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恵共同体、アズワン物語〈4〉「一つのチームになるには」



「職場や部門間にある壁がなくなり、一つのチームになるには…」

鈴鹿コミュニティの中にも、職場や部門がいろいろあり、普段は各自それぞれの場で仕事や活動をしている。どこか忙しい職場があれば、応援に駆けつけたり、急がれることがあれば、その時やれる人がやったり、融通しながら臨機応変に対応し、互いに周り合う関係性がある。

ただ、いつでもそうかと言えば、そうでないこともあるし、担当が明確ではない仕事になると、誰がやるんだろう?という狭間が出来たりする。
そのため、ということではないが、今年に入ってくらいから、職場や部門がもっと「一つ」であることを「サイエンズメソッド」によるミーティングを重ねる中で明らかになり、それによって各自の意識に大きな変化が出てきた。意識の変化というよりも、心の内面の変化だろうと思う。

自慢話しかもしれないが、いろんな面でコミュニティが成長しているように感じている。そういった内部成長が、職場や部門の壁をなくし、一つのチームのように動くことが出来たのが今回の受け入れだった。

恵共同体81人の企画が、スムーズに、ギクシャクすることなくやれたのは、上記の成果ではなかったかと思う。やったことのない規模にも関わらず大きな安心があったし、一つのチームになれたこと、やれたことが、何よりも大きかった。

恵共同体の彼らの感想に、「ここに来てとても居心地がよかった」「安心していられた」という言葉があった。ちょっと驚きだった。というのも、滞在中は、鈴鹿のメンバーが接した人数よりも彼らの人数の方がよっぽど多かったのに、鈴鹿の空気に浸ってくれたのだ。一体何が伝わっていたのだろうか。

私達は、地球という星に生まれ、自然と共に生き、社会という人の営みの中で暮らしている。本来は、みな一つの営みの中に存在しているのだろうが、人の意識の方は、個々別々のものとして認識し、世界が一つであることや全体の一部であるという意識の方はあまりないだろうと思う。

意識がバラバラであっても、本来はそういう「一つの世界」の中にいる私達。心の方(無意識の方)は、たぶん、その世界に生きているのだろう。つづく…(文・いわた)
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