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林悦子さんのコミュニティ滞在インタビュー

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「アズワンコミュニティの人たちって何でこんなに力が入ってなくて、決めゴトもなく、それぞれがやりたいことをやってて、それでいてお互いに支え合う気風もあるし、その元に何があるんだろう?」

エコビレッジの活動家である林悦子さんは、昨年12月22日から今年1月9日まで、アズワンコミュニティに長期滞在し、サイエンズスクールの合宿に参加したり、コミュニティの各家を訪問したりして年末年始を過ごしました。
上記がその感想です。“その元”を合宿の中でも探り、今回はとても腑に落ちるものがあったそうです。コミュニティの体験をいろいろと聞いてみました。

わが家のように勝手に過ごす年越し

 大晦日の日、中井さん宅で紅白を見ながら年越し蕎麦を食べようって、誘われて(片山)弘子さんと行きました。みんなパラパラやってきて、お蕎麦食べて、自分の家みたいにくつろいでて、マッサージ機を使い始める人とか、話ししたり、… 帰るのもそれぞれ好きな時にパラパラと帰っていって、特にお礼とかも言わないで、じゃあまた、みたいな感じで、なんか力入ってないなーって思った。
それで、私が「紅白見ないんですか?」って言うと、中井さんが「じゃぁ見ようか」ってテレビを点けてくれて、私と弘子さんが見はじめて、そしたら、中井さんの奥さんがこたつに入って来て、そのうち寝始めて、中井さんもマッサージ機にかかったまま寝ちゃって、私と弘子さんは紅白見ながら話してて、結局最後までずっと見ていました。そこの家の主が寝てて、こっちは勝手にテレビ見てて、なんかそれが面白くって、自分ちに来たみたいにくつろいでいられました。
後で、他の人に聞いてみると、「中井さんたちも自分の家って思ってないんじゃないの」って言ってたから、へーっそういう感覚なんだって思いました。

お正月明けは、宮地さん宅にご飯食べに行こうとなって、「ご飯食べに行っていいですか?」って聞くと「どうぞ」って。「じゃあ、鍋の材料だけ食べたいもの持って来て」って言われて行きました。そこでも家族みたいに過ごせて、本当に面白かった。家族のような繋がりを感じたっていうか… 。

物が人から人のつながりから流れていく

日曜日の夜は、小野さんに誘われて「サンデー屋台」に行ってきました。そこでも、セミナーで一緒だった、かやちゃんとか、いつみちゃんもいて、合宿後もSCSで毎日会ってたりしてて、そこでも、「合宿の続きみたいね」とか言って楽しかったです。かやちゃんが、今度この近くに引っ越してきたいから家具がほしいとかいったら、他の人が「コンロがあるからそれあげる」とか言ったり。韓国から来ている人がいて、「コタツがほしい」とか言うと、Kさんが「家に2つあるから1つ持ってっていいよ」という話になったり、そういう場で、ほしい物があれば声を出したらすぐに集まるみたいな感じがあって、そのやりとりが面白いよね~。

みえさんが、「今度カフェをオープンするんで、その試食して下さい」って、サンドイッチなどお昼ご飯をご馳走になったりもしました。
暮れの餅つきのあった日、私たちはミーティングしてて、その場所まで食べに行けなくって、「お昼お餅食べに行けないね。でもお餅食べたいね」とか言ってたら、何も言わないのに、お餅を持って来てくれた。そのやりとりが自然な感じで、したい人がやってて、無理がなく、それが面白いなーって。
セミナーとか合宿とか一緒に参加して、遠慮や気兼ねが無くなっていくのが加速されているように感じました。

自分の日々の生活の中で、人と人とのつながりが、自分の安心感や心の平穏に現われてくる感じがしました。いくら社会活動とか社会変革とか言っても、それは遠い所にあるのではなく、身近な人と人との暮らしの中に保たれているのを実感しました。

この空気はどこから出てる?

――このコミュニティで受ける、この空気というか、雰囲気って何でしょうかね?

一日探訪デーで、訪問者のみなさんとの懇談会に一緒に参加させてもらって、感想を聞いてみて、初めてここを訪ねた人でも、その空気をすごく感じ取っていることを目の当たりにしました。ここには見学する施設とか建物とかありますが、話し合いの時間が長くあって、そういう中で、来た人が、「ここには安心出来る何かがある」と言うのを聞いて、コミュニティの人たちの醸し出す、安心感の漂う自由なエネルギーが以前よりも満ちて来てるような気もしました。今の社会の中で縛られたり抑圧されて生きてて、それが、ここの人たちの作り出す空気を感じとって、響くものがあって、それが大きいんだな、と思いました。訪問した人たちが自分の場所で、こういうのをやりたいって話もしてました。目に見えるものじゃないんで、なんでしょうね。

(コミュニティハウス江口)公子さんから新年会にお呼ばれしたときに、公子さんもここに来て10年になり、ここ1、2年でも自分が変わってきているって聞きました。常に変化してる。一人ひとり変化があって、それが合わさって、相乗効果で、こういう場が出来て来てるんだなと思います。

安心して自由自在に暮らせる世界に

アズワンアの社会づくりって、どこまで制約や制限なしで、どこまで繋がり保ち合いながら、自分たちの暮らしをやっていけるか、日々の暮らしの中で実践する実験の場で、究極的なことを試みているんだな、と思いました。
人類って戦争の繰り返しで、何か活動しても結局何も変わらない。それは、根本的なところをやっていないからだと思います。自分の体験からも実感してます。時間はかかるけど、根本から変えていかないとと思います。

今回滞在して、人から出されるエネルギーや空気って、お互いに敏感に感じ取るものがあって、それだけ日々の人の心的状況(意識、無意識も含めて)によってお互い影響し合う力の大きさも実感しました。地域やコミュニテイという枠や形にとらわれず、こういうエネルギーがどんどん、いろいろな場所に伝播していって、一人ひとりが安心して自由自在に暮らせる世界になっていってほしいと思いました。(談)

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コミュニティの人たちどうしが家族的で親しくしているのは分かりますが、東京から来た悦子さんにとっても、そんな間柄に溶け込めてしまうのは、ちょっと不思議なことかもしれません。(聞き手・いわた)
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