「ローカル イズ ビューティフル」 辻信一さんのお話


第2回ガイアエデュケーションの公開講座が5月20日、鈴鹿カルチャーステーションで開かれました。講師は辻信一さん。明治学院大学教授で文化人類学者。スローライフを提唱する著名な環境運動家です。メディアにも度々登場する辻さん。会場も満席となり注目度も抜群で迎えました。記者ももちろん興味津々です。

昨晩は、横浜で落語を披露したとか。辻さんの創作落語で、如何に難しいものだったか、そんな話題で始まりました。そう切り出すくらいですから、講演の方もテンポがいい。グングンと引きこんでいく。2時間があっと言う間。そして中身が濃い〜、どこを切っても、面白い。その全部を紹介したくなります。紙面の制約もWEB上なのでありませんが、あえて、そのほんの一部だけ、記者の主観も入り交えてお伝えします。

講演タイトルは、「いよいよローカルの時代、“Local is Beautiful”」。いま世界は、イギリスのEU離脱やトランプ現象など、いっそう混沌としてきました。しかし、この流れは、グローバリゼーションからローカリゼーションへの変わり目だと言います。この現状を歴史的、学術的な見地から読み解き、ローカル化への道を解説してくれました。

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ローカリゼーションへの岐路に立つ

最近掲載された広井良典さん(京都大学こころの未来研究センター教授)の新聞記事を引用しながら進みました。「グローバル化の終わりの始まり。ローカル化の時代へ」というタイトルです。

「今世界は、クリントン対トランプ、マクロン対ルペンに象徴されるように激しい対立にあります。グローバル化の流れと反グローバル化がぶつかり合っている。グローバル対ナショナルの対立とも見えます。実は、このグローバル化の流れは最近のことではなく、昔のローマ帝国時代から続いている。パックスロマーナと呼ばれていた。パックスとは平和という意味ですから、ローマ帝国支配下の平和です。20世紀は、パックスアメリカーナの時代です。巨大な帝国が支配していた時代は、一見、戦争がなく、平和が維持されているように見えるがこれが問題なんです。実は、もう一つあるのですが、今は置いておきます」と辻さん。

グローバルとナショナルの対立、せめぎ合いは繰り返されてきたという。
今のトランプ現象も、実は、自国中心主義という面がある。グローバル化で“得”をしている時は自由貿易を、“損”をするようになると保護主義を、という身勝手なものだと。こうしたグローバルとナショナルのシフトチェンジはローマ時代から繰り返されてきたが、グローバル化の流れは、いま本当に終わろうとしている、と辻さんは言いいます。
今、私たちはその歴史の画期的な地点に立っていると。
グローバル化に変わる新しい時代とは何か。それがローカリゼーションという言葉で表されるものだろうと、広井さんと同様に辻さんの主張です。

「すなわち環境問題などへ関心が高まる中で、地産地消ということを含めた、まずは地域の中で食料やエネルギー、特に自然エネルギーをできるだけ調達し、かつ、人・モノ・カネが地域内で循環するような経済をつくっていくことが望ましい。地球資源の限界という点からも、もうそれ以外に道はなくなりつつある。」(広井さんの記事より)

という話をここまで聞いて思うことは――今、グローバルからナショナルへと向かう流れと、グローバルからローカルへと向かう流れがあるということです。私たちはその分岐点にいる。世界が音を立てて動いている今だからこそ、このチャンスを活かし、ローカリゼーションという小さな動きをつなげて、世界に示していく時だろうと思います。

辻さんのお話はあと2回に分けてお伝えします。

この話の終着点は、実に目からウロコでした。お楽しみに。(記事:いわた)
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