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「ギフトエコノミーの世界へ」

アズワンコミュニティを2度訪れたことがあり、コミュニティのメンバーとも親しく交流している熊倉敬聡さん(京都造形芸術大学教授、Impact Hub Kyoto世話役)の新著 『瞑想とギフトエコノミー』に、「世界でも類まれなコミュニティづくりの試み」として、アズワンコミュニティ が紹介されています。
この本は、資本主義を乗り越える新しい経済・社会の在り方としての「ギフトエコノミー」とそれを根付かせる精神性について、熊倉さんのこれまでの研究や実践、瞑想の体験、国内外の哲学者や思想家たちの論考、Art of Living、そして Impact Hub Kyotoでの実践にいたるまでが記されています。
経済、文学、芸術、社会、精神、社会変革と、一見バラバラに観える分野の話が、一つひとつの論を積み重ねる中で統合されて、次の社会への道筋が提示されています。これらの諸分野を、自らの体験も含めて研究・実践してきた熊倉さんならではの論考だと思います。

これからの展開として、アズワンコミュニティと共に研究し、学び、協働する可能性にも言及しています。




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私が、そしておそらくはImpact Hub Kyotoが、これから共に活動し、互いのArt of Livingをより豊かにより深めあっていきたいと考えているコミュニティがあ ります。「アズワンコミュニティ鈴鹿」です。しかし、実は、それは「コミュニ ティ」とも言えないようなコミュニティです。なぜなら、アズワンは、もちろん どこか別天地に築かれているのでも、また既存の地域に囲い込まれた敷地を占有 するのでもなく、それは、鈴鹿という現実の都市空間・生活に、散らばり、紛れ、溶け込みながら活動し生活するコミュニティなきコミュニティだからです。 メンバーに訊いても、いったいどこまでがアズワンコミュニティで、誰までがメ ンバーなのかわからないという、いたって外縁がぼやけたコミュニティなのです。



私は寡聞にして、世界でこのようなコミュニティの存在を他に知りません。私は、彼らの実験・実践に、“もう一つの”社会、“もう一つの”文明の、小さいなが らも具体的な萌芽を感じるのです。そのアズワンで今、まさにギフトエコノミー が開始されようとしています。


アズワンコミュニティで実践している贈り合いの経済の試み
「贈り合いの世界へ」「本当にやりたいことを・・・!」「そのまま持っていくお店」)や、それを支える精神性 などに共感され、これからの協働の可能性を感じてもらっているようです。

なぜ、このようなことが可能なのでしょう。それは、私が話を聞いた幾人かのメ ンバーによれば、その基礎に、贈り合いの気持ちが自然に生まれてくるような人間関係があるからだと言います。互いにエゴに囲い込まない、互いの経済状態す らも聞き合うような関係性が、すでに築かれているからだと言います。なぜ、そのような関係性が可能なのでしょう。それがまさに、先の研究所やスクールが研究し実践している、自分の、互いの人間性を深く知る・知り合う内観や対話が、 常にメンバー間で為されているからなのです。すなわち、自らの、そしてメン バーたちの「精神性」の探究と共有こそが、贈り合い、ギフトエコノミーの源泉 なのです。
彼らは、この贈り合い、ギフトエコノミーを、現在のファーム/おふくろさん弁 当/コミュニティライフストアだけでなく、コミュニティ全体の経済にまで行き 渡らせたいと考えています。
内観や対話といった、手法は違えど、あるいは違うからこそ、私もまた、そして おそらくはImpact Hub Kyotoもまた、瞑想による精神の探究をもって、彼らの研究と学びと協働しつつ、さらに豊かなギフトエコノミーの実験・実践、Art of Livingの実験・実践をしていきたいと考えています。

*全文をサイエンズ研究所facebookに掲載しています。

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3月2日にはImpact Hub Kyotoの集まりに、アズワンコミュニティのメンバーも招待してもらい、交流の機会が持たれる予定です。
具体的に、交流・研究しながら、京都と鈴鹿の地でのギフトエコノミーの実験・ 実践の連動が始動していきそうです。
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