高齢者の居場所と子供食堂から探る「居場所の力とは?」(後半) 



◆居場所の力と本人の力

司会進行役の中井さんが、自分の関心事を各パネラーに質問していました。
子供食堂の伊藤さんには、子供を“褒める”ことについてどう思うか?と。
伊藤さんは「形だけ褒めたとしても何が子供に伝わっているか、それよりも一緒になって楽しんだり共感すること。子供の方がピュアで発想も豊かです。そこを大事にしたい」と返していました。


理想の暮らしを語る会の中井正信さん



中井さんは、様々な観点で質問をぶつけていました。子供を叱ったことでその子の中に何が残るのか。社長夫人だった人が認知症になり施設に入ったが、社長婦人のままの態度で施設職員を叱ったりして居られなくなった、その人のアイデンティティとは何だろう?など。
本人の力と居場所の持つ力の関連の中で、自分が認知症になっても、そうなる前に本来の自分を知っていければ、認知症になっても周囲の人と仲良く暮らせるのではないか。そういう本人の持つ力と、居場所の力によって、その人も周りもラクに暮らせられないだろうか。そんな内容だったと思います。

「協」のスタッフの一人



◆人間本来持っている力を

この点について、「協」を運営している方からこんな発言がありました。サイエンズ研究の発表も理解を示し、「人は虚構の中で生きている」という点を納得しながら、
「私たちは年を取ると処世術が身についていく。知らないことでも取り繕うのが上手になる。協に来る認知症の方も最初は、出来ないこと、やりたくないことでも、声をかけられるとやってみようとする。ところが、この場所が、そんなふうに取り繕はなくてもよい場所だと感じてくると、素直になって来ます。私は認知症でそんなことは出来ない。やりたくない、と言う。そのままの自分を受け入れてくれる場所だということが分かってくるようです」

取り繕うのも一つのフィクションに縛られている状態なのでしょう。そこから解放されたというお話しでした。自由にさせておくと、人は何をするか分からなくなる秩序が保てない、と考える人もいるかもしれません。さて、本当はどうなのでしょう?

講座の最後に小野さんが、「協」と子供食堂の話を聞いて感じたことを話しました。
「現場の中でも、規則や命令でそこを運営しなくても、子ども自身にも、認知症の人にも、そういう調和していこうという力があって、そういうことを現場で感じていることが印象に残った。そして、それは、そこを運営する人たちが「人が好き」という気持ちでやっている、それがあって、そんなふうにやれているのではないか。人には本来そういう力があるのではないか」
2つの実践例から見えてくる人間本来のもの、そこが発揮されることが力になっていきそうです。

さて、このテーマは、高齢者や子供について言える話ではないと思いました。私たちが、どのような場で安心し、自分らしさが発揮できるのか、そんな人間社会問題に投げ掛けているテーマです。会社や職場でその人の持てる力が発揮されるかどうかにもつながります。サイエンズ研究所が、現場の話の中で、人や社会のどういう点を研究しているのかがよく見えた講座だったと思います。(記事と写真:いわた)

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次回公開講座は4月20日「介護に寄り添う演技体験講座」講師:菅原直樹さん
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