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頑張らないでいい

今日は、シニアの暮らしのひとコマを紹介します。
老い、病気、、、そんな中で自分らしく楽しく生きている元気なシニアのみなさん。
その秘訣は!?

10月8日(土)、鈴鹿カルチャーステーションで開催された理想の暮らしを語る会の公開シンポジムの様子をMiyatiさんのブログより紹介します。
テーマは、「自分らしく生きるーー人生を振り返る」。
『自分の内から湧いてくる思いを素直に語られた3名の話は、会場にしみじみと伝わっていったようです。

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金治智計さん(64歳、7年前から人工透析暮らし)

「透析をはじめたころ、勝手な生活していて、お医者さんから叱られていた。その頃ビルの上に行ったりすると、下に吸い込まれていく感じがしたり、こんな自分が生きていても意味ない、税金で透析していて、一人でも減ったほうがいいかな、とか。

それが、最近、声かけられて、この会に参加したり、鈴鹿にはサイエンズ研究所というのがあるんですが、そのゼミに参加するようになって、何か希望が湧いてくるようになりました。透析は、月水金と夕方4時まであるんですが、ちょうどゼミが月水金の夜、あるんです。

ぼくは、しゃべらないけど、みんなの話を聴いていると、日々同じことの繰り返しと思ってきたんだけど、本来の人間の姿を知っていこうすると、日々変化していること分かってきて、嬉しいんです」

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岸浪和子(71歳、看護師、リウマチと付き合う)

「この歳になるまで、自分って何だろう、なんて考えてこなかったなあ。
昨年、仕事をやめて、鈴鹿でやっている内観コースに参加したの。
これまで、あれも出来る、これも出来ると、やることに眼がいっていた。
出来ない人がいるとあの人は、どうなってるの?と思ったり。
はたけ公園のイベントでカレー出したんだけど、何度もお替りする人を見て、責めたりする気持ちが、ポッと出てくるのよね。

内観のあと、そういうのって、自分のなかのどんなところからでてくるのか、立ち止まって考えられるようになったの。
自分の気持ち見てこなかったのね。他の人の気持ちにも関心がなかった。

やることが大事で、自分に頑張ってきたし、他の人にも求めていた。
頑張らなくていい。
一人で生きてきたんじゃないのよね。内観でそのことが見えたの。

自分が実際、どんなかを知ったら、もっと人に甘えたい、心底甘えたい、人にも甘えてほしい、って気持ちが湧いてきたのよね。毎日が面白いの」



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井川道男(65歳、サイエンズスクールの内観コーススタッフ)

内観がどんなものか、参加者の感想も交えながら語っていただいた。
「奈良の内観研究所の案内では、まず”心の窓をノックしよう”とあります。人生の休暇、一人静かに自己を見つめてみる機会、と言えますか。

母や父、身近な人などについて、幼少期から今に至るまで、世話になったこと、して返したこと、迷惑かけたことなど、時期を区切って思いだしていくんです。
やっていくと、そのときの自分の気持ちや、母や父の気持ちがどんなだったかと、知りたくなってきます」

参加した人の感想も紹介してくれました。
「内観で発見しました。してもらってばかりで、恩返ししていない。
心からあの時助けてもらってありがとう、と出てきました。
自分や他の人の気持ちを考えることしてこなかった」

「自分一人で頑張ってきた。実際は、たくさんの人に支えてもらって、大切にされて来た存在、自分で我を補修しなくてもいい、もともと自分でなんとかするなんてことしなくてもいい、心の中が自由になりました」



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3人の話のあと、参加者20人で感想を語り合いました。
「自分が育ってきたこと振り返っても、外からの教育で規格化された感じで、のびやかでなかったなあ。うつの人が増えても、仕方ない。

頑張らないでいい、自分らしく生きる、内観に行ってみたい感じがする」

「最近、内観に参加した。嫌っている人についても、調べてきた。
ゆっくり調べていくと、その人の外観ではなく、その人の本当の姿、何がその人なのか、見えてきた。

自分もたくさんの人に迷惑かけてきたけど、今は、もっと迷惑かけていいんだ、となってきている」

「看取りをやっている人が、死んでいく人からいくつかの後悔を聞くという話がある。今日、みんなの話を聞いていて、内観などで本来の人の姿に焦点が当たっていたら、むしろ自由な感じで死んでいけるのかなと思った」

「透析って、食事など暮らしに制限がある。暮らしでは、出来ないことがいっぱい。それで、死んでいく。つらいときもある。でも、つらいけどそれが喜びにかわるときがある」

みんなで出し合っていくうち、「甘える、甘えられる」「迷惑をかける、迷惑をかけられる」って、どんなことだろう、という問いかけを各自にするような空気になりました。

残念ながら、今回はそこまで。
次回、また、語りあいたいなあ、と余韻漂うなか、散会しました。

秋が深まっていく気配・・・



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このイベントについてのお知らせはこちら ⇒ 「10月の公開シンポジウムのお知らせ」

テーマ “自分らしく生きる”
自分の人生を内観法で振り返ってみませんか?

「オリンピックでメダルを取った人やアカデミー賞を受賞した人はいいますよね。家族・友人・監督・チームメイト・応援してくれた方、みんなの支えがあって・・・・」と。
ということは、自分を支えてきてくれた周囲と人たちとのつながりを振り返ることになるかもしれません。



○考えるヒントを話してくれる人
・金治智計「人生を振り返る」
 (68歳・元武術家・現在、人工透析で暮らす) 

・岸浪和子「人生を振り返る」
 (75歳・元看護師・リュウマチ進行中)

・井川道男「内観で人生を振り返るとは」
 (サイエンズスクール鈴鹿内観コーススタッフ)

1、日 時:10月8日(土) 13:30~15:30
2、会 場:鈴鹿カルチャーステーション
3、参加費:500円

理想の暮らしを語る会が目指すもの

人はそれぞれ、その時代を自分なりの人生を歩んできました。
それをお互いに尊重し、理解しながら、なんでも話る、話したくないときは話さなくてもいい、黙っている時間があってもいい、そこに寄り合った一人ひとりが、めいめいそれぞれ思うことが違っていても同じ場で、同じ時間を過ごせたというだけでも、これは面白い、なにか余韻が残る、また来たいとなるような、会にしていきたいです。

理想の暮らしを語る会 鈴鹿カルチャーステーション内
TEL&FAX059-389-6603 事務局:中井正信
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