人を大切にするから、力も発揮され会社も繁栄する
ゆめのたね放送局の番組「こっからパーマカルチャー」に2週に亘っておふくろさん弁当の会社が紹介されました。5月16日は、社員のサッキーこと崎久保祐子さんが登場し、社内の日常を伝えています。
社長係の岸浪龍さんは、「命令がない、上司がいない、責めない、縛らない会社」と言ってますが、実際に働いている社員さんはどんな気持ちなのでしょう? サッキーがインタビューに応えます。
(以下、放送内容をザックリ掲載しました。龍=社長係の岸浪龍さん。MAYA=番組パーソナリティのMAYAさん。サッキー=崎久保祐子です)
どんな感じ?って聞いてもらえる会社
龍 人が大切にされる会社なんて、社長は言うけど、社員はそんなことないだろうってよく言われるので、今回は社員に来てもらいました。
MAYA サッキーこと崎久保祐子さん、いかがでしょうか?
サッキー 働いている一人ひとりと、「働いててどんな感じ?」とか「大変じゃない?」とか、「仕事増やす?」とか「減らす?」とか、そういう話し合いを、けっこう頻繁にしてるんですよね。私も働き始めの頃はよく龍さんと話してました。
MAYA そういうことを聞いてもらえるんですね。
サッキー よく見てるんですよね、人を。「元気ないんじゃない?」とか言って。
MAYA そういうとこ見てくれるんや。
サッキー 出勤した時に、「ちょっと大変になってるんじゃないの?」とか、よく声をかけてくれます。そういうので、気持ちもだんだんオープンになっていく感じ。心が開いていく感じがして、この人だったら自分の困っていることを言ってもいいのかな、って。
MAYA 受け止めてもらえるんですね。
役職より、まず、わたしを見てくれる
MAYA サッキーはお弁当屋さんの前は何をされてたんですか? 何か違いはありますか?
サッキー 児童養護施設で栄養士をしてました。人間関係の違いは大きいかな。
施設で働いていた時は、栄養士の崎久保祐子でした。“栄養士として”の崎久保で、仕事の話が多かった。お弁当屋では、まず“崎久保祐子”があって、その後に、「ああ~、栄養士だったね」って。(笑)
龍 ほとんどの社員は知らないだろうね。サッキーが栄養士だってこと。(笑)
サッキー 私自身をみんな見てくれてる。気持ち的にもラクだし、自分を出しながら仕事が出来るのでやりやすいです。
聞いてもらえると‥気持ちが変わる
龍 入社当時は、栄養士で大量調理の経験もあったので、調理担当で採用しました。ところがやってもらうと、“遅い”“要領が悪い”。だけど、キャラクターは明るいし、人が好きだし、お客さんと関わる方が向いているんじゃないって話になって、お店の接客とか、配達とかやってみない?ってなりました。
サッキー 全然一方的に言われたという感じではなくって。
龍 こっちやってみない?って言うとイヤな人は「イヤ」って言うから。
MAYA そういうことが言える環境なんですね。
龍 他の会社の人と話すと、「今度転勤になって困ってる」って聞くことがある。「イヤって言えばいいじゃん」って言うんですけど、「言えるわけないでしょ」ってね。
MAYA そうですよね。普通はそういうこと言えるの?って思うところよね。
龍 そうですね。「やりたくない」とか、「行きたくないんだ」って気持ちを聴いてもらえて受け止めてもらえると、結構それで満足して、「じゃあ、人がいないなら自分が行こうか」って、入ってくれたりするんですね。面白いですよね、“心”って。
MAYA いったん受け止めてもらえたら、助けに入りたくなる?
龍 それが権利や義務のやりとりじゃなく、心を本当に聞いてもらって大切にしてもらうと、「じゃあ、何かやれることないかな」とか、「今そんなに乗り気じゃないけど、今の状況を見たら、自分がやろうかな」とか、心もその都度変化していくから、面白いですよね。
ミスがミスにならないのは‥
MAYA 事件とか起こるたびに皆さん面白がってやっているようですが、何かエピソードありますか?
龍 サッキーがらみだと発注漏れ事件かな?
発注漏れを救ったというツネさん
サッキー お弁当の材料発注を担当してるんですが、豆腐の発注日を間違えてしまった時があった。100パック近い量で、今日ほしいという状況で、どうしよう!どうしよう!ってなった。
その時、買い物担当のツネさんが「よし、俺に任せろ!」って鈴鹿中のスーパーを回ってきてくれた。2時間して戻ってきた。「ツネさんごめんね、大丈夫だった?」って私は半泣き状態。いろんな所を回らせてしまったという罪悪感もあった。
で、ツネさん、「お、大丈夫や!集まった。これで大丈夫やぞ!」って言ってくれた。もうその時は、神様に見えました。
他の会社にいたら、何で間違えたんやって責められるところ。始末書書かされたりするところだと思うけど、そんなこと全然なくって。
MAYA 励まされて、慰められたんですね。
サッキー 自分一人じゃなくって、みんなに助けてもらいながら仕事やれてるんだな、と思った。ただただ嬉しい、感謝だけでした。今度ツネさんに困った時があったら私助けてあげるって思いました。その恩を返したいみたいな感じ。
失敗して責められても…
龍 会社としてはミスを減らしていきたい。
怒られて始末書書いて、怒られたくないからミスしたくないって思うのと、周りの人が助けてくれて、それがすごく嬉しくて、もうミスしたくないって思うのと、どっちが本当に強いか? どっちの原動力が大きいか考えたら、それは比べものにならない。次元が違うというか。そのくらい動機の強さが違うんじゃないかな。それで仕事の内容もよくなっていくと思っています。
MAYA 自分が助けられた、支えられたという経験を積めば積むほど、自然に人を助けていきたくなるんですね。
龍 自分が休みの日でも、体調悪いとか、行きたくないという人がいた場合も、「自分が行こうか」とか、「今日休みだけど行くよ」となる。そういうのは普段みんなから大事に、大切にされているから、何かあった時はかけつけようという気持ちになっているんだと思います。
人を大切にしようというルールでは、人を大切には出来ない。そういう気持ちや心にならないと出来ないことです。
そう言いながら結構発注漏れるんですけど。(笑)
MAYA 大切にし合う人間関係が育っていて、いいですよね。
MAYA 社長さんの素敵なところは?
サッキー 社長って感じじゃないですね。見守ってくれているお父さんみたい。よく話しかけてくれる。頼れる人かな。
龍 困ったり大変なときに、相談してもらえない時、それが一番淋しいですよね。相談してもらえることは、すごく嬉しいことで、何もしてあげられなかったとしても、相談しようって思ってくれたその人の気持ち、そういうのが凄く嬉しいんで。
(この後、もう少しインタビューは続きますが省略します)
MAYAさんの読んだ本は付箋がぎっしりでした。
放送では、MAYAさん、龍さん、サッキーの3人のやりとりがとても心地よく、人を大切にしている気持ちが、スタジオから溢れてくるように感じました。音声を通して、聴いているこちらも温かくなりました。その空気感まではお伝え出来ないのはちょっと残念。
サッキーに放送後の感想を聞くと、「ぶっつけ本番で、何を話していいか分からなくなってしまったけど、MAYAさんに上手に引き出してもらえた」そうです。スタジオの中もおふくろさん弁当の会社の空気になっていたのかな?(文・いわた)
今後の予定
6月7日(水)「おふくろさん弁当」社長係・岸浪龍 大阪講演会
サッキーのエピソードは、おふくろさん弁当の本に漫画で紹介されています。そちらも是非ご覧ください。>>>『本当にあった!こんな会社~規則も命令も上司も責任もない!』
MAYA サッキーこと崎久保祐子さん、いかがでしょうか?
サッキー 働いている一人ひとりと、「働いててどんな感じ?」とか「大変じゃない?」とか、「仕事増やす?」とか「減らす?」とか、そういう話し合いを、けっこう頻繁にしてるんですよね。私も働き始めの頃はよく龍さんと話してました。
MAYA そういうことを聞いてもらえるんですね。
サッキー よく見てるんですよね、人を。「元気ないんじゃない?」とか言って。
MAYA そういうとこ見てくれるんや。
サッキー 出勤した時に、「ちょっと大変になってるんじゃないの?」とか、よく声をかけてくれます。そういうので、気持ちもだんだんオープンになっていく感じ。心が開いていく感じがして、この人だったら自分の困っていることを言ってもいいのかな、って。
MAYA 受け止めてもらえるんですね。
役職より、まず、わたしを見てくれる
MAYA サッキーはお弁当屋さんの前は何をされてたんですか? 何か違いはありますか?
サッキー 児童養護施設で栄養士をしてました。人間関係の違いは大きいかな。
施設で働いていた時は、栄養士の崎久保祐子でした。“栄養士として”の崎久保で、仕事の話が多かった。お弁当屋では、まず“崎久保祐子”があって、その後に、「ああ~、栄養士だったね」って。(笑)
龍 ほとんどの社員は知らないだろうね。サッキーが栄養士だってこと。(笑)
サッキー 私自身をみんな見てくれてる。気持ち的にもラクだし、自分を出しながら仕事が出来るのでやりやすいです。
聞いてもらえると‥気持ちが変わる
龍 入社当時は、栄養士で大量調理の経験もあったので、調理担当で採用しました。ところがやってもらうと、“遅い”“要領が悪い”。だけど、キャラクターは明るいし、人が好きだし、お客さんと関わる方が向いているんじゃないって話になって、お店の接客とか、配達とかやってみない?ってなりました。
サッキー 全然一方的に言われたという感じではなくって。
龍 こっちやってみない?って言うとイヤな人は「イヤ」って言うから。
MAYA そういうことが言える環境なんですね。
龍 他の会社の人と話すと、「今度転勤になって困ってる」って聞くことがある。「イヤって言えばいいじゃん」って言うんですけど、「言えるわけないでしょ」ってね。
MAYA そうですよね。普通はそういうこと言えるの?って思うところよね。
龍 そうですね。「やりたくない」とか、「行きたくないんだ」って気持ちを聴いてもらえて受け止めてもらえると、結構それで満足して、「じゃあ、人がいないなら自分が行こうか」って、入ってくれたりするんですね。面白いですよね、“心”って。
MAYA いったん受け止めてもらえたら、助けに入りたくなる?
龍 それが権利や義務のやりとりじゃなく、心を本当に聞いてもらって大切にしてもらうと、「じゃあ、何かやれることないかな」とか、「今そんなに乗り気じゃないけど、今の状況を見たら、自分がやろうかな」とか、心もその都度変化していくから、面白いですよね。
ミスがミスにならないのは‥
MAYA 事件とか起こるたびに皆さん面白がってやっているようですが、何かエピソードありますか?
龍 サッキーがらみだと発注漏れ事件かな?
発注漏れを救ったというツネさん
サッキー お弁当の材料発注を担当してるんですが、豆腐の発注日を間違えてしまった時があった。100パック近い量で、今日ほしいという状況で、どうしよう!どうしよう!ってなった。
その時、買い物担当のツネさんが「よし、俺に任せろ!」って鈴鹿中のスーパーを回ってきてくれた。2時間して戻ってきた。「ツネさんごめんね、大丈夫だった?」って私は半泣き状態。いろんな所を回らせてしまったという罪悪感もあった。
で、ツネさん、「お、大丈夫や!集まった。これで大丈夫やぞ!」って言ってくれた。もうその時は、神様に見えました。
他の会社にいたら、何で間違えたんやって責められるところ。始末書書かされたりするところだと思うけど、そんなこと全然なくって。
MAYA 励まされて、慰められたんですね。
サッキー 自分一人じゃなくって、みんなに助けてもらいながら仕事やれてるんだな、と思った。ただただ嬉しい、感謝だけでした。今度ツネさんに困った時があったら私助けてあげるって思いました。その恩を返したいみたいな感じ。
失敗して責められても…
龍 会社としてはミスを減らしていきたい。
怒られて始末書書いて、怒られたくないからミスしたくないって思うのと、周りの人が助けてくれて、それがすごく嬉しくて、もうミスしたくないって思うのと、どっちが本当に強いか? どっちの原動力が大きいか考えたら、それは比べものにならない。次元が違うというか。そのくらい動機の強さが違うんじゃないかな。それで仕事の内容もよくなっていくと思っています。
MAYA 自分が助けられた、支えられたという経験を積めば積むほど、自然に人を助けていきたくなるんですね。
龍 自分が休みの日でも、体調悪いとか、行きたくないという人がいた場合も、「自分が行こうか」とか、「今日休みだけど行くよ」となる。そういうのは普段みんなから大事に、大切にされているから、何かあった時はかけつけようという気持ちになっているんだと思います。
人を大切にしようというルールでは、人を大切には出来ない。そういう気持ちや心にならないと出来ないことです。
そう言いながら結構発注漏れるんですけど。(笑)
MAYA 大切にし合う人間関係が育っていて、いいですよね。
MAYA 社長さんの素敵なところは?
サッキー 社長って感じじゃないですね。見守ってくれているお父さんみたい。よく話しかけてくれる。頼れる人かな。
龍 困ったり大変なときに、相談してもらえない時、それが一番淋しいですよね。相談してもらえることは、すごく嬉しいことで、何もしてあげられなかったとしても、相談しようって思ってくれたその人の気持ち、そういうのが凄く嬉しいんで。
(この後、もう少しインタビューは続きますが省略します)
MAYAさんの読んだ本は付箋がぎっしりでした。
放送では、MAYAさん、龍さん、サッキーの3人のやりとりがとても心地よく、人を大切にしている気持ちが、スタジオから溢れてくるように感じました。音声を通して、聴いているこちらも温かくなりました。その空気感まではお伝え出来ないのはちょっと残念。
サッキーに放送後の感想を聞くと、「ぶっつけ本番で、何を話していいか分からなくなってしまったけど、MAYAさんに上手に引き出してもらえた」そうです。スタジオの中もおふくろさん弁当の会社の空気になっていたのかな?(文・いわた)
今後の予定
6月7日(水)「おふくろさん弁当」社長係・岸浪龍 大阪講演会
サッキーのエピソードは、おふくろさん弁当の本に漫画で紹介されています。そちらも是非ご覧ください。>>>『本当にあった!こんな会社~規則も命令も上司も責任もない!』
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