フィリピンのサラさん(GEN)~「内面の探究が現れる」(前篇)


(写真中央がサラさん、左がGEN-JAPAN代表の片山さん、右がアカデミー生のヨッシー)

6月3日、フィリピンからサラ(Sarah)さん(Green Releaf 代表、グローバルエコビレッジネットワーク国際事務局)が、アズワン鈴鹿を訪れスタディツアーに参加しました。

サラさんは、人災や自然災害による緊急時のための国際ネットワークづくり「EmerGENcies」を立ち上げ、各国のコミュニティ単位で復興のための教育事業を行っています。
2015年から17年にあった国連のCOP21~COP22(気候変動枠組み条約締結国会議)では、世界が大きな一歩を踏み出したパリ協定のワーキンググループのコーディネーターを務め、世界を舞台に活躍する活動家でもあります。

今回鈴鹿を訪れたのは、グローバル・エコビレッジ・ネットワークの国際的つながりで、GEN・JAPAN(代表・片山弘子)の拠点であるということと、災害時の備えについての見学も希望していました。スタディツアーでは、サイエンズアカデミー生が通訳とホスト役となりコミュニティを案内し、双方に交流をはかりました。

一泊して触れたアズワンの感想を語ってくれました。アカデミー生のヨッシーこと吉岡さんとの対話です。




◆AsOne is universal.(「アズワンは普遍的だ」-Sarahの感想から)

 ヨッシー 一日ほどこの鈴鹿コミュニティでいろんな人と触れたり見て回ったりする中で、サラさんが印象に残ったことなど聞かせてください。

内面への働きが機能する


 サラさん 私たちの仕事は人々を次の世界への移行へ向けて啓発していくことです。しかし、世界でなされている多くの取り組みは外面的なものに留まっています。多くの人が太陽光エネルギーや森林再生などに力を注いでいますが、本来の変化や変容の核となる人の内面に対してはなかなか焦点が当たりません。

 私がこの鈴鹿コミュニティで体験したのは、内面への深い探究が広い範囲に大きな力を持って影響しているということでした。ファームやお弁当屋さん、コミュニティハブなどは深い本当の自己探究から運営されていましたね。内面からの働きこそが、本当に機能するし、それこそが本来の働きだという、端的で豊かな学びを得られたように思います。

 私は災害への準備や話し合いの場を持てればと思ってここを訪れましたが、鈴鹿コミュニティではすでにいろいろなものが用意されていました。ここではいざというときのための場所やものが用意されていたり、なによりもここには安心して様々なものを共有できる土台がありますね。それも恐れから何かを準備している訳でもなく、安心した状態から自然とそれが出来ている感じがしますね。こういった取り組みは、これからの世界中のコミュニティ作りの取り組みにとってとても参考になるものだと思います。

自分の活動の目的を思い出す契機に

 今回のスタディーツアーは自分の活動の目的を思い出すきっかけになりました。内面の重要性も改めて思い出す時間となりました。本当に強く大切なものを思い出させてくれる契機になりました。
 きちんと時間を取って来れなかったのが残念で、申し訳なく感じます。

 スタディーツアーはとても良くスケジュールが組まれていて、それを私も十分な時間を取って、集中して受けたかったです。
 ヨッシー 事前の情報ではサラさんは緊急時の備えについて力を注いでやっているのだなというぐらいの理解でした。それがこれだけ内面のことに関心があって、内面が重要だとしてエネルギーをかけてやっていこうとしていることには驚きました。

 社会問題を解決していこうという流れの多くはソーラーパネルを作ってエネルギーを作ろうとしたり、物質的な事柄でやろうとすることが多いと思いますが、内面のことへの取り組みも同時にとても重要ですね。サラさんの話を聞きながら自分もすごく共感しました。

精神性の深いつながりが成功の核

 サラさん 今は私たちがしてきた会話をこれからどう深めていけるかを考えています。最近、GENオセアニアアジアの代表であるトゥルーリとエコビレッジやコミュニティ運営におけるアジア的な方法とは何かを話しました。その核となるのは精神性や内面の働きの強さではないかというものでした。

 いくつかのエコヴィレッジは文化、社会活動、経済など様々な分野に取り組んでいますが、依然としてそこには心や精神性と深いつながりがあります。それこそがこれからの社会やコミュニティが成功するための核となっていくでしょうね。

 基本的にEDE(EcoVillage Design Educationの略)などエコビレッジ活動は主に西洋から始まっています。同時に、アジアではまだそこまで多くの物語や声はありません。そこで私たちはアジアが何に長けているのかという点について考えています。

 アジアでも、プラチャーさんが取り組んでいるような仏教的なあり方に根ざしたコミュニティや、シュリーオーロビンドの思想によるオーロビル(インド)、サイエンズによる自己探究に根ざしたアズワンコミュニティなど、多くの新たな社会への試みがなされています。

 時にこれらのコミュニティの試みのいくつかはスピリチュアル(宗教的)になりすぎ、逆に人を遠ざけるような結果にもなっています。その点で、鈴鹿コミュニティは普遍性があり開かれたコミュニティだと感じました。まだ私はサイエンズスクールのコースにも行っていませんし、まだ何も分かってもいませんが、私の理解の限りでは、ここでの自己探究は本当に本心へ近づこうとしているものだと感じました。



本当に大切なこと

 また、私の現状としては、資金集めや仕事の期限に追われたり、仕事をなんとか終わらせようとして、内面へ十分に向き合う時間が持てずにいました。私が所属する組織でも多くの人が新しい世界の物語を創り出そうと意欲を持って目の前に与えられた天職に応えようとしていますが、多くの仕事を抱えるあまり燃え尽きてしまったり、寝れなかったり、頭が上手く働かなくなって、チームの中でも争いが起きてしまうということもありました。

 このような出来事から、私は内面に向き合うための十分な時間と余裕が彼らには必要なのだと感じました。内面へ深く向き合えば、なぜ彼らがそこにいるのか、どのような関係性の中にいるのか、などを改めて思い出せるのではないでしょうか。そのような状況の中で、この鈴鹿コミュニティを訪れ、本当に大切なことを改めて思い起こすきっかけを持てて、本当に幸せです。

こんな感想を残してくれました。
翻訳は、通訳を担当した根津さん(アカデミー生)によるものです。
彼の感想も次回で紹介します。つづく
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