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マイライフセミナー

ゴールデンウィークに開催されたせいか、通常よりも多い九名が参加した。トランジションや、パーマカルチャー、シェアハウスをやっている人もいて、年齢も20代から50代、住んでいるのも東京から福岡までと幅広かった。
そんな九人が同じ屋根の下、男女分かれているものの枕を並べて、同じ釜の飯を食い、朝にはお掃除もするという、なんだか懐かしい合宿のような雰囲気だった。

午前中、午後、夕食後、各3時間くらいを、みんなでテーブルを囲んであーでもないこーでもないと話し合いをするという。一体どんなことになるのか予想もつかない状態で研修所に向かった。

テーブルの上にはコーヒー、紅茶とお菓子がありいつでも食べていいし、トイレも行きたいときに行っていい。
内容的には、お題が出されそれについて各自考えて自分の意見をホワイトボードに書いて、みんなに見せながら説明する。これも言いたくなければ言わなくていいし、人の発表を聞きたくなければ聞かなくても良いという。しかも座っている座椅子に寝転んでいても注意されない。初めは「え?」と思ったが、意外と不調和は起きないものだ。



結果、常日頃「普通、常識」と思っているものはすべて、自分が今までに築いてきた考え方、理解の仕方などを基本としたもののフィルターを通して、勝手に解釈したものだということが分かった。いかに日常見聞きしていることを適当に「自分なり」に解釈しているのかが分かって驚いた。

だんだん日本語の意味すら本当に合っているのか自信がなくなってきて、「『社会』って何?どういう意味?」なんて迷走する始末。自分の考えをホワイトボードに書くときも、なるべく簡単な言葉で書くことにした。意外と言葉の意味もあいまいのまま使っていることが多いことに気づく。

各自の意見も似ているものもあれば、全然思いつかないような切り口のものもあって、みんなのを見るのが楽しかった。まず考えるときのアプローチの方向すら違っていたりする。これでは言わなくても相手のことが分かるなんてことは言えないなと思った。元々そういったことが苦手な私は妙に納得してしまった。



ここでは誰も人の意見を否定したり、合意させようとしたりしない。それどころか答えというのも存在しない。スタッフの方は考えるためのアドバイスはするが、「こうなんじゃないの?」的なことも言わない。
答えを出すことばかりしてきた私は、最初なんだかもやもやしたものを抱えたが、次の課題と進むうちに忘れてしまっていた。一生懸命頭を回転させて考えてたからかな?

みんなそれぞれ違っていい、みんなそれでいい、ということ。自分の見聞きしている世界はあくまで「自分」が「自分流」に理解している世界だということが分かった。

もともと優しい、出来た人たちであったのもあると思うが、時間が経つにつれみんな不安や恐れもなく自分の意見を出せるようになってきたのを感じた。表情もだんだんと明るく、あけっぴろげになってきていたと思う。
私たちは急速に仲良くなっていった。お別れのときは少しさみしく感じ、社交辞令ではないまたの再会を約束するような言葉をかけ合った。その人の所に遊びに行こう!という楽しみが増えたのが嬉しい。

印象的なのはずっと座ってばかりの日々だったため、男性陣は元気が余っているのか、朝早く起きてさわやかに散歩し、お掃除も率先してやってくれた。女性陣はどちらかというと時間ぎりぎりまで寝ていて、起きた後もしばらくぼ~っとしている感じだった。あまりにもはっきりと分かれたため、ちょっとおかしかった。

5泊6日も座ってお話合いなんて出来るのかと思ったけれど、振り返るとあっという間で楽しい6日間だった。貴重でぜいたくな時間だったと思う。スタッフのみなさん、お世話してくださった方々に心から感謝します。



それから・・・

サイエンズスクールにはまだまだコースがあり、人とのコミュニケーションを考えるにはまず自分を理解することが必要だと思った私は、それを追求していけそうなコースを続けて受けたいと思うようになっていた。

幸いなことに(?)、今私は住所不定無職。どこに住もうが好きに出来る身分である。アズワンの中で日々皆さんがどう生活しているのか、どういう風にコミュニティが回っているのか、話に聞くより実際に体験した方が自分なりの解釈であっても理解が深まるのではないかと思い、次のコースまでの約一ヵ月間、コミュニティ内の家にホームステイし、ファームで働きながら「アズワン」を実感するお試し滞在をさせていただくことにした。

FARMにて

これもアズワンの凄いところであると思う。懐が広くて深い。気分的にはどらえもんの四次元ポケットだ。急に来た訪問者を、履歴書を出せとも言わないで受け入れてくださる寛容さ。「家族のような親しさ」がもてる人との繋がりを作っている人たちは、こんなにも受け入れる態勢ができるものなのだろうか。

久しぶりの身体を使った労働はリハビリのため午前中のみにした。それでも野菜の出荷や収穫、にんにくの皮むき(むいたあととても綺麗!)、さつま芋の苗植え、初めてのビニールハウス作業など、いろいろ体験させていただいている。将来的には小さな家庭菜園を夢見ているだけに、いろいろ吸収出来たらいいなと思っている。

午後はこの辺を探索したり誰かとお会いしたり出来ないかと思っていたら、グリーンカーテン用のニガウリを植えるためのリンゴ箱のペンキ塗りや、定植などのお手伝いをしないかと声をかけていただいた。そういったお手伝いは出来る限りしていこうと思う。でもアズワン流にその時になって気が乗らなかったらごめんなさい(笑)。




 こんな風に毎日気づきながら、ゆったりと過ごせている自分は幸せだと思う。仕事も自分の身体に関して思うことはあっても、人間関係で悩むことがないのはとても大きい。聞く態勢ができている方達の中で、自分の感覚といろいろ相談、折り合いをつけながら、自分の希望の方向へ向けたらと思っている。

 このような機会を与えてくれたアズワンやサイエンズの方々を始め、お会いしたすべての方にお礼をいいたい。そして地球の反対側でもんもんとしながら検索し、アズワンのホームページを見つけた自分をほめたいと思う。ありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
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