恵共同体・アズワン物語〈11〉「おふくろさん弁当は今」


「おふくろさん弁当は今」

ツアー2日目。この日は、各職場やコミュニティの運営パートを3つのグループに分かれて見学した。

その一つに「おふくろさん弁当」がある。

鈴鹿市内では、ピンクの配達車でわりと知られているお弁当屋だ。昨年はNHKニュースでも、「働き方改革」の一モデル職場として2回放送された。『規則も命令も上下も責任もない会社・おふくろさん弁当』という本も出版されている。

そして、今、話題の本、『ティール組織』(マネジメントの分野でダントツ売上1位を記録中)の本文ではないが、解説の中に「おふくろさん弁当」が日本の一例として名前が挙げられている。ティール組織とは、マネジメントの常識を覆す次世代型組織のことで、これまでの「達成型組織」の問題点(社員が疲弊し、本人のパワーが発揮されない)を克服する組織として注目を集めている。
世の中がこんな方向に進むのであれば、「おふくろさん弁当」の取り組みは大いに参考になるはず。

前置きが長くなったが、その弁当屋さんの話しを聞いた。

弁当屋が出来て約10年が経つ。小さな店舗でスタートし、年々売上を伸ばし、今では一日1500食ほどを鈴鹿市と隣接する街に配達している。支店も出したこともあるが、その都度ゼロ地点に戻って、自分たちは何をしたいのか、目的は何か、そこに立ち返っているという話しだった。売上が好調なら、それでOKとなりがちだが…。そして、現在もまた、見直しを進めているそうだ。

この弁当屋の目的とは何?

会社だったら利益を挙げることだろうか、ここではそれが目的ではないようだ。

案内をしてくれたのは、剛道君(20代後半で、恵の女性たちにも人気だった(*^^*))

その彼が、案内の最後に「ここでは、本当に美味しいお弁当を届けたい、そこをやろうとしています。本当に美味しいお弁当とはどんなお弁当だと思いますか?」と
逆に質問していた。

材料がいいとか、味がいいとか、調理が上手だとか、見た目が美味しそうとか、そういうことでは無さそうだった。

恵の人たちも、「手作りで真心があるお弁当かな?」「作っている人が楽しんで作っているお弁当かな?」と発言していた。

さて読者の皆さんはどう思いますか? 答えはスタディツアーに来た時のお楽しみにしておきましょう。

弁当屋が常に「目的は何だろう?」と問い、ゼロから見直そうという姿勢は、多くのヒントになる。経営が順調だから今のまま行こうとか、みんなが喜んでいたら目的が実現している、と思ったりするが、私達はそんな眼の前の現象にとらわれがちだ。
剛道君の話しでも、「規則や命令、上下、責任がない会社」にすることが目的ではないと言う。それはあくまでも現象に過ぎず、そうなる元があり、そこに目的があるそうだ。

おふくろさん弁当は、今も、その目的を探りながら、本当に美味しいお弁当を作り、届けようとしている。「本当」と言うからには「フィクション」で、美味しいのではないのだろう。

そして、僕自身も、このツアーが順調に進むことが、ツアーの目的を実現しているものと思っていたが、そうではないことを閉会式で気付かされた。その話しはまだ先になるかな。つづく。(文・いわた)

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写真は、おふくろさん弁当の前で、恵の子どもスタッフと。というのは、ツアー中、幼児、小学生の子どもたちをみるスタッフが恵参加者から交代で担当していた。なので、そのメンバーは、職場や部門を参観できないため、昼の時間帯を利用した。剛道くんは写真右端。
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