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旧暦の七夕

 梶の葉カルチャーステーションがお盆休みの間母のところにいたら、梶(かじ)の葉があるから帰りによっていきなさいと、大徳寺の近くに住むOさんから連絡がありました。梶の木は桑科で紙の原料になるらしいですが、むしろ古くから神を奉る木として扱われてきたようです。お茶のお点前の中では、夏だけの目に涼やかな葉蓋(はぶた)というのがあるのですが、この葉を水差しのふたに見立てて扱います。
 「梶の木をまだ見つけていないから、今年は芋の葉で葉蓋のお稽古をしようと思う」なんて私が言うのを聞いたOさんが、それならと早朝から出かけて用意してくれたようです。芋の葉の場合でもそれは素敵で、露の玉をひとつころがしておくのですが、梶の葉をわざわざ使うのには、このお点前が考案されたなりの意味があるようです。
 昔、といっても平安の頃からだそうですが、貴族階級で中国の行事を盛んに真似ていた中に、旧暦の7月7日に星祭りを始めていたようです。水を張った器にこの梶の葉を一枚入れて水面に織姫とひこ星の二つを映して愛で、歌を詠みあってはこれも梶の葉に書き付け、神にお供えした。それが今の私たちが笹にお願いごとを飾る行事につながっている、冷泉家では今も梶の葉を使ってこの行事を続けているとお茶の師匠から聞いたことがあります。 
 やまごぼうOさん宅によってみると、思いのほかたくさんの梶の葉がありました。「小さい葉もたくさん取れたけれど、あなたのところだったらステーションに集まる子供さんたちがお願い事を書いたら楽しいんじゃないかと思ってね」といって、丁寧に一枚一枚を重ねて新聞にくるんでありました。実はOさんはオープニングのお茶会に京都から駆けつけてくださった一人ですが、その後も何やかやと応援し続けてくださいます。今年の旧暦の七夕は、8月16日。ステーションには英語クラスの小中学生もやってくるし、20日にはまめっちょの会の発表会でたくさんの親子連れが見えます。その人たちが使えるように用意したいな、と思ったらますますうれしくなり、お礼をもそそくさと帰りを急ぎました。もともと七夕は秋の行事だったということですね。
 混雑を避けたかったので、比叡山を抜けて琵琶湖大橋を渡り、一号線をとろとろ帰ってきました。途中、日陰で休もうと竹林のそばで車を止めたら、目の前にヤマゴボウの花やカラスウリの咲いているのを見つけました。
こんなに暑い毎日だけれど、もう秋がはじまっているんですね。お茶室に飾って秋を感じたく、ヤマゴボウを一枝手折ってきました。家に帰り着いたときにはさすがにぐったりなっていましたが、大急ぎで水揚げをしてやると、一時間も経たないうちにピンと元気になっています。
 鈴鹿の我が家の近くには、待つ宵草や丸葉萩など、車の行きかう道路沿いに茫々と丈高く草が茂っている中でそっと花を咲かせているのをみつけています。朝夕、もう少し散歩して花との出会いを楽しんでみたくなりました。花情報お持ちの方、教えてくださいね。(片山弘子)
 
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