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「環境先進国ドイツに学ぶ持続可能な社会のヒント」

10月27日に東京学芸大学で開催された公開環境講座の様子を片山弘子さんのレポートより紹介します。


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環境学習センター(樋口利彦教授)は、学芸大学の緑豊かな敷地の一部を、市民と共に農の体験が出来るよう開放している。



窓の外にその風景を眺めながら、ドイツ各地で刻々進む、市民から始まる持続可能な社会づくりの事例をエクハルトハーン博士。トランジションタウン活動を梶間陽一さんに。アズワンのオープンスタイルのコミュニティづくりの事例を小野雅司さんから紹介してもらった。



会場いっぱいに集まった学生や市民、大学関係者を代表して、小森伸一先生から「3人の実践的な発表をきいて、自分たちにもやれる事がまだまだたくさんあると大いに勇気づけられた。」と感想をいただいた。



トランジション活動、コミュニティづくり、エコビレッジネットワーク、大学、市民と、それぞれの持ち味を生かし合いながら協力していくことで、大きな力が生まれていくという、静かだが、確かな手応えのある集まりとなった。



何より学生の皆さんが、これからの社会をどう生きるか、どんな人と人のつながりがありうるのか、論や考えではなく、持続可能な社会像と人間像、これまでの幸福を思わず見直したくなる、豊かで楽しいイメージとして感じ取ってもらえたことが嬉しかった。



ハーン先生とは2004年に、ある大学の基調講演で出会って以来、ドイツのボトムアップの活力ある市民の様子を日本に紹介しながらそんな流れが日本にも生まれたらいいなあという願いでほぼ毎年のようにお招きしてきたが、今年の日本ツアー最後を締めくくる先生の講演で、新しい局面が展開する兆しを、こんなにたくさんの人たちと一緒に見ることが出来たこと、これも本当に嬉しいことだった。



ハーン博士の日本滞在
14日来日 鈴鹿の小さな温泉、天名の湯がお気に入り、ゆっくり入って一休み
15日アズワンコミュニティ探訪 今年の進展を。
16日京都市桂離宮を訪れる。
17日京都市呉竹会館にて 内藤正明先生、エクハルトハーン先生、アズワンコミュニティの小野の発表。
18日鈴鹿市アズワンコミュニティで、内藤正明先生、エクハルトハーン先生、小野雅司さん講演会。
19日法政大学で専門家向け講演会
21日神戸大学で講演会
23日鳥取環境大学で講演会
24-25日 大山登山
27日東京学芸大学で講演会
28日京都市で涵養
29日鈴鹿市アズワンでパッキングDay
30日帰国
大山登山中に、右手を傷めるも、驚くべき回復力で医者を驚かせつつ、包帯を巻いて帰国することになった。冒険好きのハーン先生面目躍如。

このたびのツアーが成り立つよう、ご協力していただいた皆様、本当にありがとうございました。

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また、トランジション・タウン小金井ニュースから、梶間陽一さんのレポートを転載させていただきます。

東京学芸大学2015年度 環境教育セミナー報告
――環境先進国ドイツに学ぶ持続可能な社会のヒント
主催:東京学芸大学 環境教育研究センター
ハーン博士のプレゼンは、ドイツの市民意識の高さとそれを受け入れる行政・政治の民主主義の根幹の意識変革を実感させられた。例えばある地域を再開発する場合、地域住民がその地域をどうしたいか、どう暮らしたいか、交通手段はどうしたいか、などを徹底的に話し合い、その結果の街作りプランを行政にプレゼンし、そのコンセプトが最も優れたプランに、土地を提供し、開発するという民意主導の再開発をしています。

またアズワン・コミュニティの小野氏は、持続可能なコミュニティは、持続可能な人間関係から、という論旨の発表をされた。アズワンには「本来の人間とは?本来の社会とは?」を研究テーマとしたサイエンズという研究所があり、そこからの智慧とノウハウを活かした取り組みが、アズワン・コミュニティの家族の様な人間関係の基盤を形成しているそうです。

トランジションは、一言で言い表すと、「地域自給を目指す提案・実践活動」です。それを様々な人々や別の団体とも(TT)楽しくつながって、行う活動でもあります。楽しく行うことが、人間関係を保ち、絆を深め、継続性を高めてくれるのでしょう。

素晴らしいセミナーを企画していただいた東京学芸大学 環境教育研究センターの諸先生に心より感謝申し上げます。
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