孤独を克服出来るのか?「そもそも談義」でアズワンの挑戦を語る。


人類が今直面している「精神的飢餓」を克服出来るか?
アズワンの挑戦とは!

文と写真 岩田 隆

 

「そもそも談義」という企画に参加した。
12月1日、場所は京都御所近く。主催は「信頼資本財団」というちょっとユニークな財団だ。その設立者で代表の熊野英介さんの発案で、「そもそもアズワンネットワークとは?」という企画が立ち上がった。


信頼資本財団代表の熊野英介さん
(アミタホールディングス株式会社 代表取締役、
一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク副代表理事)



講座の前の打ち合わせで。サイエンズ研究所の坂井さん、サイエンズアカデミー生の岡田拓樹くんと。

「人間はやっぱり信頼できる」

打ち合わせのときの熊野さんの話では―― リーマンショック後、金融資本に代わる資本として「信頼が資本になる」という「信頼資本」を考え、人と人のつながりや人と社会のつながり、人と自然とのつながりをつくる人たちを支援する「信頼資本財団」を設立し、無利子・無担保・無保証でお金を貸す事業をはじめたという。
当初、友達には反対された。「そんな看板あげたら狙いにくるよ」「世の中そんなに甘くないよ」と。
今の社会は、資本主義が誤作動を起こして、おかしくなっている。その点は友達も賛成だったが、熊野さんのような考えには反対したそうだ。
しかし、熊野さん、この事業に「1億円注ぎ込んで、騙されたら、本を書く。やっぱり人間、信頼できないって。その印税で稼ぐから」と言ったそうだ。その友だちも笑ってたとか。
これまで10年間で、44団体にお金を貸しているそうだが、全員焦げ付きなし。持ち逃げもないという。
「人間はやっぱり信頼できるんだって思う」と、熊野さんは言う。
「今回は、そういうあたりをアズワンのことで話してほしい」という旨だった。登壇者は坂井和貴さん(サイエンズ研究所)。



坂井さんのアズワンの概要、目的と成立ちなどのプレゼンを進めながら、ところどころで、熊野さんの突っ込んだ質疑が入った。その受け答えが面白く、議論が深まった。

後半では、熊野さんからの提案で、参加者同士でテーマを深めた。
「未熟な人類は、生存確率を上げるために、仲間をつくり、社会的進化を遂げた。ネアンデルタール人よりも個体能力は劣っていたが協働することによって生き残ってきた。今、問われるのは、衣食住足りて、幸せになっているわれわれが、精神的な飢餓、つまり孤独が蔓延っている。それを社会的進化で克服できるのかどうか。人類史の中で我々に突き付けられたテーマだと思う。そこを考えてもらいたい」
そんな問い掛けがされた。折しも、時代の予兆として、イギリスでは今年「孤独担当大臣」が新設されという。「孤独」の国家損失は年間4.9兆円だとか。この精神的な飢餓、「孤独」を人類は克服できるか、というテーマだった。



しばらくグループに分かれて議論し、発表へ。

Aさん「赤ちゃんの話ではないが、人は元々ピュアで、純粋な存在だから、出来るんじゃないか。人には、善も悪もない。ぼくらが気づいていけば、次の世代はもっとピュアになっていく、純化されていくと思う」
Bさん「昔は、よく怒ってた人が、今では、サイエンズを学んで、怒らなくなったそうだ。人間は変わってくるという中では、学べば出来る。気づけば出来る。ただ若い人の間では、まだ社会の中で問題にぶちあがってないから実感がないという意見もある」
Cさん「自分が本当はどうしたいのか、それさえもなかなか分からない。だから、人のことも分からない。ただ、本心に焦点が当たっていけば、ピュアになっていくと思う」

会場にいた人たちからは、ほぼ、孤独を克服できる、という意見だった。

ピュアな心を育む社会を作って実証を

そんな意見を受けて、アズワンの挑戦について坂井さんが母親の子宮を例に話した。
「赤ちゃんは、一個の受精卵から子宮の中で育ち、赤ちゃんとして生まれてくる。子宮の中で、正常に育っていく。だったら生まれて来た人間も、社会という子宮に代わるものがあったら、人間らしい人になっていくはず。そういう人間にとっての子宮をつくれたら。こういう環境の中にいたら、こういう人に育ちますよ、という。国や土地によって子宮の形は違うかもしれないが、社会の要素さえそろえたら、こんな人になっていくよ、そういう実績や実証をしているのかな」

最後に熊野さんの締めの言葉。
「私自身は、哲学が20世紀で止まってしまったと思っている。今日テーマになったことを考える哲学がこれから必要だと思っています。そういう意味でアズワンという集合知ですね、多くの人たちがよりよい社会を望んでいるベクトルの中で、日々哲学をされているというアズワンの挑戦が21世紀の哲学を生むかもわかりません。人類のために頑張って頂きたい」


社会からの統制や圧力から、一人ひとりがどう自由になっていけるのか、その中で、人にあるやさしさやピュアな心を、どう育み、自発的に伸ばしていけるのか、といったテーマが終始あるようだった。
「そもそも談義」の狙いは、そもそも、幸せとは何か、人間とは、社会とは、その本質を探究しよう、本当の価値について話をしよう、というもの。
まだまだ議論し尽くせるものではないが、こうしたテーマをもっともっと談義したいものだ。
深まり行く秋の京都は、人類の未来を考えるにふさわしい場所だな、と思った。


会場となった場所は、京都御所の通りを路地に入ったところにある「風伝館」(https://fudenkan.jp/)町屋を改装した古風で粋な建物だった。アミタホールディングスのミュージアムにもなっている。「信頼資本財団」の本部でもある。

◆信頼資本財団について、詳しくはこちらのHPへ
>>>https://www.shinrai.or.jp/index.html

◆「そもそも人間とは?」を考えてみませんか?
アズワン鈴鹿ツアー

詳しくは>>>http://as-one.main.jp/HP/tour.html
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