震災から 人の復興を思う

3.11、東日本大震災から丸8年が過ぎました。岩手に住む吉田直美さん(アズワンネットワーク・イーハトーブ)が、その震災を振り返り、思いの丈を綴っています。人が人らしく暮らすには、吉田さんがやろうとしていることとは――




◆震災のあとから

吉田直美(アズワンネットワーク・イーハトーブ)=上記写真


あの日、静かで穏やかな日だった

弱いもの,無防備なもの,自然環境から収奪して成り立つ資本主義経済が浸透し,人々の価値観や行動も「金の原理」に縛られ,日本はなんて息苦しいんだろう。この国を脱出して,南の島で貨幣経済と積極的にかかわらないくらしをしたい。。あの日まではそう思っていた。

これまでに体験したことのない激しい揺れに襲われたあの日。電気は止まり,スーパー,コンビニも限定営業。こんな状況の中で自分の身の回りで起こったことは,ないものを奪い合う自己中心的な暴動ではなく,あるものの分かち合い,工夫して使う利他的なくらしだった。道路の信号も機能していなかったが,交通事故も起こらなかった。いつもより,静かで穏やかな日だった。
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