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これこそ本当の豊かさだなぁ

8月4日~5日の『普段着で探訪DAY』に参加された名古屋のIさんから、『普段着で探訪DAY』の感想レポートが届きました。
Iさんは、大学卒業後、映像業を経て、国際協力の仕事に携わり、今はファシリテーションの勉強もしているそうです。
そういうIさんの目に、アズワンコミュニティはどのように映ったのでしょう?

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この土日に、鈴鹿にあるアズワンコミュニティを訪ねた。

ここはユニークで、人も場所も、どこからどこまでがコミュニティなのかよくわからない(いたって普通の町の中で普通の暮らしをして、コミュニティメンバーなる定義も登録もない)。
食糧やエネルギーを自給自足しているわけでもない(試み始めてはいるが)。
集まってみんなで何かを決めるわけでもない。そういうのを期待して行くと拍子抜けする(私もちょっとしたw)。

では何が「コミュニティ」なのかというと、人と人の与え合うつながりがしっかりあること。
それも、「やりたい人がやりたいことをやる。やりたくないことはやらない」と、全てが自発性に基づいて、各人の自由を尊重し合いながら、それでいて気軽に助け合い、協同する関係を作っている。
「一人で考えなくていい」とメンバーの一人が語ったが、一人一人の持つ能力や資源が、つながることで、いつでも誰でも利用できる大きな資源になるってのはとても豊かで、これこそ本当の豊かさだなぁと思った。
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そして、ここの最大の特長は、そういう関係を築くのに、一人一人が「自分を観る」ことを最も大事にしていること。
理念や意志の力で理想を実現しようとするのではなく、例えばある人を嫌いだと思った時、そういう感情がどのようにして起きるのか、自分の中に何があるのかを、評価するのではなく客観的に観察する(アズワンの言葉で「調べる」)。
それによって気づきを得て、頭ではなく、心から自他を尊重できるようになっている様子。

結局、世の争いは、大小問わず、自分の意見や考えを正しいと信じ込み、それを他者に押し付けようとすることから起きる。
理想的なコミュニティを夢見て集まった同士の中でも、時間が経てば意見の違いから争いが起きたりする(実際そういう人たちが学びにアズワンを訪れるそう)。
だから、根本的には、一人一人の「物の見方」が、そこにきちんと焦点を当てることが最も大事。
アズワンはそれを科学的態度で探究しようしてて、宗教臭さや変に反省を迫るような雰囲気もなく、全て探究しながら実験していくという姿勢。

私は自分が組織を辞めてつくづく思うのだけど、人間にとって「自由」というものはなにものにも代え難い最高の価値だと思う(自由の本当の意味は、資本主義社会の中で歪められ、貶められている)。
だから、どんなに環境に調和した社会や共同体でも、自給自足しても、一人一人の自由、自発性が尊重されていなければ、そういう社会や組織は理想的ではないと思う。
逆説的だが、人間は自分の自由や自発性が本当に尊重されていると感じたとき、自発的に他者に貢献しようと思うはず。
アズワンは、言わばそれを実証しようとしていて、とても面白いと思った。
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