<< 人生の転機② 吉田直美(アズワンNイーハトーブ) | main | 人生の転機《番外編》吉田直美(アズワンNイーハトーブ) >>

人生の転機《最終回》 吉田直美(アズワンNイーハトーブ)



ソロモン諸島の体験と東日本大震災を経験した吉田直美さん。人間らしい暮らしを求めてアズワン鈴鹿コミュニティに出会います。そこで知った人としての理に適った生き方、そんな社会が広がっていくことを夢想していきます。「人生の転機」連載③(最終回)をどうぞ!

人生の転機①>>>http://as-one.main.jp/sb/log/eid986.html
人生の転機②>>>http://as-one.main.jp/sb/log/eid988.html



◆「何もしない一週間に思うこと」<最終回>
写真と文:吉田直美


体の中からやりたいことが湧き出てくる
 
 この一週間,寝るところ,食べるものが用意された環境で,好きな時間に起きて,好きな本を読んで,好きなところに行って,食べたいときに食べて,寝たいときに寝るという暮らしをしてみた。毎日,何かに追われることなく,思いつくままに何かをして,そのほかの時間はのんびりしていた。当初は,デジタルデトックスと称して,一週間,パソコンから離れようと思っていたが,何か急に頭の中に浮かんだことを書きたくなって,たまにパソコンに向かったりもした。
 今思えば,こういう時間の過ごし方は,島で過ごした時間に似ている。あの時は,青年海外協力隊の活動という名目はあったが,上司がいるわけでもなく,日々のやるべきことが明確にあるわけでもなく,マイペースで過ごすことができた。時折,現地の様子を日本の皆さんに伝えたくなって,新聞のようなものを書いたりしていた。(当時,まだネットは普及していなかった。。笑)


 このように,衣食住が用意され,誰からも責められることなく,安心できる環境に身を置くと,いったい人はどうなるのか。自分の場合,体の中からやりたいことが湧き出てくるような感覚がある。クリエイティブな感性も光ってくる。色々といいアイデア,こうしたいというアイデアが浮かぶ。だらだらと過ごすような感じではなく,その時,その時で自分がやりたいことをやってみようという気になる。
 こういった環境に浸ると,怠けてダメな人間になる,と言う人もいるかもしれない。かくいう自分自身も,この間までは,うっすらそう思っていた。しかし,今では,自分が目指そうとしている人間らしく生きるというのは,こういうことを言うのかもしれない,と思っている。この一週間が,今だけの特別な時間ではなく,普段の暮らしもこんな風にできたらいいなぁとも思う。

不安を取り除いていったら人が人らしく
 翻って,普段はなぜそのように生きられないと思っているのか。なぜ,怠けてダメな人間になる,と思っているのか。その根底には,何か「不安」のようなものがある気がする。現代の日本では,人が生きていく上での一番の不安は,経済的不安ではないかと思う。生まれてから死ぬまで,自分の生命を維持するためにはお金がいる。そのお金を得るためには,なるべく高い給料をもらう必要がある。そのための努力は必須だ,としているのではないか。不安を解消するために,自分に鞭を打って,たくさんのお金をもらう努力をする。これまでの自分の生き方はそんな風になっていたと思う。もしかしたら,今でもそのクセはまだ抜けきっていないかもしれないが。汗。
 では,そんな風な自分は,生まれたときからそうだったのかというと,そうではない。だとすると,お金がないと生きていけないという意識は,後天的なものであると思う。このように,生きていく中で身についた生きづらくしている何かを一つずつ取り除いていったら,この一週間のように人間らしく生きることができるのではないか。それが,誰しもが,人として,その人らしく生きることができる状態に戻れるカギかもしれない。あの島の人たちのように,と思っている。
 加えて,人が人らしく生きていくには,人と人との関係も重要であると思う。人に対する悪感情が湧き出てくる限り,幸せに生きていけない気がする。それから,人は一人では生きていけない。自分自身の行為だけではなく,周りでお世話してくれたり,生活するのに必要なものを用意してくれたりと,色んな人たちの行為があってこそ,人の暮らしは成り立つという視点もあると思う。



今、ここからスタート!
 四半世紀前に一緒にいた島の人たちの生き方から感じ,今ここにきてようやくスタート地点に立てた気分だ。ここまで長かった。。しかし,これも決して無駄な時間ではなかったと思う。機が熟す。それに少し時間がかかっただけかなと思う。それがこれからどんな風になっていくかは未知数だ。ただ,希望は大いにある。これから起こることにワクワクしながら,何もしない一週間に幕が下りる。台風の影響がなければ月曜日には盛岡に帰り着く。台風が来て飛行機が飛ばなくても,何が起こっても,あの島の人たちのように,いつも静かに笑っている。。そういうものに私はなっていきたいな,とも思う。

 最後に,なんだか宣伝っぽくなってしまうが,今週末,アズワンネットワーク鈴鹿コミュニティから,人の本来・本質に適った生き方をしている人が岩手にやってくる。こういう生き方に関心のある方には,これからの社会の一つのモデルをのぞきに来てもらえたらうれしいと思う。そして,こういう生き方がいいなぁと思う人,次の社会はこんな風がいいなぁと思う人と一緒に,それを創っていけたらいいなぁとも思う。そうしたら,自分はもう,南の島に帰らなくてもよくなるわー。笑。

(下記の企画は終了しました)
https://www.facebook.com/events/245631949485383/
https://www.facebook.com/events/884593421740201/

アズワン鈴鹿コミュニティを訪ねてみませんか!
アズワン鈴鹿ツアー 毎週開催
詳しくは>>>http://as-one.main.jp/HP/tour.html
- | -