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コミュニティ通貨の試み始まる 5

「あなたはアズワンコミュニティのメンバー?」
街並のコピー.gif
お金で動くのでなく、気持ちが働いて

家族の中ではお金は不要

こうして取材している間でも、RINKAは使われ、会員の多くの人が、その使い方を楽しんでいるようだ。今まで、タダでしていたことを、今回はRINKAを払ってもらったという場合もあるようで、そんな戸惑いの声もまたある。
「私の場合は、今まで、休みとかに、無償で、子どもを預かってもらっていたのが、今度RINKAが出来たことで、じゃあ、RINKAで、となって、何か変な感じもしている。」
というTさんもいる。
もともと家族のような無償だった間柄に、RINKAを使ってみたという例。家族の中でお金のやりとりがあったら、それは変だろうと思うが、様々なケースを通して、「お金って何?」「人と人との間柄って何だろう?」と、探究しているようにも見える。
「RINKAの流通量が、人と人との交流のバロメーターみたいに言われたりもするけど、私はそうは思わないし、RINKAでそういったことを表そうというのも無理があると思う」
とTさんは見ている。
お互いが家族のような間柄になったらお金も必要ないかもしれない。それがTさんにとってのコミュニティ像なのだろうか。

また、別の視点でみると、プロとしては通用しなくても、ちょっとしたことならお役に立てることもある。互いに出来ることを出し合い、潜在能力を引き出し合う効果ももちろんあるだろう。
心や気持ちは直接見えないが、行為の元にあるもので、その奥の方にある気持ちがこのコミュニティを支えている感じもする。
コミュニティはどこにある?

しかし、不思議なこともある。「鈴鹿アズワンコミュニティ」と言っても、誰がそのメンバーなのか、曖昧でつかみどころがない。
「あなたは、アズワンコミュニティのメンバーですか?」と、RINKA会員に聞いても、「そうですよ」と即答する人が見当たらない。「私、そうかな?」と自問自答する人、「私は違うよ」と答える人もいる。
たぶん、その人の中には、“アズワンコミュニティ”はあるのだろうと思う。ただ、自分がそのメンバーの一員であるかかどうかは別として。

その茫漠としたコミュニティの中に始まった一つのシステムの試み。会員は乗りがよい(?)ので、早速使っているが、この先、やっぱり止めようとか、発展的解消ということもあり得ることだ。それが次への糧となりステップとなっていくとしても。

毎日上下する円相場を見ても、お金の価値も不安定なもので、それでも世間では、無いのは不安と、将来のためにせっせと貯め込んでいく。
本当に安心して暮らせる社会とは、如何なるものか。アズワンコミュニティの安心の風を受けながら私もここに暮らしている。
今後もその試みに注目していきたい。おわり。(取材=いわた)
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