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「お金のいらない国」本当にあったら? 落語会で考える



現代に生きるサラリーマン青年が500年後の地球に迷い込む。そこは「お金のいらない国」だった…
「お金をもらわなきゃ仕事なんかしないよ!」と言い張る青年も、その国で過ごすうちに、考え方も変わっていく。お金がなくても、やりたいことが出来て、みんなからも感謝され、そんな暮らしを満喫する。
「こうもよくされたら自分も何かしたくなります! お金? お金なんていりません!」と青年は180度変わっていた、という話が第1話。

こんなフィクションを落語で演じ、「お金のいらない国」を想像してみませんか? と全国各地で講演しているのが長島龍人さん。
長島さん自身が会社でお金の煩わしさを痛感し、いっそお金がなくなったら社会はどうなるんだろう? 元々仕事は何のためにしてるんだろう? とそんな疑問から想像が始まったそうです。仕事、結婚、罰則、教育などをテーマに4巻の本にまとめています。

3年前に鈴鹿では1回目の落語会を開き、今回3回目が5月14日、鈴鹿カルチャーステーションで開催されました。主催は「イマジンの会」。アズワン鈴鹿コミュニティで暮らす有志と賛同する人たちとで実行委員会をつくり、準備してきました。
当日は、はじめて聞きに来ました、という参加者が多く、これまでとはまた違った雰囲気で、笑いよりも、内容の方にみな真剣に耳を傾けていた様子でした。

実行委員の江口公子さんが挨拶。
「お金は人間が作ったものでは? そのお金に人は縛られたり困ったりしています。本当にお金がないと生きていけないのでしょうか? 考えるキッカケにしてほしい」
その隣は司会進行のぶちゃんコト杉本信之さん。
「チラシに漫画で出てきます。そんな漫画みたいな人生で、ダジャレばかり飛ばしてます。ダジャレのネタは仕込まず、出(ネ)たとこ勝負ですm(__)m」と、のぶちゃん節ではじまりはじまり。



龍人さんは、会社を早期退職して3年。今でこそ話せる時事ネタも交えて・・



自作の歌「お金のいらない国になったら」を披露。交流会では、この歌詞をテーマに参加者どうしで語り合いました。



お金のいらない国では、法律・所有・結婚制度などもないそうです。
人が腹を立てたりするのも、そんな社会制度に原因があるのでは?と疑問も投げかけているようで、その国の紳士は「怒って何かいいことあるの?」と腹が立たないようでした。



落語を終えて、参加者どうしでグループになり、ディスカッションへ。


その後は全員で輪になって発表会をしました。

受け入れると受け止めるのちがい

「子どもも大人も自発性のないことはしない、させないことが人生重要だと思う。その自発性を引き出すためには、“受け入れる”のではなく、“受け止める”存在が必要ではないか。親でなくても、誰かいないと引き出されないのではないか。」

「タイの山岳民族では、家族や夫婦制度がゆるやかで、それぞれが収まるところに収まっていた。大家族で子育てし、子どもを集団の宝としてみていた。そういうところもある。」

「年金生活されている方もいる。そこに格差がある。ギスギスもしている。遺産、財産問題も多い。お金がなければそもそもお困りごともない。お金では、いくら大富豪でも幸せは買えないよね。」

「お金はあった方がいいんじゃないかな。でもそれで幸せか? という問題がある。今働いている会社はお金をたくさんもらえるけど、体に負担があり持続可能ではない。」


最後まで残っていた人たちで記念撮影。

こんな意見をアンケートに残してくれた方もいます。

「世の中全て金。この社会でお金のない社会は考えられない。労働の対価として支給されるのは当然と考えている。必要なものを必要なだけ手にいれるのは理想だと思うがそれは幻想だ。格差、貧富は自己責任・自助努力、自力更生が世の中では当然視され、自分も違和感を持ちながらもある程度認めている部分もある。
ルールのない社会ってどんな社会? イメージ出来ません。一定の制約がないといけないのではないかと思います。」(60代・女性)

お金のいらない世界に実際にふれてみたら?

お金のいる社会に生まれ、暮らしている私たちですが、そもそもお金って何?と考えるキッカケにはなったでしょうか。最近では、イスラエル人の歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』でも、「お金は人間が作り出したフィクションである」と話題になっています。人が作り出してきた様々な制度やルールを、今本当に見直す時期が来ているのかもしれません。

落語では、サラリーマン青年がお金のいらない国を体験して、考え方も変わっていく、というお話でした。いまの私たちも、想像は出来るでしょうが、実際にそんな世界を体験してみたら、本当にどんな感覚になるでしょうね。現実に、そんな国が地球のどこかに実際あったとしたら、どう思いますか? 500年後ではなく、現代にあるとしたら‥ 人間や社会のイメージが変わってくるかもしれません。

ここ、アズワン鈴鹿コミュニティでは、「お金のいらない経済」を具現化する、そんな試みもはじめています。空想ではない、その実際に触れてみたら、青年のような体験ができるかもしれません。興味ある方は、是非、お越し下さい。(写真と記事・いわた)

見る触れる体験する>>>アズワン鈴鹿コミュニティ探訪DAY
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