「お金とは何か?」講座はじまる

~地域通貨を考える~
P1000252.jpg石見尚先生

前日の内藤氏の講座に引き続き、翌日(2月13日)は石見尚氏による「お金とは何か」の講座が開かれた。

石見氏は「生命系の経済」「新しい貨幣の創造」など訳書や、多くの著書を通して、資本主義ではない、人間中心の経済を、貨幣の本質から見直して、具体的に法制度化がなるまでシステムとして整えようと、80歳を超える今も現役で活動している学者だ。

鈴鹿での新しいコミュニティづくりに共感され、今回、講座を開講することになった。

第1回目は、石見氏が現在取り組まれている「共同労働」の法制化の動きが紹介され、後半では、「お金とはそもそも何か」という貨幣の本質を探る講座となった。地域通貨についても言及され、鈴鹿での可能性についても意見が飛び交た。

現状の貨幣経済は、本来のお金の役割から大幅に多様化し、架空の貨幣が世界に流通している。実態経済と貨幣経済が何倍も乖離しているのだ。そのために、バブルが生じたり、金融危機や経済恐慌を引き起したりと、世界中を不安定な状態にしている。貨幣の動向に、世界が一喜一憂し、振り回されているのが実情だろう。

しかし、そんな貨幣だが、その価値は信用の上に成り立つのだという。一万円札が、印刷物の価値ではなく、一万円の価値として、商品と交換出来るのは信用があるからだ、という。ではその信用って、何を信じているのだろう? ある意味、お金とは互いの幻想の上に成り立っているものかもしれない。

このお金という存在について、私たちは、その本質を見極めて、お金に振り回されるのではなく、私たちの暮らしがより快適に充実したものになるためのお金、貨幣を創造していく必要があるだろう。
その一つの試みとして、地域通貨が考えられる。一つのコミュニティで使える通貨で、その実践は、世界各地で行われている。

人が人らしく生きられる社会づくりを進めている鈴鹿コミュニティで、地域通貨や貨幣がどうあったらよいか。お金を中心とした社会ではなく、人が快適に暮らせる社会の中でのお金とは何か。今後、この講座を通して探っていきたいと思う。(記者=岩田)
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