恵共同体、アズワン物語〈8〉「フィクションからの解放」


「フィクションからの解放―次の社会は?」

昨年話題になった本で、イスラエルの歴史学者ハラリ氏が書いた『サピエンス全史』がある。人類がなぜ今のように繁栄したのか。人間一人の生存能力は他の動物よりも低いだろうが、今やこの地球上で他を凌駕し繁栄している。その人類史を紐解き、人間の幸せとは何かを問いかける。

人類の最初のステップは、フィクションを作り出し、それによって協働出来たことだという。実在しないものを「物語」(フィクション)として仲間と共有することで、一人では出来ないことを力を集めて実現してきた。

そして、国家も貨幣も宗教も法律も、みな人間が作り出したフィクションで、物語であり虚構であると進言する。確かにそうだろう。そうして現代人は自ら作り出したフィクションに縛られ、不自由になっている。

アインシュタインの言葉の中にもよく似た表現がある。私たちは、意識にあるある種の錯覚という牢獄に縛られていて、自らを解放しなければ人類は生き延びれないだろう、とも言う。

こうした提言や警告は多くの学者や研究者、あるいは賢者が発しているが、はたして人類は、新たな道を進むことが出来るのだろうか。

その一つの試みとして鈴鹿で始まっている「アズワンネットワークプロジェクト」は、新しい社会モデルをコミュニティという形で創り、人間の可能性にチャレンジしている。既存のフィクションが行き詰っているから、新たなフィクションをどう作るか、という方向ではなく、まず、そのフィクションがフィクションである、ことに気づくことが出発点になる。

フィクションという虚構に縛られてしまうのは、フィクションを「現実」や「実在」のものとして認識しているためで、そのことに気づければ……。解放される…。固定観念に気づくと世界が広がるように…。実は、ここで立ち止まってしまうケースがよくある。解放されてどこに行きたいのか…。その先に何があるのかを知らない。
その次は、何が実際なのか、何が本質なのか、そこを知りたいのでは?。そこを知ることで……
本来の自由で調和した世界が実在し、その世界が現出してくるはず…?
たぶん、これが「as one(アズワン)一つ」と呼んでいる世界。

牢獄から解放されたら自由になれる、と思いがちだが、実存する世界へ心が向かわなければ、心は自由になれないのだろう。

……という話は、僕の解釈だが、上記は、スタディツアーの開口一番で行われる「アズワンネットワークの目的と概要」という講義の一部である。講師はサイエンズ研究所の坂井和貴氏。フィクションをフィクションと認識した先に何があるのか、その世界を垣間見せてくれる。誰でも一度は聞いて頂きたいお話しです。つづく。(文・いわた)
(写真は、坂井氏が恵のみなさんにパワーポイントでプレゼンしている様子)
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