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「やらせる」「やめさせる」がない子育てって?

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キンダーハウス・チェリッシュの子どもたち
 =アズワン鈴鹿コミュニティでの子育ての場



子育て中のお母さん! どんなふうに子どもと接してますか? のびのび育てってほしいなあって願っていると思います。でも、そう思いながらも反対のことをしてしまったり、こんな時はどうしたらいいんだろう?って悩んだり、お母さんどうしの人間関係が難しかったりと、心配事や悩み事もいろいろあるでしょうね。

さて、アズワン鈴鹿コミュニティでは、どんな子育てをしてるのでしょう? 最近は「子育て」に関心を持って鈴鹿ツアーに参加する人たちも増えてきました。というわけで、鈴鹿コミュニティでの「子育て」をテーマに、「キンダーハウス・チェリッシュ」と呼んでいる子育ての場で子どもたちをみている純奈さんと知美さんにインタビューしてみました。(取材:いわた)

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◆3人から始まった「キンダーハウス・チェリッシュ」

――「キンダーハウス・チェリッシュ」ってどんなふうに始まったんですか?

純奈 もともと、同年代の子(1歳~2歳)を持つお母さん3人で、一緒に子ども連れで遊んだりしていましたが、違う年代の子を持つお母さんも含めたミーティングもしていて、そこで、「子どもたちが人らしく育ってほしいな、そういう環境ってどんな環境かなー」と、よく話していました。お互い親しくなるほど、「もっと一緒に育てられないかなぁ」というのも出ていたりもしました。
 3年前に場所を提供してくれる人、経済的に協力してくれる人、研究所の人には研究会に入ってもらったり、子どもたちを見るサポートのじいちゃん、ばあちゃんも揃って、子ども主体で遊び、暮らす「子どもの家」がスタート出来た感じです。

 その内、ご飯を作ってくれる人が現れたり、お兄さん、お姉さんも出てきたり、今では30人くらいの大人が関わっています。

 現在、子どもは0歳児から5歳児まで9人いて、来年の4月に出産予定の子も2人います。今までいた場所から、「それぞれの子がもっと発揮できるように」って、新しい家が出来ました。遊び場も用意してもらいました。

 それとか、兄弟で一緒にいると下の子に手がかかって上の子が見れないことがあって。それで、「ママの日」っていうのを作って、ママと存分に過ごせるように、ママも子どもも満足できるようにっていう日があります。心が満たされて育つっていうのがベースにあるかな。



◆「やらせる」「やめさせる」がない

――人らしく育てるってどういうこと?

純奈 まず、そこを「知る」ことからはじめて、見えてきたのは、「やりなさい」とか、「こうしちゃダメ」という、子どもを動かそうとしないことかな。
一人の人の気持ちと気持ち、意思と意思を聴き合って、やってる感じ。親と子という関係も上下があるのでなく、一対一の人と人の関係。それでやっていきたいなって。

知美 子どもはそのままで人らしいと思う。でも、私たち母親は教育を受けていて、いろんな考えを教えられている。こういう時は、こうするよ、こうした方がいいよ、って。
 そういう考えが頭の中にある感じがしてる。そういう考えを無意識に子どもにも押し付けて、やらせようとしたりする。

純奈 人が人を動かそうとすること自体が、それって人らしいことなの?って思う。
 親の方が人らしくなっていくことかな…… その両方かなって思う。

知美 子どもに強制的に「やらせたり」「やめさせたり」しない、心理的に圧迫しない、そんな環境で、人は人らしく育っていくのではないか。大人は余計なことはしない。

純奈 公園とかで遊んでいると、他のお母さんたちの「仲良くしなさい」って声が聞こえたりする。子どもどうしが物をとりあったりしてて、引っ張り合いや叩き合いの時に、仲良くないから、教えなきゃってね。

 でも、元々仲がいい。それぞれが今、どうしたいのかな、お互いの気持ちを見るというか、大人がやっていることはそれだけ。子どもどうしの間にあまり入る必要がない。
 取り合いになっても、あとから、話せる状態の時に、「何したかった?」って聴いてやってる。

知美 今までやってきて、2歳くらいでは、会話でもなく、こうしたい、ああしたい、だけだったけど、4、5歳になってくると、サラちゃんとつむちゃん(チェリッシュの子ども)の会話でも、「サラは今、これがしたいけど、つむちゃんはどう?」とか、「ツムちゃんはどうしたい?」とか、「サラちゃん、どう思う?」「うん、いいね、それしよう!」って子どもどうしの会話が生まれている。
お互いのことを知り合ってる時間もあるから、自然にやりとりしたのが、現れてきている感じ。


ツムちゃんとサラちゃん

◆親どうしが見守れるかどうか

純奈 2、3歳の頃は、だいぶやりあった時期もあった。手を出すときもあった。大人はそれをじっくり見守った。大けがしそうな時は、ちょっと止めたり、「はい、終わりね」って。

知美 そうやっている最中でも、お互い知り合ってる感じがして、それは、お互いの親が見守れるから、やれることだとは思う。
 相手の親に気を使ってたら、止めちゃう。
 だいたい、子どもって言うより、相手の親のことが気になって止めたりするよね。親がどう思うかなって。

純奈 私も以前は、行儀がいいか、大人の言うことを聞く子かどうか、そういう目線で、良し悪しをつけて、気にしてた。行儀がいい子がいい子ってね。

 ここに来て、本来の人間ってどうなんだろう?っていう観点、良い悪いとかでなく。そこを知っていこうっていうか。そこをやっている。

純奈 今年、徳島のTOEC(トエック)というフリースクールがあって、見学に行った。今のチェリッシュの今後の成長にピタっときた。
 そこでは、のこぎりや金槌、釘、はさみなどの工具が置いてあったり、火おこしは出来るわ、ご飯つくるところもあったり、子どもがやれる環境になってた。子どもには危ないと思っていたけど、それを見てビックリだった。大人のサポート次第でこんなふうになるんだって思った。これやりたいねってなった。それからチェリッシュでも工具を使い始めたりしてる。今の子どもたちを見て、探りながらやっている感じ。

 チェリッシュの子たちとだけでなく、もっと他の子と遊びたいという欲求も出てきたりして、そういう時は、市の支援センターに遊びに行ったり、そこで友達が出来て、遊びに来たり、鈴鹿市全体でサポートしてもらってるかな。今の子どもたちの様子をみて、さぐりながらやってる感じです。



◆何からはじめたらいいの?

――お母さんどうしもよく話し合いが出来たり、周りに協力してくれる大人もいて、子どもたちにとっては、とてもいい環境だと思うんだけど。じゃあ、こんな場を自分の地域ですぐ作れるかっていえば、ちょっと難しくも思うかな、どんなところからはじめたらいいのかな?

純奈 わたしもここに来たときは、今みたいな環境はなかったけど、お母さんどうしの関係からはじめた感じかな。お母さんと、知り合う、仲良くなる。そこからお互い、家の行き来が始まった。環境的には「はたけ公園」があったから、そこで焼き芋しよとか、それくらい。人と人との壁が徐々に下がってくる感じ。

知美 人が揃っているから、関わってくれる人がいるから、こういうことがやれるのかな? 実際そういう人が周りにいたら、自分たちがやりたいことがやれるかっていうとそうでもない。
 周りを見て、環境がないから出来ないっていう考え方ではなく、自分が今何をしたいのか、自分自身を知っていくこと、自分が子どもに対して余計なことをしないとか、そこからしかないかなって思う。こういう環境にいるからやれてるものでもない。知りたいっていう気持ちがないと。



――こんな環境を望んでいるお母さんも多いでしょうか。鈴鹿コミュニティも最初からあったわけではなく、少しずつ前に進んで今に至っています。子どもが子どもらしく成長していくことを願わない親はいないはず。周りがこうだから、仕方ないではなく、まず、本当に自分自身が何を願っているのか、そこを知ったら、自分も、子どもも、周りのお母さんたちの見え方も変わっていくかもしれません。

 アズワン鈴鹿コミュニティの人たちともっとお話ししてみませんか。
子育てで何が大事か、何かつかめるかもしれません。先日、ツアーに参加した鈴木さんのインタビューも参考に(下記のリンクへ)。

子育てで大事なことは? アズワンツアー参加者インタビュー
>>>http://as-one.main.jp/suzuka/sb1/log/eid1532.html

10月27-28日に参加した愛知県のYさんが自身のフェイスブックで発信しています。「子どもが、あっという間に懐(なつ)いた!」という内容。こちらをご覧ください>>>>「こんな暮らし方、こんな生き方があるんだ…!」


(写真提供:キンダーハウス・チェリッシュ)

「子育て」のことを一緒に考えませんか?
アズワン鈴鹿ツアー 毎週土日で開催中!
詳しくは>>>http://as-one.main.jp/HP/tour.html
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