人間の心の95%が無意識の領域で、そこが人の行動を決定していると言われています。毎日の暮らしの中で圧倒的に周囲環境の影響を受けて出来上がっている、その価値観や当たり前になっていること、そこに気づくことさえ容易ではありません。その世界にどう光を当てて本当に人間らしいものに回復していけるか、という挑戦なのです。
この教育プログラムでは、世界観、社会、経済、環境の4つのアプローチで、刷り込まれてきた無意識の領域を自分で見直し、本来あるものに気づいていきます。



豊富な講師陣の方々です。今年やってみて気づいたことは、講師の人間味や人間性が伝わってくこと。
諦めている人からは諦めをもらう。本気の人からは本気を。失敗を恐れない人からは勇気をもらいます。人は、そういうものが受け継がれてきているのでしょうか。
参加者たちは、半年間、本当の心を共有することで、どうなっていくのか?
お互いに反応し合って、大きなチームになっていきます。渡り鳥の群れのように。
来年度の参加の申込みが続いています。

寛いだ空気の中で…


ハーンさんの通訳は、国際会議のコーディネーターをしているという「アリー」こと萩原やすえさん。


ハーンさんのご家族も来日され、講演を聞いています。

庭の紅葉が美しく、時折差し込む温かな光が会場を包んでいました。座敷で聞く講演は、ちょっと寛いだ雰囲気もあり、人との距離も近く感じました。
「つながる縁会2017」後半は、現在京都で活動中のメンバーが登壇します。(記事:いわた)

>>>参加者主役の「つながる縁会@京都」《後編》へ続く
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