「循環共生とは何か」講座 その②

鈴鹿モデル鈴鹿ブランドへの胎動
sekiyu.JPG石油資源の消費状況

石油エネルギーに支えられた現代文明
「循環共生とは何か」の講座の中で、再認識したことは、現代の豊かな文明は、石油エネルギーによって支えられているということだ。
その石油資源も既にピークを過ぎ、あと2、30年もすれば枯渇するとも言われている。そんなことになれば、石油の豊かさに乗っかっている日本の国は、たちまちパニックになってしまう。
 石油に代わるエネルギー開発も進められてはいるが、気がついたら、もう輸入できないなんてことも十分にあり得る。
 あのモアイ像で有名なイースター島も、かつて豊かな森林資源があったそうだが、伐採し尽くして、文明そのものが滅んでしまった。部族間で、相手が使うのをやめたら、こっちも止めようと、お互いに自分からは止められなかったという。今のCO2削減の国際会議とまったく同次元の話だ。
こういった問題を引きおきしている根本問題は、人がどう生きるか、という問いに行き着く。だが、内藤先生の話によると、「学者や政府は、人の生活の仕方までは、関与出来ない、口出しは出来ない」という。だから学者は、科学技術の進歩による解決策を考え、政治家は、規制する法律を作るしか対策が立てられないと。それが今の社会の現状であろう。
イースター島の悲劇を今また繰り返すのか、それとも根本原因の解決に着手するのか、問われている。(この問いに対する研究は、SCIENZ研究所に期待したい)

地域だからこそ実現可能
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第26回研究所サロンが開催されました。

第26回研究所サロンが、2月20日(土)、22日(月)に開催されました。
今回より、名称が「研究所サロン」となり、二日間で約76名の参加者がありました。

今回のテーマは、解説「研究のプロセス と 提案」で、研究所員の杉江優滋さんが発表しました。
2000年暮れから始まった動きを振り返ることから始まり、そのプロセスを、ライフセンターの活動やコミュニティの活動の中の研究所活動というあたりでの解説でした。

研究活動とコミュニティ活動が生かし合う、実のある研究活動をとやってきたらしいですが、
概要だけでも内容があり、その実態というとどんなだろうと思うしだいです。
この9年余りの研究は、研究というより、一大実験でもあるようで、ひとつの資料でもあると。
理想をかかげてやろうとする、実現するには条件がいる。
その研究のプロセスを、やりながら進んできた。
そして、今現在もやりながら進んでいる、そんな感じでしょうか。

人にとって、社会にとって、もっとも大事な条件要素をハッキリ知る。
何が肝心で、何が本題か。目に見えない部分、背景や成り立ち。
やれる人になってやる。
人間性を重視した暮らし、活動。
人は自分の思想(私の中の私の考え方)で生きるしかないのではないか。そういうあたりから、SCIENZ(サイエンズ)=科学的本質の探究という考え方が明らかになってきたようです。
Scientific Investigation of Essential Nature + Zero 

この考え方で理想を実現していく・・・
                                          (記事 中野敏美)

【お知らせ】
*第26回けんさん科学サロンのDVDあります。
次回第27回けんさん科学サロンは、
2月20日(土)、22日(月)に開催予定です。
テーマは「解説  サイエンズ(SCIENZ)について(1)」、発表者は杉江さんです。 

問い合わせ
けんさん科学研究所 Fax 059-375-1561
        E-mail info@kensanscience.org
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韓国から交流生4人

2月15日夜
韓国カンファ島より、4人の青年が、ここアズワンコミュニティにやってきた。約2週間の滞在予定だ。

昨年末から、このコミュニティに交流目的でやってくる青年が続いているが、今回の4人はちょっと違う!

お隣韓国では、今や音楽やマンガをはじめとする日本の現代文化が若者層にとても浸透しており、「ドラマを見て日本や日本語に関心を持った」という若い人もすごく多い。ただでさえ、日本に中長期で滞在し交流できるというのは魅力的なのだろう。

しかし、今回の女子学生達と(うち二人は学生を卒業したばかり)到着の翌朝さっそく話をしてみたのだが、

「今回来た目的は?」
と尋ねると、

「私達いつか共同体をつくりたい!そのために、ここに来て共同体の勉強をしに来ました!」
と即答。

日本では今や、こんなに若い人が、こんなことを、思い切り?言うのを、見るのも聞くのも初めてで、衝撃的でさえあった。

日本語は4人のうち二人がぺらぺらとまではいかないが話せて、二人はあまり話せない。またもや韓国語が話せる人の必要性を痛烈に感じる機会となっているが、若い4人にはそんな壁も乗り越えるガッツ!がある。しかも皆幼馴染で仲が良く、とっても明るい!

交流生
左から、ノ・へウォンさん、イ・ナリさん、ザン・ヘインさん、ユン・スンミンさん  

4人をここに送り出したユン・サンヨンさんの説明によると、4人の親達は皆カンファ地域で社会的な運動をしたり、教育の現場を作ってきた活動家達だそうだ。その娘達は、小さな頃から親の影響を受け、その親達のネットワークの中で育ってきたのだろう。

彼女達の話を聞いては、お互い困っているときには一緒に問題解決したり、助け合ったりして“一緒に暮らして行きたい”というような社会のイメージがあるようだった。

さて、来訪してから早くも一週間が経ったが、先週は既に3日間弁当屋と農場の2チームに別れて職場体験をし、週末には京都観光に出かけた彼女達。

「できるだけ多くの人とつながりたい!」

と言う彼女達は、職場や、ゲストハウスの伊与田夫妻、その娘さんのアミコさん、後半にはいくつかコミュニティメンバーの家にもショートステイする予定で、何を感じ学んで、どんな活動へとつながっていくのかー。

後半は又レポートします。
(written by  miyuki.ono)
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「循環共生とは何か」講座はじまる その①

~鈴鹿を循環共生型コミュニティに~
内藤講座
地球温暖化といった国際的な問題に、私たちに何が出来るだろう、と動き出した鈴鹿での活動。昨年11月にはシンポジウムを開催し「鈴鹿を循環共生型コミュニティに」とスタートを切った。そして早くもその実現に向けた活動が始まっている。
アズワン㈱の農業部門スタートがその筆頭であろうか。農地も更に広げつつ、若者たちが次々と参集している。また、アズワン㈱不動産部門では、現在「エコ型住宅」の建設が進行している。設計はシンポジウムに集った研究者の提案が盛り込まれている。

そして、2月12日、内藤正明氏(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター長・KIESS代表理事)をお迎えして3回シリーズの講座が行われた。テーマは「循環共生とは何か」。ちまたに「循環」とか「共生」という言葉が使われてはいるが、その根本の理解を深め、地域社会づくりに役立てようというものだ。
この企画も、「鈴鹿カルチャーステーション」(略称SCS)主催によるもので、やはりシンポジウムで提案された構想の一つが、一歩を踏み出したともいえよう。

さて、今回の講座の様子をレポートしていきたいと思うが、私(記者)にとって、とても興味深く、何か新しい動きや実践が生まれそうな予感があった。その内容を私見を交えながら何回かに分けて報告したいと思う。

何かが始まる予感
最初に注目したのが、集まった出席者の顔ぶれだ。簡単に紹介しよう。
まず、講師の内藤氏をはじめとする環境問題の研究者グループKIESS(HPはこちら)の面々。各地自治体・研究機関や団体と共に持続可能な社会づくりの提案をしている。
次に、鈴鹿市の市議会議員さん。「学校給食を地元の農産物で」と運動をしている。すでにお米に関しては実現しており、今からは、野菜を地元産のもので、と手がけている。
その一翼を担おうというアズワン㈱農業部門メンバー。そして循環共生の町づくりに農業と地域を結ぼうという「おふくろさん弁当」の店長。
現在建設中の「エコ型ハウス」の建築設計士と建設業者。施主のアズワン㈱経営者。
これらの実践を地域で支えようという鈴鹿コミュニティーのメンバー。更に、新しいコミュニティと人間の本質を研究するSCIENZ研究所の所員などだ。
「循環共生」の実現に向けて、見事に役者が揃ったといった感がある。
また、今回は、新しい農業スタイルを学ぼうと訪れた大学生と環境学専攻の大学生もお目見えした。
そのほか、農業者、養豚家、獣医師等々と多彩な顔ぶれの24、5人が相寄った。

前半の内藤氏の問題提起となる講座に始まり、後半では、この面々がそれぞれの立場からの活発な発言が飛び出し、熱気を帯びた。さて、その内容は次号にご期待。(記者=岩田隆
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毎度! おふくろさん弁当です その3

イモちゃんレポートの最後は、「人が生きるおふくろさん弁当」です。

人間らしく生きていくというのは、SCIENZ(サイエンズ)という考え方で生きていくことがベースになるのでは・・・。
おふくろさん弁当で働いている人の中には、研修センター(ライフセンター)のセミナーに随時参加している人が何人かいます。
その研修というのは、自らが、自分や人生や社会などについてをしらべ、考える機会です。
(詳しく知りたい人はライフセンターのHPへ

おふくろさん弁当には、そういうことをやっていきたいと思っている人が、老若男女問わずいます。
自分が日々何をねがい、何をしようとしているのか?自分の生きる目的をさぐりながら、やっている人たちです。
一人ひとりが、そういうことをしらべながら、気づきながら進んでいるようでもあります。
人が人らしく、その人がその人らしく生きていく、そこを目指しての職場。また、そこを目指しての経営。おのずと方針もそうなってくるのでしょう。
そして、そこにいる人、そこでやっている人が、どういう人なのかで、中身も充実してくるのかな~。
おふくろさん弁当は、まだまだ進行中、その目的に向かってどんどん拡がる一方なのでは・・・。

今も「○○○した~い」という人が現れ、もう2店舗できる予定です。やっぱ、人がベースなのかな!!

最後に、おふくろさん弁当の背景にはアズワン㈱やライフセンターがあり、その背景には、人が人らしく生きるためには?!ということを検討している、SCIENZ研究所(旧けんさん科学研究所)の活動もあるようです。(そういう検討は、不可欠なのかもしれません)。

いったい、このつながりはどうなっているんだろう??と、イモちゃん自身わかっていないのですが・・・。

ただ、人間の本質を探り、それに適った生き方ができる社会を目指し、それぞれつながっている。そのつながりの中に、おふくろさん弁当は存在しているのかなと思いました。

以上、今回のイモちゃんレポートはこれで終わりです。


おふくろさん弁当のHPはここをクリックしてね!
【関連記事】
毎度!おふくろさん弁当です その1
毎度!おふくろさん弁当です その2
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毎度! おふくろさん弁当です その2

さてさて、イモちゃんレポート第2弾。
今回は、題して『人をベースにした職場、おふくろさん弁当』です。

岸浪店長曰く、「僕はお弁当には関心がない。でもお弁当屋さんは、人がたくさんの関われる」と。お弁当屋さんの仕事は、特殊な技能や、資格がなくてもやれるそうです。だから、年配の人も、普通の主婦もここで生活費を見出すことができる。
儲けより、そういうこと考えて経営しているのかな。
また、外に稼ぎに行くと、1週間の合宿セミナーにもいけなくなると。
んっ??、ちょっとまてよー。なんで合宿セミナーに行けるようにと思うんだろう~?

詰め魚菜
ここで、お弁当屋さんの仕事の大まかな流れとやっている人を紹介します。
①魚菜部門
明るいキャラが持ち味のともこさんを中心に、現在18歳と22歳の男女3名が活躍中。一回の下ごしらえも、鶏肉50kgという世界。パワーのいる部門です。
②調理部門
魚菜で用意した材料を、朝5時から調理にかかります。オープン当初から来てくれている50代の元気母ちゃんや21歳のみさとちゃんなど、年齢は幅広く、5~6人でやっています。夕食弁当は若手男性調理師どいさんが担当。ちなみに四日市店は23歳と29歳のピチピチ姉さん2人が担当です。
③詰め部門
出来上がったお料理を、弁当箱に詰めます。ここで主にやっているのは、ようこさん、やえこさん、のりこさん、ろささんの50~60代おばさんチーム。この作業は、専門性はなく、初めての人でもできるということから、韓国から交流で来ている人も受け入れています。
④配達部門
出来上がったお弁当を、おふくろ号に乗ってお客様へお届けします。主に活躍しているのは、れいこさん率いるママさんチーム&頼りになるお父さん達です。幼児から中学生の子供がいるお母さんにとっては、仕事時間的にもってこいですね。

それぞれの部門の特徴をふまえ、人も配置しているようですが、これらは固定しているわけではなく、その都度その都度動いているようです。とっても柔軟で、流動的だなー。
また、他にも、メニューを考えたり、事務をしたり、ピンチのときに駆けつけてくれたりする人もいて、いろんな人が関わっているんだなーと思いました。

お母さんには、子供の体調、学校の行事や地域の活動などもあります。
青年達も、仕事ばかりというわけにはいかない面もあるのでは。
それぞれひとりひとり、やりたいこと、生活があります。
それでも、日々お弁当を作り、お届けする連続。
そのあたりは、どう運営しているのでしょう?
岸浪店長は、縛りのない、多少の融通が利くように運営したいと言っていました。ちょっと離れてみてみると、そういう方針の下、いろいろな思いがありながらも、お互いを認め合い、補い合いながらやっているのかなー。
また、若い世代がどんどんやってくると、ベテランお母さん陣は、その子らに思い切り活躍してほしいとねがい、自分達はできないところをカバーしようと自然と気持ちが動くらしいです。おふくろの心でしょうか?、人の心というのはそういうものかもしれませんね。

おふくろさん弁当は、人間らしく生きていけるように、人間のための職場をとねがう気持ちから成り立っているようです。
では、人間らしく生きていくというのは、どういうことなんだろう?
そのあたりについては、第3弾にて・・・。

おふくろさん弁当のHPはここをクリックしてね!
【関連記事】
毎度!おふくろさん弁当です その1
毎度!おふくろさん弁当です その3
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毎度! おふくろさん弁当です。

おふくろ号縮小版
鈴鹿で、ピンクの車といえば、『おふくろさん弁当』というくらい、知名度抜群。
おふくろさん弁当は、今年5月で3周年を迎えます。
今回、このおふくろさん弁当を、イモちゃんこと中野敏美がレポートします。

平田店玄関

おふくろさん弁当がスタートしたのは、2007年の5月。
アズワン㈱から店長に岸浪龍さんが抜擢され、40~50代のおふくろさん3人と30代のお姉さんでスタートしました。現在は、従業員数50人の大所帯。10代、20代の青年層も加わり、当時一番若かった岸浪店長は、中堅に。これからも、ピチピチの若い世代がやってきそうです。
また、平田本店、白子店、四日市店と3店舗になり、合わせて毎日約600個のお弁当を作っています。当初の販売数は70個、約8.5倍ですね。
配達も、アズワン㈱の事務所や派遣先工場、鈴鹿市市役所の売店で始まりましたが、今ではピンクの車『おふくろ号』も10台となり、鈴鹿市各所、四日市市へとお届けしています。

おふくろさん弁当のコンセプトは、『手作り』、『配達無料、一つからでもお届けします』。
手作り弁当を各地にお届けしています。

なんでこんなに拡がってきたんだろう・・・??

「お弁当は配達でしか売れない」という考えや、一人暮らしのお年寄りが増えているなど、今の社会の現状も踏まえて、一つからでもお届けしていこうというところがあるようです。
『一つからでも配達いたします』というのは、結果的に地域への地盤つくりになっていったのかもしれません。
チラシとメニュー表を持って、事務所、病院、役所など地道な営業活動もしてきました。

でも、そういう商業経営手腕もあるのでしょうが、なにかちがう!!
岸浪店長の話を聞いていて、単なる金儲けではないというのを感じました。
これは、アズワン㈱から感じるものでもあるのですが・・・。
商業的にも成り立たせながら、果たしていきたい目的がなんだかあるようでうす。

次は、その中身に迫ってみたいと思います。つづく・・・

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【関連記事】
毎度!おふくろさん弁当です その2
毎度!おふくろさん弁当です その3
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韓国から来訪

 以前の韓国レポートにもありましたように、私達夫婦が韓国でお世話になった、ユ・サンヨンさんと共にペンションを切り盛りする奥さん、長尾ゆきさんが子供達二人を連れて来日(1/25)しました。そしてもう一人、韓国から、イ・ナラさん(25歳)も一緒に来ました。
歓迎会26日昼に歓迎会をしました。
ゆきさんは、昨年7月に始めたペンション業もひとまず落ち着き、やっと時間がとれるということで今回来日し、ここのコミュニティーや、研鑽ライフセンターのコースを体験する機会を持ちます。昨日1/31~始まった「自分を知るための内観コース」に参加しました。

そして今日(2/1)、子供達とイ・ナラさんは一足先に、韓国へ帰国の途につきました。

ナラさん(右)と、マイ娘ノエ(左)
ナライ・ナラさんは、韓国のカンファトウにあるフリースクールで先生をやっています。「哲学」を教えているとのことで、中学生年代の子供達に「哲学」の授業があるのかと思い、びっくりしました。フリースクールでは、子供達の精神的な成長を重視して、様々な試みがされているらしく、その実状の話は大変興味深いものでした。ただ、そういった環境で育った人材が学校を出た後、発揮する場が地域にあまりなく、その場創りもこれからの課題だそうです。

このコミュニティでは一週間の滞在でしたが、おふくろさん弁当や農場で体験したり、ゲストハウスだけでなく、いろんな人の家で宿泊して、たくさんの人と触れあいました。それが良かったです、と彼女は言っていました。

中間に、ここのコミュニティで感じたことなどを聞くと、

「一見、皆それぞれの家でバラバラに暮らしているように見えるけれど、その人達の間にはどんな関係があるのか、どのように“一緒に”やっているのか」

という質問があり、そこからお互いにやりとりしながら理解を深め、交流できたのではないかと思います。これからの彼女の活動がすごく楽しみです。


今月半ばには、更に韓国から4人の大学生が来訪、2週間滞在する予定です。皆意識の高い学生だそうで、どんな展開になるでしょうか?!

又レポートしたいと思います。
(written by  miyuki.ono)
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