自分を発揮して生きられる地域社会をつくりたい!―盛岡

アズワンネットワーク・イーハトーブ岩手で活動する八重樫信子さん
岩手県盛岡市で「地域×生かし合い×喜び=豊かな暮らし」をコンセプトに「早朝移動図書館」の活動や事業をしている八重樫信子さん。3年前に公務員を辞めて、アズワンと出会い、現在、アズワンネットワーク・イーハトーブの仲間と共に歩んでいます。これまで月1回だったメンバーの集まりを週1回にしたり、メンバーのサイエンズスクールのコースへの参加が続くようになり、信子さんも6月に「人生を知るためのコース」に参加しました。個人の深まりが周囲へどう影響し、願っている社会が実現していくのか、話を聞いてみました。(聞き手:いわた)
◆ゴミ問題で考えた心の問題
――今、地域でどんな思いで活動しているのですか?
信子 誰もがイキイキと自分を発揮して生きられる地域をつくりたい。ほんとは全世界なんだけど、まずは自分の地域から、盛岡からと思ってやっています。
――そう思うようになったのはどうしてですか?
信子 私は高卒で市役所に務め、いろんな部署に配属になり仕事をしました。その中でたくさんの問題にぶつかったんです。
ちょうど世間でゴミ問題が騒がれた頃でごみ減量推進課というゴミを減らす部署に配属になった時のこと。ダイオキシンが問題だ、分別しましょう!ドイツの先進事例が絶対だ!って騒がれて、主婦団体も出始めた頃です。
その時の上司が、「そもそもどうしてゴミが増えたんだろう?」って部下に投げかけました。
そのことをみんなで一緒に考えた。戦後の歴史を調べ、暮らしの変遷をみた。そしたら、ゴミじゃない、心じゃないの!って思って衝撃的でした。
ライフスタイルが変わってきたのは、お金を求めてたから? 心がないがしろになってる?ってことは、教育も?社会も?って、そのときに、みんなで考えたことがとても大きかった。これはすごいことだなって…そこから、心に目線を合わせて見始めたなって思います。
◆みんなが心から望む社会をどうやって創れば…
広報を担当したときは、市の情報や活躍している人の活動を広報誌で伝えていました。ところが、情報というのは、ただ活字で伝えても伝わらない。その人の情報として生かされない。人から伝わるものだって思い知りました。市民から「こんなの知らなかった」と苦情が来ても、市では「広報で知らせてます」と応えていた。これって何をしてるんだろうって思いました。
高齢者福祉や地域福祉の所属になったときは、もう大打撃でした。市民との協働を掲げて仕組みやプログラムを作っても、市民の本心からの取り組みには至らなかった。地域の問題解決のためと思っていたのに、いったい自分は何のためにやってるんだろう?とショックでした。その時、みんなが心から望む社会はどうやって創っていったらよいのか、という大きな問いが生まれました。

「どこでもBOOk」という早朝移動図書館の活動。
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