「自分を大事にすること変わること」辻信一さんのお話④


辻さんのお話も4回目(最終回)です。記者としては意外な展開になりました。会場にいたセブン・ジェネレーションズの代表をつとめるヒロさんの質問からです。

「最後に示された、ローカリゼーションの流れをどう作っていったらいいか、既にあるその流れが社会に影響を及ぼしていくには、どこからアプローチできるのか考えています。辻先生は、こういう思いの人たちが、どうつながり、どこに力を合わせて社会を変えていくのか、世界を変えていくのか、その一番最初のポイントはどこだとお考えでしょうか?」

自分を大切にすること

ヒロさんの切実な問いかけに辻さんも誠実にこたえます。

「今の質問に、完璧な答えはありません。僕には実際ない。僕も同じように悶々と考えてきた一人です。でも、一つ言っておきたい、とても大事なことはですね、“自分を大切にする”ってことだと思うんです。僕は若い時からいろんな運動に身を投じた。時には、心も暴力的になったこともあります。人に敵対するエネルギーに駆られた時もある。今思うのは、この世の中を思いやったり、社会を思いやったり、他の人について思いやったり、未来について思いやったりする、そういう自分を育てるってことに、僕らはあまりにも無関心だったんじゃないかと思うんです。自分を育てたり、自分を大切にするってことは、実は、そう簡単なことではありません。
社会を変革するって言うと、自分がすでに完成形で、そこから世の中をいい方向に変えてやろう、導いてやろうと思いがちで、自分はカッコの中に入ってるんじゃないかな。


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