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学ぶことの楽しみを満喫する①

6月27日~7月1日まで、韓国から来訪したノンシル人文学校の理事ユ・キマンさん。
昨年8月に韓国江華島で行われたマイライフセミナーにも参加しています。
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初めてアズワンコミュニティを探訪したキマンさんのレポートを二回にわたって紹介します。
(この記事は、ノンシル人文学校ブログに載った記事を、今回の通訳のイ・スンヒョブ君が翻訳してくれたものです)


学ぶことの楽しみを満喫する①・・・アズワンコミュニティ訪問記

6月27日から7月1日まで4泊5日で、日本の三重県鈴鹿市にあるアズワンコミュニティに行って来ました。
今からアズワンコミュニティ探訪に対する私の感想を書いてみたいです。

アズワンコミュニティに行く前日、妻にメールを送りましたが、その時は以下のような気持でした。
「日本に行くことになって、期待感もあるし、心配もあります。私は人々と付き合いのよい性格ではないようです。一度もそんなこと考えたことながったけど、最近は単純に人達と騒ぎながらいっしょに暮すこともいいけど、そうしなくてもいいと思います。
人と付き合うことが、ヨンソク(7ヶ月になる息子)がものごとを不思議に思うように、ひとつひとつが楽しくて、新しかったらどれだけいいでしょう。人と付き合うのも不思議でおもしろいことに間違いないだろうけど、なんでそれが心配になるのかな~」(奥さんに送るメールの中で・・・)

●6月27日
期待感と心配が混じった気分でジャンスから出発して、12時間後にアズワンコミュニティの研修所に着きました。
宮地さんの案内で到着した後、受付の懇談会をしました。自己紹介をして、参加しながら思ったことや感じたことを話し合って、あれこれ気がかりになることを質問しました。私達を受け付けた宮地さんと照子さん、そして小野さんと一緒にやりました。

☆まずアズワン受付懇談会で印象に残ったこと~
「アズワンコミュニティ」の概念です。
コミュニティをあえて翻訳すると'地域社会'とも言えるそうです。「共同体」という言葉は少し閉鎖性があって適切ではなくて、コミュニティという言葉を使うと聞きました。
特定な人だけがコミュニティのメンバーとかそういうのではなくて、メンバーであるかないかの区別がない、境界もないということです。単純に関係が作られます。
コミュニティで運営する様々な空間と事業などに、誰しいも結び付け合い、関係をつくりながら、自然とコミュニティをつくっていきます。
記念撮影
コミュニティのことはおいおい理解することにして、少し休んでから歓迎会に参加しました。

☆歓迎会で印象に残ったこと~
歓迎会は、おふくろさん弁当で用意してくれた料理を食べながら始まりました。
ある程度食事をすましてから、お互いをもっと知り合っていく時間にしようということで、最近心に残ったことを話し合うことにしました。

8人の韓国からの訪問団がモジモジしていたら、誰かが宮地さんに「手本をお願い」と言って、みんなで大きく笑ってから宮地さんが話を始めました。
最近、妻が怪我をして家事を自分でやってるけど、「やらなければダメ」と思っている事に気付いた。「ではやりたいことは何かな?」と考えたという話でした。
それから鈴鹿ファームで働いてる若い青年の話や参加者達の話が続きました。

歓迎会は、普通の場合、ある形式的なものがあるのかなと思っていたけど、
本当に「お互いを知っていく時間」になっていました。
コミュニティが各自の個性を生かして、各自の場でやりながら、自分が持つ持ち味を生かす方向にやってることが理解できました。
訪問団の一人として他の人の話を聴く機会となりました。

探訪一日目は、朝3時に出発して午後3時に鈴鹿に着いたので疲れました。
これからまだまだ知りたいことが生じたけど、それはアズワンコミュニティの構成原理でした。もう一つは個人の幸福と社会の変化に対する関係です。

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*歓迎会の食事を見て楽しんでいます。


●6月28日
二日目は、アズワンコミュニティの案内をしてもらいました。
午前中には、SCS(鈴鹿カルチャーステーション)、アズワンファーム、 おふくろさん弁当に行って、昼御飯はコミュニティ食堂である中井さんの家で食べました。
午後にはアズワンカンパニー、コミュニティ通貨RINKAのお店、そしてアズワンマンションⅣの照子さんの家庭と、サイエンズスクールに行きました。
忙しい一日でした。既存の観念では理解できない概念がたくさんあって、行くところ全部時間が足りませんでした。

☆SCSで印象に残ったこと~
<学ぶことは本来楽しい><成長することは本来楽しい><知っていくことは本来楽しい>ということで、SCSではいろんなことをします。放課後の学童・教室、様々な文化芸術活動、小集会、茶道教室など多彩です。
公共の文化センターもあるけど、いろいろと手続きや事業をするのが複雑で、誰でも気軽に来て使える場所を創ったそうです。

アズワンコミュニティの人達には家のように、他の人達にはその家の縁側のように、誰でも気楽に入ることができるそうです。
縁側が外部と内部をつなげる空間で、そうやって縁側を通してコミュニティの家族になっていくのではないかと思います。

<学ぶことは本来楽しい>ということに考えが留まります。その通りだと思いながらも、現実では学ぶことを押し付けられるからです。あるいは学ぶこと自体が好きというより、成績の良さ悪さや、人から認められたいことにもっと気をとられるからです。そういうことから自由になって<学ぶことは本来楽しい>というテーマに戻った自分を想像してみました。

☆おふくろさん弁当で印象に残ったこと~
たくさん働いたから給料が多いのではないです。決まった給料がなく、生活の状況によって給料が違います。働く時間も状況によって、ある人は一週間に一日など多彩です。
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アズワンカンパニーの中の一つであるおふくろさん弁当は、よく見掛ける小さい会社だけど、そこで聞いた言葉は本当に慣れない言葉でした。

パートも含めて50人ほどが働いて一日千個ぐらいの弁当が売れます。しかし会社の目標は売り上げ目標とか拡大じゃなくて、働く人一人一人が自由な暮らしができて、人生の目的を考えながらも働けることだそうです!

会社のルールや規定があるのではなく、みんなで落ち着いて話し合うことが規定と言えば規定なので、やらないとダメとか、従うことがないと言います。なんて型破りなんでしょう? 何がこんなことを可能にするのでしょう? 働く人の成長を助ける会社でありながら、生産力が劣ってないことができるなら、それは革命なことじゃないですか?

☆コミュニティ食堂 中井さんの家で印象に残ったこと~
アズワンコミュニティの食堂は普通の家庭の家です。
こんな感じの家が名前は違うけど三つあります。「コミュニティハウス江口」、「あっとほーむ本山(照子さんの家)」、「コミュニティ食堂ファミーユ鈴鹿(中井さんの家)」です。

二日目の昼は中井さんの所で食事をしました。コミュニティ食堂はコミュニティの人達に自宅を開放して、いろんな集まりができる縁側みたいな所です。地域の保健所からも食事と集会のために人が訪ねて来たり、若い人達のお酒を呑む会もやると言います。
訪問団は毎昼こういうコミュニティハウスを訪ねて食事をしました。心のこもった食べ物と気楽な雰囲気に、心までもほほえましくなって満足しました。

三日目の昼には、食事をした後、家のあちこちで昼寝までしました。こういう家族のような食堂が好きで、近所に住みたくて近くに引っ越してきた若い人もいます。
特に家の主人達の表情が印象に残ります。コミュニティの人だけじゃなく、地域の人にも家を開放して受け入れられる心の裕福さはどこから来るのでしょう? こんなことがどうしてできるのでしょう。

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*コミュニティハウス江口で、家の使われ方に対する説明をしながら。

☆アズワカンパニーとコミュニティ通貨RINKA
アズワンカンパニーは自分の持ち味を生かし、ていろんな分野で企業をやります。おふくろさん弁当もその中の一つです。こういう企業がどうやって可能なんでしょう?
コミュニティ通貨RINKAも同様です。コミュニティ通貨に対するベースとなる知識はちょっとあったけど、アズワンコミュニティのコミュニティ通貨はたいしたものでした。
普通の場合、地域通貨と既存の通貨とある程度の比率で取引をすることに比べて、ここでは農産物やSCSの多様なプログラムの場合、全額をコミュニティ通貨で取引できます。その流通量の大きさも相当なものです。 

現実社会では仕事を通して自分を成長させるということはほぼ不可能に近いです。そういう意味でアズワンカンパニーとコミュニティ通貨は、物質中心の社会が、本当は私達が望む社会ではないということを確実に見せ付けています。68.jpg 
なじみのない現実なので、もっと詳しく知りたいと思いました。

☆サイエンズスクールで印象に残ったこと
サイエンズスクールでは、直接的に印象に残ったというより、人々がみんなスクールの役割に対して思いを持っているということが肝心なところでした。まるでコミュニティの人々の生涯学習センター(自分と社会を科学する)のように、スクールを通して成長していく人とコミュニティを感じることができました。 
案内をする70歳に近い宮地さんもスクールの事務局での仕事もあるけど、「コースを通して自分を知っていくことが楽しい」と言いながら微笑んでました。

☆懇談会で印象に残ったこと
一日の終りは懇談会をやりました。一日を過ごして思ったことや心に残ったことを話し合う場です。
二日を過ごして思ったことは、訪問団が訪問する所毎に、ひとりひとりがその場の説明をして、質問を受けて、本当にコミュニティの構成員達が一緒につくってるという感じでした。行く所全部、私達の訪問を歓待し、また真心を尽くして答えをしてくれて、お互いは真心に繋がっていることを感じられました。
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続く・・・(学ぶことの楽しみを満喫する②
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