「アズワンのような運営を目指して」、今その芽が…
アズワンネットワークインターナショナルミーティングに地元三重県鈴鹿市から参加した季和美(きわみ)のり子さん(=写真)。
彼女は昨年正月の第1回アズワンセミナーに参加し、そこで確信したことを自分の職場で実践しているそうです。今回、1年振りにアズワンの場に参加して、この間の様子を話してくれました。彼女の一人からの実践は、各地でアズワンネットワーク活動をする人たちの参考になるのではと思い、ここに紹介します。
オートバイ安全運転の練習会で
季和美さんは、オートバイの事故を防ぐための練習機会を提供するNPOを立ち上げ、その理事長をしています。自分のバイクを安全に運転出来るように、その技能向上を図るための練習会で、サーキットや大きな駐車場を借りて年30~40回開き、参加者は年間2000~3000人ほどになります。
その練習会は、参加者の中から立候補してくれた近県に住むボランティアスタッフによる運営です。会の主旨に賛同してくれる人たちの自主的な集まりですが、いざ始めてみると人間関係や考え方の違いなどでなかなか続かず、いつもスタッフ不足の状態で、毎回当日ボランティアを募集してなんとか設営を間に合わせていました。
季和美さんは、そんなスタッフとの間にすれ違いがあったり、NPOの仲間との間にも考え方の違いがあったりで、思うような運営がなかなか出来なかったのです。
彼女の理想は、規則や命令、リーダーがいなくても、自然に役割分担が出来て、仕事が成り立っていくような運営を目指していました。そんな理想を30年くらい前から考えていたのです。自分の理想を周囲に話しても、「それは理想だけど無理だ」と切り捨てられ、彼女自身も半ば諦めかけていた、その頃…
「そんな理想は甘い!」の指摘も
折しも、同じ鈴鹿で「アズワン鈴鹿コミュニティ」のことを知り、経営カレッジに参加しました。
そこで彼女が見たのは、まさに自分が理想とする会社やコミュニティがあったことです。とても驚きました。そして、嬉しかった。「こういうことが出来るんだ!」と。
「人間ってその可能性があるじゃないか。本当にやっている人たちがいる」と確信したのです。
ここまで来るには一長一短ではなかったと想像はしましたが、「出来る」「実在する」ことへの喜びと、諦めかけていた理想への挑戦がそこからスタートしました。
仲間からは、「そんな理想は、甘い、ナメラレル」と指摘もあります。
練習会は誰でも参加できるオープンな場なので時には自分を誇示したい人や我が物顔に走りまわる人もいて、それを放置していると会場の雰囲気が悪くなるし事故にもつながりかねない。そういう人を出さないためにリーダーは強くなくてはいけない。付け入られる雰囲気ではいけない。
みんなで仲良く、楽しくやりましょうでは、そんな輩にナメラレて練習場を乗っ取られる!そういう現実があると、周囲からは反対される訳です。
自分の思いを伝えて
しかし、彼女の中に目覚めた理想は、そんな考えとの間でゆれながらも、スタッフや当日ボランティアの人たちにも自分の思いを伝えるようになっていきます。
そして、ある日、その理想を試してみようと思ったのです。
彼女は、設営に必要な当日ボランティアを事前に募集することをやめました。すべて自主性、自発性に委ねて、もし誰も集まらなくても、いい、と腹を括って、集合時間だけを発表しました。
そうしてみると、当日ボランティアスタッフは、いつもどおり集まり、会場準備も、誰からの指示で動くわけでもなく、自発的に役割を分担して、予定時間には、ちゃんと出来上がっていたのです。
その日の練習会は、スタッフの自主性で運営された、彼女の理想の運営になったのでした。そんな一つの出来事から、今、彼女は、自分の理想とする運営を試みています。
これまでの一人一人に指示を出して、あなたはこうしてください、あなたは、こうやってください、という管理型から、一人ひとりに運営を任せる自由なやり方を試みています。
スタッフも辞めずに継続
そんなやり方で昨年はやってきて、なかなか増えなかったスタッフが3人増え8人になり、しかも全員が今年も辞めずに続けることになったと、彼女は驚いていました。スタッフだけでなく、毎回変わっていた当日ボランティアも継続してくれる人が増えたそうです。
運営に関しては方向性が見え始めているようですが、今後の問題としては、練習会には不特定多数の人が参加するので、その中の上下関係をつけたがる人や取り締まりをしないとルールマナーを守らない人にどう対応していけばいいのか、そこが課題だという事です。
そんな課題をアズワンネットワークの場でもっと探究したい、考えていきたい、とも話していました。
現状の社会の中で理想を実現していくことは、絶えず、課題や問題が発生していくでしょう。だからこそ、アズワンネットワークなのです。問題に振り回されたり、対応に追われるのではなく。そこに、本心を実現するための方式=「サイエンズメソッド」が待たれているはずです。(記事:いわた)
インターナショナルミーティング参加中の季和美さん
二輪のドライビング技術向上を図るNPO「ライダーズネット」が10日、大津町のHSR九州で熊本地震のチャリティーイベントとして練習走行会を開いた。県内外から参加した40人が青空の下、愛車を走らせた。
熊本市西区の実家が被災した季和美のり子理事長が「ふるさとや被災したライダーを支援したい」と企画。県内からの参加者は費用を無料にしたほか、被災地への寄付金も募った。
ライダーたちは80~1200ccの二輪車にまたがり、クランクが続く約300メートルのコースを走行。佐賀県伊万里市の自営業高森啓太さん、碧依さん夫婦は「自分たちにできる支援をやろうと参加しました」と話していた。
【 続 き を 閉 じ る 】
季和美さんは、オートバイの事故を防ぐための練習機会を提供するNPOを立ち上げ、その理事長をしています。自分のバイクを安全に運転出来るように、その技能向上を図るための練習会で、サーキットや大きな駐車場を借りて年30~40回開き、参加者は年間2000~3000人ほどになります。
その練習会は、参加者の中から立候補してくれた近県に住むボランティアスタッフによる運営です。会の主旨に賛同してくれる人たちの自主的な集まりですが、いざ始めてみると人間関係や考え方の違いなどでなかなか続かず、いつもスタッフ不足の状態で、毎回当日ボランティアを募集してなんとか設営を間に合わせていました。
季和美さんは、そんなスタッフとの間にすれ違いがあったり、NPOの仲間との間にも考え方の違いがあったりで、思うような運営がなかなか出来なかったのです。
彼女の理想は、規則や命令、リーダーがいなくても、自然に役割分担が出来て、仕事が成り立っていくような運営を目指していました。そんな理想を30年くらい前から考えていたのです。自分の理想を周囲に話しても、「それは理想だけど無理だ」と切り捨てられ、彼女自身も半ば諦めかけていた、その頃…
「そんな理想は甘い!」の指摘も
折しも、同じ鈴鹿で「アズワン鈴鹿コミュニティ」のことを知り、経営カレッジに参加しました。
そこで彼女が見たのは、まさに自分が理想とする会社やコミュニティがあったことです。とても驚きました。そして、嬉しかった。「こういうことが出来るんだ!」と。
「人間ってその可能性があるじゃないか。本当にやっている人たちがいる」と確信したのです。
ここまで来るには一長一短ではなかったと想像はしましたが、「出来る」「実在する」ことへの喜びと、諦めかけていた理想への挑戦がそこからスタートしました。
仲間からは、「そんな理想は、甘い、ナメラレル」と指摘もあります。
練習会は誰でも参加できるオープンな場なので時には自分を誇示したい人や我が物顔に走りまわる人もいて、それを放置していると会場の雰囲気が悪くなるし事故にもつながりかねない。そういう人を出さないためにリーダーは強くなくてはいけない。付け入られる雰囲気ではいけない。
みんなで仲良く、楽しくやりましょうでは、そんな輩にナメラレて練習場を乗っ取られる!そういう現実があると、周囲からは反対される訳です。
自分の思いを伝えて
しかし、彼女の中に目覚めた理想は、そんな考えとの間でゆれながらも、スタッフや当日ボランティアの人たちにも自分の思いを伝えるようになっていきます。
そして、ある日、その理想を試してみようと思ったのです。
彼女は、設営に必要な当日ボランティアを事前に募集することをやめました。すべて自主性、自発性に委ねて、もし誰も集まらなくても、いい、と腹を括って、集合時間だけを発表しました。
そうしてみると、当日ボランティアスタッフは、いつもどおり集まり、会場準備も、誰からの指示で動くわけでもなく、自発的に役割を分担して、予定時間には、ちゃんと出来上がっていたのです。
その日の練習会は、スタッフの自主性で運営された、彼女の理想の運営になったのでした。そんな一つの出来事から、今、彼女は、自分の理想とする運営を試みています。
これまでの一人一人に指示を出して、あなたはこうしてください、あなたは、こうやってください、という管理型から、一人ひとりに運営を任せる自由なやり方を試みています。
スタッフも辞めずに継続
そんなやり方で昨年はやってきて、なかなか増えなかったスタッフが3人増え8人になり、しかも全員が今年も辞めずに続けることになったと、彼女は驚いていました。スタッフだけでなく、毎回変わっていた当日ボランティアも継続してくれる人が増えたそうです。
運営に関しては方向性が見え始めているようですが、今後の問題としては、練習会には不特定多数の人が参加するので、その中の上下関係をつけたがる人や取り締まりをしないとルールマナーを守らない人にどう対応していけばいいのか、そこが課題だという事です。
そんな課題をアズワンネットワークの場でもっと探究したい、考えていきたい、とも話していました。
現状の社会の中で理想を実現していくことは、絶えず、課題や問題が発生していくでしょう。だからこそ、アズワンネットワークなのです。問題に振り回されたり、対応に追われるのではなく。そこに、本心を実現するための方式=「サイエンズメソッド」が待たれているはずです。(記事:いわた)
インターナショナルミーティング参加中の季和美さん
◆「アズワンの世界」 サイエンズメソッドで実現
アズワンセミナー 次回は2月10日~2月15日
熊本日日新聞に掲載されたNPOライダーズネット
二輪のドライビング技術向上を図るNPO「ライダーズネット」が10日、大津町のHSR九州で熊本地震のチャリティーイベントとして練習走行会を開いた。県内外から参加した40人が青空の下、愛車を走らせた。
熊本市西区の実家が被災した季和美のり子理事長が「ふるさとや被災したライダーを支援したい」と企画。県内からの参加者は費用を無料にしたほか、被災地への寄付金も募った。
ライダーたちは80~1200ccの二輪車にまたがり、クランクが続く約300メートルのコースを走行。佐賀県伊万里市の自営業高森啓太さん、碧依さん夫婦は「自分たちにできる支援をやろうと参加しました」と話していた。
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