【次の社会創造】 連載第7回  争いのない、気持のままにやさしく生きられる社会へ

次の社会創造 連載第7回
【争いのない、気持のままにやさしく生きられる社会へ】
サイエンズ研究所  小野雅司
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次の社会創造
~争いのない、気持のままにやさしく生きられる社会へ

小野雅司

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連載第七回
第三章
1. 次の社会の組織運営 ~意思決定はどうするの?

アズワン鈴鹿コミュニティには、日本や世界各地の人達が訪れてきます。そして、命令や上下や規則や責任のない会社運営や、お金を介在しない経済の試み等に触れて驚かれる人が多いのですが、必ず出てくる質問があります。
「どうやって意思を決定しているのですか?」
「本当にリーダーはいないんですか?」
コミュニティづくりの核心的なテーマでもありますし、ティール組織やホラクラシー組織など新しい組織運営を求めている人にとっても興味深いテーマだと思います。また、様々な活動に関わる人や、家庭や夫婦などの、人間関係にとっても、「どのように事を決めるのか?」は大きなテーマなのかもしれません。

ガイアエデュケーションという、コミュニティづくりを志す人向けのユネスコ認証の教育プログラムがあります。世界45ヶ所で開催され、日本でもGEN-Japan(グローバル・エコビレッジ・ネットワーク・ジャパン)の主催で2016年から開催されるようになり、アズワン鈴鹿コミュニティもメイン会場として協力しています。そのテキストに、コミュニティづくりで最初にやることとして、「まずはどのように意思決定をするかを決めること」が挙げられています。「全員で多数決」とか「代表数人を選んで、彼らに一任」とか「リーダーを決めて、その意思に従う」とか・・・そんな感じでしょうか。

アズワン鈴鹿コミュニティでは、どうなんでしょう?
一言で言うと「なんでも持ち寄り、よく検討し、自由にやってみる」という運営方式です。
こう説明すると、「みんなで集まって、みんなで決めるんですね!」と勘違いする人が多いのですが、全然違うのです。みんなで集まるなんて、20年間で一度もしたことがないんです~。
寄りたい人、やろうとする人が、あちこちで自発的に集まって話し合いをしています。

そして「こうしよう!」と意見がまとまることもあります。しかし、そうなったとしても、それをやるかどうかは、各人の自由な意思に委されているのです。つまり、「意思決定」は各自がしているということです。納得しなかったら「やらなくていい」のです。また、一度決めたことでも、状況も、気持も意見も変わっていきますので、そうなったら、やらないこともできるし、考え直すこともできるし、また話し合うこともできるのです。自然界はすべて常に変化していますし、どこかに中心やリーダーがあるわけではありません。人間社会の運営も常に変化してくのが自然界の理にかなった姿だと思うのです。中心やリーダーがなくても、人間社会も調和していけるのではないかと思うのです。

「えー、それでコミュニティが成り立つの?」
「毎日、1000食もお弁当を作る会社が、それで運営できるの?」
という疑問が湧く人もいると思います。

民主主義の教育を受けてきた僕達は、無意識の中で「みんなで集まって、みんなで決めて、決まったことには従わなければならない」という思考パターンが根付いてしまっているようです。「それが民主主義のルールだ」というフィクションが固定化してしまい、それにそってやらない人を、「自分勝手な人」「わがまま」と見るようになっているのかもしれません。「決まったことは、自分の意思とは違っても従う」という「自発的服従」状態が当たり前になっているかもしれません。

「自発的服従」とは、「主体が自己の自律性を確信していながら、客観的には他者や制度に知らぬまに服従していること」を指します。誰から言われなくても、「ここではこうしなくちゃ」「ここではこれをしちゃいけない」と「自分で自分に教えている」状態です。子供時代から、「やらなければいけない」「やってはいけない」ということを罰と報賞で教え込まれることで、怒られるくらいなら褒められることを積極的にやろうという態度が身についてしまうのかもしれません。

その結果、「やらなければならない」「やってはいけない」ことがあるとというキメつけ状態になってしまうわけです。自分一人がそういう状態なら、「どうなんだろう?」と考え直す機会もあるのでしょうが、社会のほとんどの人が同じような状態だと、「やっぱりそうなんだ」「誰もがそうだ」となりやすいでしょう。また、そこから外れる人を「変な人」「おかしい」として排除したり責めたり、否定したりすることもしばしば起きます。また、責められたり、否定されている人を見て、自分も責められたり否定されないようにと、また自ら服従状態をより強固にしてしまうというサイクルにハマってしまうのでしょう。

「やらなければならない」を当然視していては、本当に自由な社会は訪れないと思います。
いろいろなコミュニティや団体と交流がありますが、運営におけるこの常識を見直しているところはほとんどないようです。縛り合ったり、上下ができてしまうのも、この点の見直しがないところからくるようです。

今の社会だと、自分が関わっていないところで事が決まると、それに「従わなければいけない」という恐怖心から「自分も参加しておかないと不安」という意識がでてくるのでしょうか?「どこで決まったのだ!」と腹を立てている人は、実はとても不安な心の状態なのだと思います。

アズワン鈴鹿コミュニティでは、どこかで考えてくれることは豊かで嬉しいことばかりです。自分にはない発想で決まることもたくさんあります。そうやって考えてくれたことは、まずは面白そうだから、乗ってやってみたくなる、そんな明るい・軽い人間関係があるのが大きいです。
仮に、やりたくないこと、関わりたくないことだったら、もちろん、やらなくていいのですしね。また、一度決まったことでも、違う意見があったら、いつでも、いくらでも言えるし、いつでも見直したり、変更したりできるのです。

しかし、鈴鹿コミュニティの運営方法をただ形でやろうとしても無理だと思います。「決まったことはやらなければならない」「言った事には責任を持つべきだ」「みんなで決めなければならない」等の今の社会で当然されているキメつけから解放されないと、自分も自由に行動できないでしょうし、自由に行動する人を受入れられないでしょう。

また、「本当に話し合う」ということを知らなかったり、「人を聴く」という話し合いに不可欠な基本的なことを理解できていないと、スムーズにこの運営方式は流れていかないと思います。

例えば、自分が呼ばれないところで数人が寄って何かが決まった時に、「仲間はずれにされた」「無視された」という被害者意識や、「なんで自分を呼んでくれないんだ!」「どこで決まったんだ」という不満が出てきてしまうようでしたら、自由な運営は成り立たないですよね。また、「本当はこの人達で話し合いたいのに、あの人を呼ばないと機嫌が悪くなるから呼ぼう」とか「可哀想だから呼ぼう」と気を遣っていても、本当に自由な社会になっていきません。
「みんなで話し合うべきだ」とか、「断るのが悪い」等というキメつけから解放されることがまずは第一になりますね!

「次の社会」の組織運営をやろうとするならば、まずは自他を縛るキメつけから解放された自由自在の人になることが先決です。内面が旧式の思考のままでは次の新しい社会は営めないのです。
自他を縛るキメつけから解放された人達によって、各自が自由意思でやりながらも調和がとれた社会運営が実現されていくのです。そういう運営方式を、僕達は、「自由意志調和型社会=動的調和社会」と呼んでいます。

自由意志調和型社会の運営は、言葉で説明してもなかなか理解し難いところがあると思います。百聞は一見にしかず。一度、ぜひ、実際に目にして実感してみてください。
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連載第7回【アズワンネットワークメンバーの近況】

連載第7回【アズワンネットワークメンバーの近況】

2021年11月号から連載が始まった【アズワンネットワークメンバーの近況】
各地で活動するネットワークメンバーの今に焦点を当てて、紹介していきたいと思います。今回はその第7回です。

第7回は、大阪府交野市在住の古川晶子さんです。

(紹介してほしい人や、サイエンズスクールのコースで、一緒だったあの人どうしてるかな? また私の近況をお知らせしたい!など、是非お寄せください。)
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地元交野市で和綿(河内木綿)の布を織ることを始めてから13年目になる。
綿を畑で育てて糸を紡ぎ、草木で染め、織るという一連のことができるようになったのは七年たった頃。これはただの趣味ではなくライフワークなんだと思うようになった。
日常では目にすることはなくなった織物の風景。衣食住の成り立ちもわからなくなってしまった私たち40代以降の若い世代に必ず継いでいきたいと思っている。

2019年7月にツアー、8月にセミナーをうけ、2021年1月自分を知るためのコースで一緒だった稲垣さん。帰阪してから、友人にアズワンコミュニティの話を伝えようとパンフレットを開くたびに目にうつる。親戚のお兄ちゃんのような存在のいなちゃんの首に巻く手ぬぐいを織りたい。そして織りたいのは鈴鹿の土地で育った綿を紡いで織った布だった。2020年の3月に友達をつれて二度目のツアーに行ったとき「畑の隅に植えてほしい」といなちゃんに種を託した。その種は鈴鹿ファームのオクラの横に立派な畝を一筋たててもらって植えられた。
綿の芽
種を植える作業をチェリッシュの子供たちとともにやってくれたと聞いてとてもうれしかった。ワタの木が大きくなって夏に花をつけ、秋に実がみのり、はじけて綿があらわれる。その様子を子供たちも一緒に楽しんでくれたようだった。
綿の実
小さい人たちと一緒に、というのが私の理想のワタの育ちだったので、そんなことは一言もいなちゃんに言ってないのに自然とそうなっていたことに驚いた。
コロナ禍で思うように鈴鹿に行けない一年だったけど、時々ワタの様子の写真が送られてきて一緒に成長を喜ぶことができた。
2020年10月末にやっと畑を見に行くことができた時、子供たちと綿の様子をみてくれていたフンミちゃんが「糸にするのを教えて欲しいよ」と言ってくれた
紡いだ糸
畑公園の隅にゴザをひろげて青空のもとで小さな糸つむぎの会をした
綿の種を綿繰り機でとり、綿打ち弓でふわふわにしたあと、小さくまとめて篠にして、スピンドルで糸を紡ぐ。その工程一つ一つに目を輝かせて面白がってくれるフンミちゃんの姿がうれしくて、とても幸せな時間だった。
手ぬぐい
その時に持って帰ったその年の収穫綿で2メートル半の布を織った
手ぬぐいのサイズに切るとちょうど三枚になったので、いなちゃんとフンミちゃん、耕一君にと託す。最初は首にまいて欲しいと思って織った布だけど、いなちゃんは餅つきのときにはいつも姐さんかぶりしてその布をまとってくれている。とても満足。
稲ちゃん
2021年5月、再びフンミちゃんが子供たちと綿の種をまいてくれた。
今年は糸を紡いで布を織ってみるまで挑戦したいよといってくれて、想いの糸がつながっていることに喜ぶ。2021年もコロナはおさまらず気軽に交流できる状態ではなかったのだけど、9月には収穫の一報が入り、また小さく糸つむぎ会。私の愛用の自転車の車輪を利用した丈夫な糸車を紹介したら「欲しいなー」となり、写真、動画撮影、採寸してコミュニティの頼れるおじさま、本山さんに作ってもらいたいな、と言っていた。

2022年1月に社会を知るためのコースで一緒だった本山さんの口から「フンミちゃんに糸車作ってって言われてるんだけど細部がわからなくて」と聞いて2月に再度糸車をもって訪鈴。SCSのカフェで採寸する本山さんの姿が頼りがいありすぎてワクワク。コミュニティのなかの困りごとも頼まれごともこうやってみんなの頭と手をつかってひとつひとつ応えていってるんだなあ、と実感した場面。
3月には早速完成したよとお知らせをうけ、フンミちゃんの家で、できたてての糸車とご対面。残念ながらその日、本山さんはコース中で不在だったけれど、最後の調整をして試し引きしてみた糸車は本当になめらかでこまやかな気配りにあふれ、本山さんがみえるようだった。ただの「請負い」ではなく一緒に先のことを見てくれている人の仕事だなと思った
フンミ糸紡ぎ
とてもスムーズに糸が紡げることがわかって、フンミちゃんと喜びあった。
糸車での紡ぎ方をレクチャーしてる間、コミュニティの子供たちの育ちの環境のこともたくさん話してくれた。子供たちが本来の姿のままでまっすぐ育っていけるように、と整えられる人と場の環境。アズワンスタイルのコミュニティの親たちの願い。ずっと描き続けているもの、具体的に見せてもらった気がした。心の奥の方でわたしもそう願ってたけど、「できっこない」とあきらめ気味に思っていたことをずっとやってた人たち、ここにいたんだなあ、とまたしみじみ。
フンミちゃんはまっすぐ子供たちの先をみてる。
綿を育て、糸を紡ぎ、染め、織り、まとう
それだけの行為なんだけれど、その中には先人たちのメッセージがたくさん含まれている。
それを次の社会の元種となる子供たちへギフトしたい。わたしの願い。
子供たちへ伝えてくれる健やかな大人に今私が伝えられていることがうれしいなと思う。

次に鈴鹿に行くときは知美ちゃんにも伝える予定。フンミちゃんは知美ちゃんに紡いでほしいみたい。想いのバトンがまためぐる?こうやってみんなのアズワン糸ができるかな?
私のただの思いつきから始まった鈴鹿での糸つむぎの動き。
サイエンズスクールのコースに参加していただけでは知りえない実際のコミュニティのありように触れさせてもらえている。やってもやらなくてもいいけど、たのしいから。そうしたいから、で始まるはなし。大阪から通うわたしはこの先の展開がたのしみでしょうがない。
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5月10日~15日、広島→熊本→福岡をめぐります。

来たる5月10日(火)から、アズワンネットワークの岸浪龍と増田力也が西日本を巡る旅に出ます。

先ずは、先月も記事を書いてくださった、広島の松岡泰子さんとそのお友達の呼びかけで、アズワンネットワークや、アズワン鈴鹿コミュニティについてのお話会が開催されることになりました。

◆日にち : 5月10日(火)
◆時間 :お昼の部 13:00〜15:00昼の部の詳細はこちら
    夕方の部 18:00~20:00夕方の部の詳細はこちら
    (内容は同じです。どちらかにご参加ください)
◆場所 : そらさやキッチン
    (広島市中区本川町2丁目1−4 浜本ビル 1階)
そらさやキッチンの詳細はこちらから
     ※お車の方は近隣駐車場をご利用ください。
◆参加費 : 2000円(当日お釣のないよう、ご用意ください)
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さらに西に向かい、11日は熊本のエコビレッジ・サイハテへ
コミュニティ作り研究会で交流が深まり始めた仲間の元に向かい、近況や今後の展望を語らいます。
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12、13日は同じ熊本大津町のお仲間、中山さんご夫婦の営む「0歳から150歳のがっこう」いわさかの家へお招きいただきました。
いわさかの家Facebookページ
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いわさかの家では、13日の10時~12時にアズワンのお話会/13時~15時にプチ探究会を開催します。(各会参加費\1,000-です)

14、15日は福岡・北九州方面に向かいます。
こちらでの過ごし方は調整中です。
一か所、アグリゾート農園さんの開催するイベントに顔を出させて頂こうと考えております。
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こちらのイベント以外の予定、スケジュールの調整ができ次第、お知らせしたいと思います。

広島や熊本、福岡近郊のお仲間の皆様、アズワンネットワークやその取り組みに関心をお持ちの皆様、ぜひこの機会に直接お会いできたらと思います。

みなさまからも、お話会などの開催について、お問い合わせ、お声かけください。
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4月23日~24日でアズワン鈴鹿ツアーを開催

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4月23日~24日でアズワン鈴鹿ツアーを開催
4月23日(土)~24日(日)で、アズワン鈴鹿ツアーが開催され、40代の歯科医の男性が参加されました。

縁があって鈴鹿に単身赴任で来られていて、来月にも家族のもとに帰ることになっているそうです。知人から、「新しい人間社会を研究・実践しながら追求しているところ」と聞いて、鈴鹿を離れる前に見てみたいと来られました。
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感想の一端を紹介します。
「FARMや里山では、多種多様なものを試行錯誤しながら効率よく生産していく姿に感銘を受けた。常に何かを試み、学習していくのは、とても素晴らしく見習わなければならない。」
「今までの人生で、強く行き詰まったり、社会に違和感を覚えてきたわけではないが、このようなライフスタイルや共同体・コミュニティもあってよいと思う。小学生の頃(昭和50年代)は、ご近所同士の様々な助け合いがあり、人同士の関係も密であり、そのような一面も再現されているように感じられた。」 

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オンラインお話し会を開催しました。

昨日4月20日に、オンラインのお話会を開催しました。

タイトルは「誰もが安心して生きられる 家族のようなコミュニティ」ということで

日本の各地から、「アズワン鈴鹿コミュニティってどんなところだろう?」「どんな暮らしなんだろう?」

各地のネットワークメンバーも加わり、24名の方たちが、様々な関心をもって参加されました。

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鈴鹿なで20年以上前から、コミュニティを作ってきたメンバーによる、コミュニティの概要の説明と案内、その背景にある機構やサイエンズメソッドなどの紹介。

そこから、現在、どのような暮らしが展開されて行っているか、具体的な取り組みについてお話させて頂き、間ではグループに分かれて感想や疑問点などのシェアをして、お互いに知り合ったり深めたりする時間を持ったりしました。

先月末から今月の初めにかけて開催されていたアズワンセミナーに参加されていた方や、2月のセミナーに参加された方にも、セミナーを経験してみての感想がシェアされ、セミナー後の暮らしの中での自分の心境や、周りの人たちとの関係性の変化などを感じることができました。

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参加者の中には、初めてアズワンネットワークや鈴鹿コミュニティの取り組みを知る方もいらして、「すぐにでも見に行ってみたい」「セミナーに関心があるなあ」「人と人が本当に心から通じながら暮らしをつくっていけるのが、理想のよう」「海外で同じような村をつくりたいと思っている」等々、たくさんの感想を頂きました。

今後もこのように、多くの方に知って頂く機会をつくっていきたいと思います。
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4月6日~8日で2泊3日アズワン鈴鹿ツアーを開催

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4月6日~8日で2泊3日アズワン鈴鹿ツアーを開催
4月6日(水)~8日(金)の2泊3日の日程で、広島と熊本から4人が参加してアズワン鈴鹿ツアーが開催されました。
誰もが幸せに生きられる社会をつくっていけたらと願っている人たちで、アズワン鈴鹿コミュニティの実際に触れてみて、これからの参考にしたいと来られました。
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2泊3日を過ごしてみて、数多くの気づきや学び、感動があったようでした。家族のようなやさしく、温かい空気に包まれながら、別れるのが惜しまれるようにしてツアーを終えました。
そして、それぞれの方たちが次に向けて動き出しそうです。
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感想から紹介します。
成熟度が高く、たゆまぬ探究心が素晴らしく、参考になること数多あり、人々は私が想い描いている世界の住人と重なりました。
さらなる伸びしろさえも感じられたのが、また驚きでした。

いごこちがよくて、ほわぁ~とゆるんだり、ステキな感覚、なつかしい感じもある。感動もある。イロイロ!!

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4月2日~3日で、アズワン鈴鹿ツアーを開催

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4月2日~3日で、アズワン鈴鹿ツアーを開催
新年度が始まり、桜が満開の下で、アズワン鈴鹿ツアーが開催されました。
山梨と東京から男性3名の参加者で、これからの社会を本気で考えたいという方たちでした。会社経営やコミュニティ体験などをされてきて、アズワン鈴鹿コミュニティの経済的基盤とコミュニティの人間関係性などについて、実際に触れて学び参考にしたいと来られました。

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1泊2日を過ごす中で、コミュニティに暮らす人たちの生の声に触れたり、対話をしてきました。そして、会社を経営するにしても、これからの社会をつくる活動をする上でも、何に一番重点を置いたらよいのかが見えてきたようです。
参加しての感想を紹介します。

意思決定ではなく、他への信頼(ゆだねること)によって動いていること。
安心安全な基盤がしっかりあること。
いい意味でお会いした全ての人は、力が抜けている。
関係性があって、やることがある。
地域通貨やコミュニティ通貨も超えた実験をしている。
固定せず、動的に常に変化させること。
これら全てに、大いに感動しました!!

以前(6年前)に来た時と比べて、メンバーの方から感じられる安心感に、どっしりとしたもの、確信のようなものをより感じられるようになった。
1泊2日の短い日程だが、色々な情報を受け取り、消化不良のような感じがあり、自分の内面の整理・整頓をする必要を強く感じているので、機会があれば(機会を作って)セミナーを受講したいと思う。

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アズワンネットワークニュースvol.67 2022年4月号

花便りも伝わる今日この頃、皆さんお変わりないですか?
アズワンネットワークの事務局がある、ここ「アズワン鈴鹿コミュニティ」では、春の訪れと共に20代の若者たちが次々と来訪しています。全国各地のエコビレッジで紹介されたり、ネット検索やオンラインお話し会で知ったりして、短期~長期の滞在で、実際に学んでみたいと、鈴鹿コミュニティに来る若者たち。
次の世代を担う若者たちが結集し力を合わせ、自分の周りから確実に社会が変容していく、そんな大いなる予感を感じさせる嬉しい2022年の春です。
今月も世界中から、アズワンネットワークの情報をお届けします。皆様、是非ご覧ください。
そして新年度も、共に歩んでいきましょう!
続きはこちら

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アースディチャンネル 谷崎テトラさん来訪

放送作家でプロデユーサー、大学講師と多方面で活躍し、ワールドシフト(社会変革)とパラダイムシフト(価値観の転換)を提唱・活動する「谷崎テトラ」さんが、主催するYouTubeチャンネル「アースディチャンネル」の取材で、アズワン鈴鹿コミュニティを訪れました。
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≪谷崎テトラさんが、アズワン鈴鹿コミュニティを取材して感じたことをまとめてくれました。以下≫
三重県鈴鹿市は日本でも先進的なコミュニティの取り組みで知られています。

僕が顧問をつとめるグローバルエコビレッジネットワーク日本(GEN-Japan)の事務局をつとめる「アズワンネットワーク鈴鹿コミュニティ」を訪ねました。毎年ガイアエデュケーションというプログラムで訪れていたのですが、ここ2年はコロナ禍でオンラインだったので、久しぶりの鈴鹿滞在です。

鈴鹿市は、三重県の中北部に位置する人口約20万の市です。
飛鳥時代から東国に通じる交通の要衝として発展し、宿場町として発展しました。
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アズワンは、世界的にもユニークな都市型エコビレッジで、150人ほどの住民コミュニテイとして20年以上運営されてきました。「誰もが、本心で生きられる社会」「お金を介在しない経済」を目指し、複数の事業体を運営しています。
地産地消の鈴鹿ファームや、フードロスゼロのお弁当屋さん、炭焼きやツリーハウスなど、里山に学ぶガイアユースなど、その知恵は地域共生のモデルとして注目されています。
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いま僕は全国の地域コミュニテイをめぐっていますが、アズワンのコミュニティのあり方はとても参考になる事例が多く、大学の来期の授業として予定されている社会起業家論のフィールドワークとしても充実した取材となりました。またワールドシフト の来期の事業や、アースデイのアクションにも関わってくると思われる教育プログラム、プラネタリーエデュケーションなどの打ち合わせも進みました。これも来期以降、紹介できると思います。
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こういった取材の模様はアースデイチャンネルYOUTUBEで公開予定です。(5月公開の予定なのでちょっと先ですが)
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次の社会創造】 連載第6回  争いのない、気持のままにやさしく生きられる社会へ

次の社会創造 連載第6回
【争いのない、気持のままにやさしく生きられる社会へ】
サイエンズ研究所  小野雅司
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次の社会創造
~争いのない、気持のままにやさしく生きられる社会へ

小野雅司

第1章 

連載第1回はこちらから
連載第2回はこちらから
連載第3回はこちらから
連載第4回はこちらから
連載第5回はこちらから

連載第6回
第二章
3.人を聴く ~心が通う話し合いとは

快適な社会生活を営むためには、話し合いは不可欠だと思います。その話し合いが上手く機能しないことから、不快な気持になったり、対立や争いなど様々な問題を惹き起こすことにつながっていきます。
話し合いが本来的なものになることで、私達は安心した状態で、知性を発揮することができ、その結果、様々な問題に対しも、一時しのぎではない、本質的な解決の方向に進んでいけるのだと思います。

本来の話し合いになっていく上で、一番の要になるのが、「聴く」という要素です。それは、単に言葉や表面的な気持や考えを聞くのではありません。その人そのものを理解する聴き方、つまり「人を聴く」ことで、心から通じ合える、人を尊重し合う豊かな話し合いが実現されていくのです。

この聞き慣れない「人を聴く」というフレーズは、アズワンコミュ ニティを創る試みの中で、本当の話し合いを探究する中で生まれてきたものです。(今は、サイエンズスクールの中で、誰もが学べるようになっています)
「人を聴く」ってどんなことでしょう?
人の話を聞くでもなく、言葉を聞くでもなく、人を聴く。

日常の会話や話し合いの場面でも、言葉を尽くしても何か通じ合えない、とか、すれ違ったりとか、話題は盛り上がるけど何か物足りない、時には、苛立ちを覚えたりすることがあるかもしれません。また、意見が違うことから対立したり、相手の言葉に傷つけられたり、腹が立って言い争いになったり・・・。
また、「そうそう」「一緒だね」と共感したり、同調しているように感じることでも、言葉の上で、表面的なところでの反応に過ぎない場合も多々あるようです。
私たちが言葉に出来ることは、思いや気持のごくわずかな部分をその人なりの表現で表しているにすぎません。しかし、言葉がその人の気持や考えだと思い違いしやすく、言葉でその人が分かったつもりで反応してしまい、感情的になったり、行き違うことも多いようです。

講演会などで、参加者の人に、「なぜ話し合えなくなるのか?」という質問をすると、よく「意見が違うから対立になってしまう」という答えが返ってきます。
ゼロから考えてみましょう。「意見が違うのは、多様な視点があっていい」「違う意見があるからこそ発展する」という観方もありますね。意見が違っても、「そうだねー、どっちがいいかな~?」と親しく話し合っている人もいますね。
意見が違うから対立するということではないと思います。自分の意見を「絶対に正しい」「~ねばならない」とする「キメつけ」があるから対立するのだと思います。自分の考えを「正しい」「~ねばならない」とする頑固さが対立の根本原因だと思います。サイエンズメソッドによると、この頑固さの原因も、調べて簡単に取り除くことができます。頑固さがなくなると、どんなに意見が異っていても、楽しく、却って面白く話し合えるようになっていきます。

どの人にも、その人独自の世界があります。
自分の意見と同じように感じても、また違っているように感じても、自分とは異なる、自分には知りえないその人独自の世界があるのです。その人が培ってきた経験・知識・体験・人間関係・感情などで形成されてきたその人の世界です。
それは、誰からも否定も肯定もできない、そのままそうでしかない存在だと思うのです。そういう世界があることを知り、それを理解しようとしていくことが「人を聴く」という営みだと思います。
相手にも自分の世界を知ってもらい、共に考えていくのが話し合いだと思います。
意見が異うからこそ、その人の世界を知りたくなるし、異った観え方を知ることで、より世界を豊かに深く知っていける話し合いが生まれてきます。

今の社会は、「言う」ことにすごく重点が置かれている社会だと思います。日常の会話を観察してみると、多くの人が「言おう」「言おう」としているように見えます。安心して聴いてもらう体験が少ないのかもしれません。また、「聴く」ということの意味や、その潜在力についての理解がまだまだ足りないようにも思います。
「聴く」ということは、テクニックやスキルではありません。
聴いてもらうことで、人は安心し、満たされていくのだと思います。
聴いてもらうことで、自分の本心に自ら気づいていけるのだと思います。
聴いてもらう喜び、聴く喜び。喜びで満たされ合う話し合いが始まります。

その人そのものを知りたい、私そのものを知ってほしいというお互いが、「その人」を聴き合おとする営みが始まります。互いに知り合い、理解し合う中から、新しい「何か」が生まれてきます。なんでも聴き合えるお互いになることで、隔てや対立のない、安心した人間関係がつくられていきます。
何を言ってもいいし、言わなくてもいい。何を言っても、否定されない、拒絶されない、怒られない、頑張らなくていい、いいことを言わなくてもいい。人に合わせなくてもいい。気を遣う必要がない。そのままの自分でいられる。
それが安心できる人間関係だと思います。そして、これが争いのない、誰もが親しい、本心で生きるコミュニティのベースになっていくのです。

この内容に興味がある人には、『人を聴く--心が通う話し合いとは』(SCIENZ No.2)という僕の著書がありますので、ご一読ください。
『人を聴く--心が通う話し合いとは』(SCIENZ No.2)はこちらから

また、サイエンズスクールのコースの中には、「人を聴くためのコース」として位置づけられています。
サイエンズスクールの詳細はこちらから

4.心通う話し合いがすべての問題を解決する! ~持続可能な社会は、持続可能な人間関係から

「このような話し合いができるのは理想かもしれないけど、現実的には無理だよ」と思われる人もいるかもしれません。しかし、そこをあきらめて、現実問題に対処しようとしても、本当に話し合うことができないために、解決に向かわないことが多々あるのではないでしょうか?
問題の解決を急ぐために、却って人間関係をこじらせ、話し合いができなくなってしまい、「人間は意見が違ったら対立する」、「利害関係があったら争うしかない」などと、あきらめ的に思い込んでしまっている人が多いのではないでしょうか?
前述したように、そこをゼロから見直して、話し合えない原因、対立する原因を探究して取り除いていくことが大事だと思います。話し合えるようになって(話し合える人に成り合って)から、話し合う。すると、話し合いがスムーズに展開してくのです。こういう観点が今の社会では抜け落ちている、または徹底していないのだと思います。サイエンズメソッドによって、対立感情・悪感情から解放され、誰とでも親しい関係性を持てるようになると、どんな人とも、どんなテーマでも、心通い合う話し合いが実現できるようになります。持続可能な社会は、持続可能な人間関係から。つまり、心通い合う話し合いができる人間関係が持続可能な社会のベースなのです。

環境問題なども、利害の対立を超せないことから、解決策が見いだせないことが多々あると思います。それぞれの立場を固く守り合っていては、心通い合う話し合いは実現しません。自他を縛り合うキメつけから解放され、それぞれの立場を理解し合うことができれば、自分も含め、周囲・後代の人達にとって本当に良いと思われる道を見出すことは、そう難事ではないでしょう。互いに理解し合えれば、あらゆる技術やメソッドが真の解決のために活かされ、役立たすことができるようになるでしょう。
また、人間が作り出した固定したフィクションから解放されたお互いで話し合うことで、モノも人も自在に活かし合えるようになります。第三章2. お金の介在しない経済の試み で詳細を紹介したいと思いますが、所有や交換・報酬から解放された世界では、ムダなこと、捨てるモノがどんどんなくなっていきます。売り買いがないだけで、ムダな計量や包装がなくなります。そして、お金のやり取りやその記録や経理が要らなくなります。個々に買い物したり、調理もしなくていいので、エネルギーや時間もムダにならなくなります。アズワン鈴鹿コミュニティでは、都市での暮らしながら、エコロジカルフットプリントで計算した資源利用量は、日本の平均をかなり下回る結果が出ています。

自殺や引きこもりの問題も、今の社会の様々な問題が絡み合った結果として生じていると思います。自殺する人や引きこもっている人だけの責任ではありません。そのような行動に至る心の状態が周囲の環境で形成されたり、その人を受け止めたり、真に理解する環境がないことも関連しているでしょう。
人間の考えで作り出したフィクション、つまり、こうすべき、当然、してはいけない・・・等の「ねばならない」とするキメつけから解放されることで、心通い合う話し合いができる人間関係ができてくると、個人レベルでも社会レベルでも様々の変化が生まれてきます。
その人そのものを理解しようとする、人を聴く人がいることで、個人で悩みを抱える人もどんどん減ってくるでしょう。
そういうことを本人や家族だけで考えなくていい、相談し合える親しい人達やコミュニティがあるのも心強いでしょう。
また、悩みや苦しみを生み出す様々な不合理な社会の仕組みも、できるところから、ゼロから見直していける道が見出されてくるでしょう。
例えば、高校受験に失敗して高校に入れず、それを苦にする子ども達も現状ではいると思います。そういう子を受け止める家族や周囲の人達、受験の結果や学歴に価値を置かない気風、そういう子が明るく元気でいられる社会環境(勉強したい子は勉強でき、興味のある社会活動に参加できたり、働きたい子は学歴に関係なく働くことができる会社がある等)が形成されていくでしょう。また、そういう人達のネットワークが拡がるに連れ、その可能性はどんどん広く、大きくなっていくでしょう。そういう人間関係、気風、社会環境ができるにつれ、自殺や引きこもりの人など生まれようのない社会が現れていくのだと思います。

心通い合う話し合いが機能し、社会運営で活用されていくとどんな社会になってくるのでしょう?
次章では、その一つのモデルとして、アズワンネットワーク鈴鹿コミュニティの今の様子を紹介してみたいと思います。アズワン鈴鹿コミュニティでは、具体的にどのような社会が現れてきているのか、今の社会問題がどのように解決されていっているのかをほんの一部ですが書いてみたいと思います。
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