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愛ちゃんの滞在日記

コミュニティの「ごくふつーの暮らしが見たいなー」
とやってきた山田愛さん。
9月のふだん着で探訪DAYに参加し、その後再来鈴。
”ふぁみーゆ鈴鹿”中井宅に泊まりしながら、
サイエンズスクールの内観コースやマイライフセミナーに参加したり、SUZUKA FARMで作業したり、HPリニューアルをお手伝いしたりしながら、ゆっくりゆったり過ごしています。
この間滞在してみて、どんなふうに感じているのでしょうか?
インタビューしてみました。

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【衝撃 その1】
  9月の探訪DAYには、一日前に到着。
  中井宅に宿泊。初めて泊った日…

  中井さん、「オレ、出かけるから~。
         コーヒーとか好きにして~。
         そのうちだれか来るからー」
         と言って、行ってしまった。

愛ちゃん、『日本なのに、こんな適当な感じあるんだ…』
     (8月までアフリカのボツワナに居た)

しばらくすると、誰かが家にズカズカ入ってきて…、
  誰か?  「中井さんは~?」と一言。
  愛ちゃん 「出かけました~」
  誰か?  「あっそう」
  愛ちゃん 『???、「あっそう???」???』
  誰か?  「どこか行ったのかなー?」
  愛ちゃん 『「どこか行ったのかな」じゃなくて…!!』

そのうち、佳子さん(中井さんの奥さん)が帰ってきて、
  佳子さん 「中井さん、どこ行くって言ってた~?」と。
  愛ちゃん 「し・し・知りません…。」
  佳子さん 「そう言えば、・・・へ行くって言ってたなー。
         まぁ戻ってくるやろー、そのうち…」

  他人が台所とか入っていいの?!
  まだよく知らない私に家をまかして出かけるの?
  家主いなくても、他人(その家の人じゃない人)が何も言わず、
  ズカズカどんどん入ってくる。
  家の人もそれでよしとしている…


中井家の人曰く、
   「いちいち「シャワー使っていいですか?」とか言わなくていいから。
    浴びたい時に浴びたらいい~。家みたいに使ってー」と。

ふぁみーゆ鈴鹿(中井夫婦)は、家をオープンにする人たち

  ビックリ!! おもしろい!!
  ここは、外国人向けの家?!
  『ルームシェアー』と言うより、『我が家』という感じもする。
  ホームステイよりゆるい感じで、あまりもてなす感じも無い。
  ふつーにしていていいんだ、気を遣わなくていいみたい。
『楽だなー』と感じてのスタートでした。


【衝撃 その2】
愛ちゃんは、8月末にアフリカから戻り、住居を定めず、ずっと旅行していて、
そんな中、一か月滞在しようとアズワンコミュニティ鈴鹿に立ち寄りました。

ふだん着で探訪DAY後、再来鈴した時、
宮地さんと照子さんが、
「疲れているだろうから、休んだらどうか…」
と声をかけてくれた。
ちょうどその頃、愛ちゃんは
九州に居るお世話になった知合いの窮地を知り、
駆けつけようとしていたけど…。

   ここに住むすまないはどちらでもいい。
   お金のことは後で考えよう。
   先ずやりたいことやれるように考えよう~!

二人と話しながら、
今駆けつけて、何か出来るわけではない、
本当はどうしたい?!と心が動き出した。

正直、1ヶ月このままここにいた方が楽だなー。
SUZUKA FARMでバイトしながらマイライフセミナーまで滞在したい。
バイト代は、滞在費の足しになればいいけど…

そして、予定を変更。
内観コースへ参加し、その後マイライフセミナーまで、
ゆっくりここに滞在することにした。

内観コースは、ゆっくりできた。
なんて自由で贅沢な、豪華な内観だったのだろう!
とも思った。
『急いでいたなー、焦っていたなー、不安もあったなー』
と見えてきて、ゆっくり冷静になって、頭も動き出した。

内観参加する前は、自分自身、疲れているとは思ってなかったなー。
宮地さん、照子さん、一人ひとりのことをよく見ているなーと思った。

また、内観コース後、照子さんから、
   「滞在中、できるだけ働いて、何時間働いても、それで滞在費はなしで…、
    それでもいいかしら~?」と話があった。
それは助かる!
スクールのコース参加費も後で分割でOKだと言ってくれた。

   当初、親しい人たちだけ(コミュニティメンバーだけ)が、
   そういうことを融通し合っている場所みたいに思っていた。
   私はあくまでゲストだ。なのにその私にも適応するんだ…
   このまま借金したまま逃げるかもしれないのに…
   びっくり、衝撃だった!!


【愛ちゃんから見たアズワンコミュニティの印象】
最初、アズワンコミュニティのMAPを見ると、「柵」が無い。
他人の家がいっぱいある中に、コミュニティの家、施設が点在している。
コミュニティって言うけど、なんだろう??よくわからないなー。
最初にMAPを見たときの反応だった。

(クリックすると拡大します)

「コミュニティづくり」と言うと、
何か具体的なスローガン(目標)みたいなのがあって、
それをするためにどうしたらいいかとルールができてくる。
例えば、地球1個分の暮らしをしたいとか、石油燃料や電気をできるだけ使わない暮らしをするために、みんなでルールを決めて、全員がそれを守れるように壁に書いて貼っておく、とか。
同じ目標を達成するための手段がいくつか見えた時、うまく話し合いができずに、けんかになってしまい、そのままコミュニティが崩壊してしまうことも多い。ルールを守れない人を責めたり、罰則を科したり、ときにはコミュニティから追い出してしまうことだってある。

コミュニティに住む人は、みんな同じルールで、同じ暮らしをしなくちゃならない…
コミュニティと聞くと、そんな暗黙のルールがあると思っていた。
でも、いろんな人に触れていると、家をオープンにする人もいるし、
「うちは嫌だ、他人に鍵を預けるわけないじゃん!」という人もいる。
ここには、具体的なスローガンや暗黙のルールが無いようだ。

このコミュニティで大事にされていることは、ふるまいを同じにすることではない。
それぞれにやりたいことをやりたいようにやりながら、
時には親子や親せきのように遠慮なく意見を交わす。
そのやりとりは、まるで親子や親せきのよう。
厳しくもあり、優しさにあふれている。
それでいて、自然体。
こんな関係、どうやったらつくれるんだろう。

中井さんがこんなことも言っていたなー。
  「何しに来たん?
   ふつーに暮らしているだけだけど。
   いい加減に適当なことをして楽しくやっているだけだけど…
   何がおもしろいん? 
   外から来た人が、何を見にここへ来るのか興味があるなー」

ここは人に合わせて、必要なものをつくったり無くしたり、変化していくコミュニティ。
これ、マニュアルつくって、パッケージ化して、真似して…
なんて、そんなに簡単にはいかないんじゃないかなーと感じている。

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愛ちゃん、これまで滞在してきて、ずいぶんうちとけてきたようです。
中井さんを「お父ちゃん」と呼び、周りの人も「中井さんちの子」と見ているようです。
人の出入りの多い中井家、出会う人も多く、名前と顔も覚えてきて、
留守番ができるようにもなってきました。
「ここの人は、みんなどこかで、ここを訪れた人が成長していく姿を見ることを楽しみにしている」とも言っていました。

愛ちゃんには、自身の志があり、それに向かって進んでもいます。
まだ滞在は続きますが、これからもどんなふうに感じるのでしょうか?
楽しみですね。

(記事 中野敏美)
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