韓国訪問団「人のための社会」にふれて(1)
持続可能な社会への強い関心
6月23日から3泊4日でアズワン鈴鹿コミュニティに韓国から11人の訪問団がありました。韓国でアズワンネットワーク活動をするサンヨンさんがツアーを呼びかけ集まった人たちで、お互いは初対面のようです。
メンバーは20代30代の若者から60代まで。中には、韓国ユニセフの前事務総長の方、韓国でも国民的な歌を作曲したという作曲・演出家、ドキュメンタリー映画監督もいました。政治共同体を準備中という人達も。
キッカケは、韓国でのアズワン講演会でその存在を知ったとか、ウドンサ(シェアハウスを中心にいろんな活動をしている青年住居共同体)にふれて参加したなどで、持続可能な共同体をどうやってつくったらよいのか、そこに強い関心を持っていました。
鈴鹿では、はたけ公園、おふくろさん弁当、コミュニティステーション、里山にも出かけて、コミュニティの人たちに触れ、話を聞いたり、ミーティングをしました。
おふくろさん弁当を参観した時に案内をした社長係・龍さんは、その時のことをこんなふうに語っています。
「組織には必ず利己的な人がいます。おふくろさん弁当では、利己的な人をどのように教育していますか?」などの質問がたくさん(*^^*)
「教育はないですが、利己的な《人》は本当にいるのでしょうか?
もしそう見える人が居るとしたら、なぜそういう現れになっているか?ですね。
どうしたのかな?と心配したりはしますけど」
「心が大切にされる組織とは?」
お弁当屋さんで
街のはたけ公園で
スズカファームで
コミュニティの話を聞く
スズカの里山へ
(若い世代のグループでミーティング)
ファガナンダ(腹が立った)話
3日目の午後は、3つのグループに分かれて、コミュニティメンバーとの「ふれあいミーティング」がありました。若者の一人が「既成世代」という言葉を使っていました。
既成世代とは現在の韓国社会を導いている古い世代を指す言葉で、オールドゼネレーション、世代葛藤という言葉もあるそうです。急速に発展した社会の中で世代間のギャップや断絶のような意識があるとか。
ふれあいミーティングで、若者たちのグループでは、素直に自分のことを出せたようです。参加した知ちゃん(おふくろさん弁当社員・40代)が話しています。
韓国から大人数の探訪団が来ると言うのを聞いて、ふれあいミーティングに声がかかる前から、何かで関わりたい気持ちがあった。サンヨンさんの繋がりの人達っていうのもあったし、遠くから何を求めて来るんだろうっていう興味もあった。
私のチームは若手だった。うっしーとヨッシーと私。
何でか分からないけど、この顔ぶれに安心感を感じた。
どこまで本心でオープンにやれるかな?って思ってたけど、初っ端から韓国の若者たちは、ファガナンダ(腹が立った)話しをどんどん出していた。
初めっから私達の事を凄く信頼してくれている様な気がして嬉しかった。
3人とも切れ間無くよく喋った。
フンミの通訳が追いつかないくらいに。
大分喋ってから、自分達の話しは愚痴や噂話しに聞こえてませんか?と聞かれた。
いいえ、思った事を話してるんだなって聞いてるよ。
と答えた。
すると、またたくさん話してくれた。
そんな感じで2時間半はあっと言う間に過ぎた様な気がした。
次の日、帰る前にお店に寄ってくれてまた会った。
そしたら、何でか凄く近く感じて親しみが湧いてきた。
何でなんだろうなと思った。
また会いたいなと思った。
(ともちゃん)
(写真中央=ともちゃんと)
心が満ちていく交流会に
ふれあいミーティングの夜は、参加者全員とコミュニティメンバーとの交流会。ここに来ての感想が聴けました。
若者たちも積極的に自分のことを話していました。
「ここに来るまで、心を閉ざして、あなたはあなた自分は自分と人と断絶している感じがあった。しかし、ちょっと観点が変わった。気持ちがすごくラクになった。帰ったら仕事があるけど、そのまま置いておておける感じがしている。」(30代女性)
「私は責任感が強く、その責任感で仕事をしてきたし、人に対しても求めてきた。ここの人たちが、心を大事にしているのにふれて、私も自分の中から湧いてくるものがあることに気付いた。」(40代女性)
彼女は普段、人前では涙を見せたりしないと言っていましたが、この場では、感涙していました。
「ウドンサで〝心をシェアするミーティング〟に時々参加しています。そこの人たちの飾らない笑顔がとても素敵で、今回アズワンに来ました。ここでも深田宅で迎えてくれたとき、まるで実家に帰ったような、母が迎えてくれたような感じがあり、涙が溢れてしまいました。そんな人になっていきたいと思いました。」(40代女性)
「ここは、善良な人たちが集まって、サイエンズの教育を受けながらそれを実践しているのだと思っていました。しかし、一人ひとりの話を聞いていくと、それぞれが自分と向き合い探究しているようです。私は、年配者で、目標に出来るような人がこれまでいませんでしたが、ここでシニア世代にふれて、何か希望が湧いてきました。」(シニア世代の女性)
心と心がふれあう交流会でした。通訳で付き添っていたフミンも、通訳しながら、自分の心が満たされるようだった、と言います。
人の心は、何で満たされるのでしょう? 韓国語と日本語で通訳しながらのやりとりでしたが、みんなが笑い、反応しあい、響きあっていました。言葉に表現される元の気持ちが通じあっていたようです。
一人ひとりの感想を次で紹介します。(いわた)
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