<< イムさんのコミュニティ滞在記 その3 | main | イムさんのコミュニティ滞在記 その5 >>

イムさんのコミュニティ滞在記 その4

イムさんの滞在記、今回は、コミュニティの暮らしから紹介したいと思います。

cafeサンスーシ前で
     (cafeサンスーシ前で)

以下、イムさんのfacebookから抜粋し、翻訳・編集しました。
-------------------------------------------------------------
Do you want?
8月18日、アズワンコミュニティで生活して13日目になる日だ。

こちらにいると、『あなたはどうしたい?』ということを、最も多く耳にする。
こちらの人々は、自分の考えを言った後、
私に、「どう思うか?」と、「それを望むか?」と必ず尋ねる。
そして、常に自分の考えであることを前提に話す。

ベルトコンベア①ベルトコンベア②

昨日朝、弁当店で弁当におかずを入れる仕事をしたが、
10時30分位になるとほとんど仕事が終わったように見えた。

1人が私のところへ来て、「仕事をもっとしたいか?」と尋ねた。
その時、私は何の返事もできなかった。
私が、今、仕事をもっとしたかったのか、したくなかったのか、
その時の私の気持ちが分からなかったんだよ。

おふくろさん弁当夏祭りにて
      (おふくろさん弁当夏祭りにて)


暮らしていて、私が今、何を望んでいるのか、何をしたいのかを
その都度その都度、考えてみたことがなかったためであろうか?
特定の時間を作って思い返すよりは、
その時その時で、私が今したいことが何なのかを調べなければならない。


【あなたは本当に幸せな人】

ヒジン送り出し会にて
_
8月8日の夕方、こちらで約3ヶ月間生活した20才の韓国の若者が、
明日旅立つので、彼女を送るための集いがあった。
(参考;「恋しい鈴鹿の暮らし ヒジンちゃん3か月の滞在感想」

送り出し会はこういう感じだ。
送り出し会があることを、みなに知らせる。
来ても来なくても本人次第だ。
今日は各自持ち寄りで、お茶をする感じだ。

今日は、およそ30人余りが集まったようだ。
送り出し会の前は、その若者のための食事会があった。

ヒジン送り出し会


その場に参加して、その若者の話を聞きながら、ハッキリと、
アズワンコミュニティが持つ意義と私たちの社会の断面を見ることができた。

私が日本語できなくても、家族のように部屋を用意し、
共にご飯食べることができて...

このコミュニティではこういうことが平凡だが、私には平凡でありません。
多くの世の中はそうではありません。


こちらでは、来訪者があればここに暮らす人の家で泊まれるように考え、
いろんな家から、「ご飯を一緒に食べに来ないか」と声がかかる。
それが彼女の胸に響いたようだ。

送り出し会

目指すところが同じようなものだけで、
コミュニティが結束することができるならばいいのだろうが、
実際はそうではない。
近くに住んでいる家に出入りしながら、
ご飯も一緒に食べて、酒も一緒に分け合って飲めるかが、
別の見方をすれば、より一層重要なことでもある。

「ご飯を一度食べよう」という、
ある広告のキャッチフレーズを突然思い出したが、
こんなにいい言葉はないだろう。
そういえばこのコミュニティでは、
外に出て行って何かを食べることよりは(時々は食べるだろうが)、
コミュニティハウスに集まって話しながらご飯を食べる方が楽しいようだ。

ヒジン&ソリ

彼女は、
韓国の職場では、率直に自分の気持ちを言うのは難しかった。
でもここでは、「これが欲しい」とか、「こうしたい」という発言をよく聞き、
初めは難しかったが、最近は、自分の気持ちを率直に話すことができるようになりました。

また、自分がどういう人なのか評価される前に、
私の出来ることが用意されていて、
鈴鹿の一員になって暮らしているようで良かったです。
など、感想を言っていた。

この春、高等学校を卒業し、大学へ行かなかった若者に対し、
私たちの社会では多くの基準を要求し、遠回しに絶えず評価しただろう。
それがこの若者には大きな負担になったようで…
また、大学へ行かなかった友人と疎遠になったことも、
またもう一つ、負担だったが、
アズワンコミュニティは、そのままの人格を丸ごと受け入れたので、、
彼女は、その温みを感じたのだろう。

やさしい社会

私たちの社会もそうなったら良いだろう。
その人がどんな人でも、一人の人格を丸ごと尊重して、
評価せずに、そのまま暖かく包み込んだら…
そして・・・、
率直に自分の気持ちを言っても、問題にならない社会になったら良いだろう。

話を聞いていて、終始、
20才の年齢でこのような経験をすることができるということだけでも、
『あなたは本当に幸せな人』という思いが頭から離れなかった。
- | trackbacks (0)

Trackbacks